ルフィになりたいしエレンになりたい。
先日、何となくテレビのチャンネルを回していたらワンピースの映画がやっていたので、これまた何となく観ていました。
私はワンピースの漫画は30巻くらいで読むのをやめてしまいましたし、アニメを観ていたのは中学生になった頃までだったと思います。
なので特段ファンというわけでもなく、何となく懐かしいなと思って観ていました。
映画のストーリーはうろ覚えですが・・・
舞台はカジノの国。何でも金の力で治める王様?がいて、お金の無い人は理不尽な扱いを受けている。そこに迷い込んだルフィ一行がいろいろあって仲間を捕らえられて、助けるべく国民と協力しながら王様に立ち向かう
概略、そんな話だったと思います。
私は超何となく観ていたのですが、あるシーンでめちゃくちゃ衝撃を受けたというか、脳天に一撃喰らって放心してしまいました。
ルフィたちが入ったレストランで貧しい国民(子ども)が金持ちの大人から理不尽ないじめ・暴力を受けており、それを見たルフィが「むむむむーーー」とフラストレーション満点の表情を浮かべています。
(そしてそのイライラを発散するかのようにすごい勢いで肉を食っている)
私はこの後、ルフィが「あんな奴らは俺がぶっ飛ばす!」とでも言って、子どもたちを慰めるんだろうなと思いました。
そしたらルフィ、なんて言ったと思います??
なんで戦わないんだ?
って、言うんですよ。子どもたちに向かって。
すごくないですか??
弱い者を守るだけじゃなくて、戦えって言えるヒーロー。
「子どもたちに向かってそんなこと言っちゃうの?」という衝撃。
頭の中で既定路線として思い描いていた展開と違いすぎて、それまで何となくしか観ていなかったのがテレビにかじりついてしまい、そしてその後しばらくポカーンと放心状態でした。
完全にイメージ入ってますが、これたぶん、アンパンマンだったら戦えとは言わないと思うんですよ。
自分の顔を分けてあげて、敵を倒してくるから安心して待っててね、って。これがアンパンマン式ヒーロー。
それもとても素晴らしいし格好いい。
でも、たぶん、そうやって守った相手は、アンパンマンのように強くはならない。
強くて優しいヒーローになるためには、負けてはいけない勝負のときに戦う経験を積まないといけないんだと思います。
ルフィのように守るべき対象に対しても「戦え」というメッセージを送るのは、少年漫画だったらわりと当たり前のことなのかもしれないけれど、私にとっては脳天に一撃くるような衝撃でした。
そして、それを衝撃だと思う私は温室に居すぎるのかもしれない、という気付きにも二重に衝撃を受けて、テレビの前で放心してしまったのです。アンパンマン脳、つまり小さい子ども向けのファンタジー脳になっていた自分に気付いて。もっとサバンナやジャングルに出なきゃいけないのかもしれない。
思えば「進撃の巨人」でも
戦わなければ勝てない
という主人公エレンの有名な言葉があります。
明らかに理不尽過ぎる世界で「俺が守るよ」じゃなくて「戦え」って言える主人公。
拡大解釈かもしれないけれど、ルフィやエレンは、現代社会に生きる私たちに「戦え」というメッセージを送ってくれているのかもしれません。
現代社会で戦うって、何かで一番になるとか、社会的に有名になるとか、財産を作るとか、そういうことだけじゃないと思います。
例えば、すごーく話は飛びますが、長年田舎で主婦として家族のために尽くしてきたおばあさんが、90歳にもなって辞書を片手にビジネス書を読んで、自分の世界を拡げようとしている。
これって、めっちゃ、戦ってる!
その人なりの新しいことにチャレンジして、自分の外側に対して何か貢献しようとすることが、戦うってことなんだと思います。
守られているだけでは、きっと、こういうスタンスにはなれない。
無理に意識高くしなくていいよって、生き急がないでまあお茶でも飲んでゆっくりいこうよ、って言える人でありたいし、「24時間戦えますか?」なんて昭和(平成初期?)なことは全然考えてない。
でも、その人にとって本当に負けちゃいけない勝負のときは「戦え!」って言ってあげたい。自分に対しても。
そんな人になりたい気持ちです。はい。
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