脳内開示独白(脳独)5

久しぶりに人の多い場所へ出かけたんだ。夏休みが始まってから、久しぶりの事だった、いや、それ以上だった。

 あのウイルスが始まってから、初めての密集と熱気だった。それは夜に行われる、人々が行列をなすことだ。基本、夏や秋に多い。神社は屋台が占領し、太鼓の音が大通りに響いている。久しぶりの光景だった。

 やはり、人がたくさんいるのは面白いことだと感じる。不思議な感覚だ。人が多いのは、それすなわち混沌を意味する。たくさんの脳みそが絡み合い、その場は混沌の熱気で占領される。混沌なら、身近にあるはずなのに、混沌なら、自然こそそれを体現しているのに。

 人はよく、緑色を見るのが心身を休めるのによい行動であると言う。混沌と生命が支配しているはずの自然を、安らかなものとして観測するのだ。それに対し、人が多いと、人は良く気持ち悪いだとか見てていい気持ちはしないなどと言う。この違いはどこから生まれるのだろうか。


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