養老先生の虫展に行く
大分の大分県立美術館(OPAM)で開催中の「虫展」。大分に住む仕事仲間の友人がこの企画展に携わっている。「行きたいけれど大分に行く仕事もないし、ちょっと難しそうなのよねー」と伝えると、「鎌倉で養老先生の企画展をやっているよ」と教えてくれた。
教えてもらったらからには行かねば! そんなわけで、汗をかきかき、鶴岡八幡宮内にある鎌倉文華館・鶴岡ミュージアムに出かけてきました。
外観から見ると、新しいミュージアムです。どこか懐かしいなと思って歴史を調べてみると、神奈川県立近代美術館・鎌倉館を継承し、2019年にオープンしていました。鎌倉の文化発信拠点として1つのテーマを掘り下げた企画展を行っているとありました。2020年には、建物が国の重要文化財に指定されている。
「虫(むし)ー養老先生とみんなの虫ラボ 虫の観方から世界の見方を知る 養老先生の虫展」では、
養老先生の昆虫コレクションが見られます。
テレビ番組で見たことのある、本で読んだことのある標本。同じ虫が地域ごとに延々と並べられている。
それから、その標本を模写するための、紙と筆記用具、虫メガネがおいてあります。
養老先生は、「何よりもまず次世代を担う子どもたちと保護者が、現在機器的な状況にある昆虫を代表とする自然に触れて、自然への理解を深め、将来の世界をどう作るかに向けて、より深い学びと洞察を得る機会になれば、と考えて」開催した。入り口に書かれたメッセージ。そして、昆虫は「1990年から2020年までの間に全世界でその七割から九割が減少したことが知られ」と続いている。
(えぇ)と心の中で叫んだ。そんなに減っているんですか。
言われてみれば、確かに、トンボも蝶々も滅多に見ることがない。蟻も滅多に見ることがない。そして、自分は虫が苦手ときている。
標本のほか、展示室の一番奥では、養老先生のインタビュー動画が見られます。
その凝縮版のパネルにあった言葉が以下です。引用させてもらいます。
会場の一角では、顕微鏡を熱心に覗き込み作業を続ける養老先生がいらっしゃいました。白いジャケットを着て、背筋をすっと伸ばされた姿に近寄りがたさを感じました。子供も大人も周りを囲むようにしてそのお姿をじいっと見つめている。
違いを見るから見えてくるもの。
反省しまして、自分も嫌いと言わずに、標本から模写してみました。
虫は嫌いだと言わずに。次に虫に出会ったら、じっと「見る」に試みたいと思います。
知り合いに教えてもらったからという理由でしたが、
スキップせずに訪問することができていい時間でした。
というかぜひ来なくては、と思える場所です。
「虫の観方から世界の見方を知る 養老先生の虫展」
2024年9月1日(日)まで
会期中無休
*虫の表記は正確には虫3つ🐞
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