【タスクシュート】時間割で挫折し続けた私が、無理なく利用できているワケ
昔から、時間に対する苦手意識があった。
ついギリギリになったり、予定通りに進められなかったり。
数分の遅刻も時々してしまうので、身近な人には「たまにちょっと遅れる人」と思われているはずだ。辛い。
なんなら
「こんな私がタスクシュート認定トレーナーになって人に時間管理について教えるなんて、冗談でしょ?」
と、チャレンジしている今も時々思うほど。
そんな私の時間・タスク管理の奮闘ぶり(ビフォーアフター的な話)を、恥を忍んで書いてみる。もしかしたら誰かの役に立つかもしれないから。
※ タスクシュートとは
タスク管理の方式の1つで、スケジュール管理とタスク管理を同時に扱うメソッドのこと。詳細は以下の記事を参考にどうぞ。
時間について、子どもの頃教わったこと
いつも親に、こう言われていた。
「1分でも無駄にすべきじゃない」
「ボーッとしてないで、意味のあることをしなさい」
「やりたいことをするのは、やるべきことをやってから」
ある意味確かなことだろうし、考え方自体を否定するつもりはない。
だが、決して他人に強要するべき絶対的・普遍的命題でもないと今は思う。
物の整理は得意なのにタスク整理が苦手な理由
整理収納アドバイザーとして人のお片付けを仕事として手伝うほど、物のお片付け(整理収納)は得意なほうだ。
特に私は、収納よりも整理(不要なモノを取り除くこと)に重点を置く。
削ぎ落していく過程で「その人の人生で重要なモノたち」が見えてくると思っているほど。
お客さんに押し付けることはないが
「物を減らした方が理想の空間になる」
と考えていることも大きい。
というのも、私の理想の空間は簡素なお寺の本堂。古くて美しい木造建築の中でボーっと何も考えずに過ごすのが、至福の時なのだ。
でも時間やタスクについては話が別。
「人生が短すぎる」
「やりたいことが多すぎる」
と元々思っている。
そのため、どうしても「タスクは少ない方がいい」……とはならない。
時間・タスク管理を独学で学ぶ日々
もちろん、苦手や課題についてずっと手をこまねいてきたわけではない。タスクシュートに出会うまでの間も、試行錯誤で学んできた。
今までやったことをまとめると、
周囲の人にオススメ方法を聞く
時間術の講座に行く
Trello(カンバン方式として有名なツール)を使う
Todoist(GTD、ゲッティングシングスダンのツール)を使う
逆算思考の手帳を使う
ガントチャート(プロジェクト管理の手法)に挑戦
時間割を作る
付箋で管理する
タスクを細分化する
敢えて「やらないこと」を決める
やりたいことリストを作る
人からの依頼のように、自分との約束として時間を取る
……など。
相当色々なものを試したほうだと思う。
それでも治らなかった。
始めた時には一定程度の改善があるが、根本的な変化には程遠かった。
過去の時間割
特に「時間割を作る」には何度も取り組んだ。
学生の頃にも「何時から何時に勉強して……」と一生懸命作っていたから、軽く20回以上は作ってきたはずだ。
少々恥ずかしいが、最近作ったものの一部を公開してみる。
でも、ダメだった。
正確に言えば、1日たりとも時間割通りに動けたためしがなかった。
今考えれば、
サボり癖を考慮に入れていない
なぜ毎日早起きできる想定にしている?
疲労や体調をまったく考えていない
5時間ぶっ続けで仕事できたことがあったか?
……など、この時間割がダメな理由はいくらでも挙げられる。
でも、最も大きいのが自分に理想を押し付けすぎていることだ。
実績との違いを見て自己嫌悪
時間割を作るだけでなく、どれだけ理想と現実が違うのかを可視化したこともあった。
「それならきっと次の日に活かせて改善に結びつくだろう」
……と思うだろうか?
残念! 結果は散々だった。
見事なまでの減点方式。できなかったことにしか注目していない。これでは誰だって嫌になるはずだ。
「いやいや、そりゃ無理でしょ」というツッコミどころもある。
「PC調子悪いのを見込んで時間考える」なんて絶対に不可能だ。
自分で大真面目に書いておきながら爆笑してしまった。PCのフリーズ時間をどうして事前に想像することができるんだ?
更に、原因からの改善方法提案がダメすぎる。
「ツイッター見てた、ひるまがんばりすぎた(子どもにガマンしてた」
という原因分析からどうして
「Twitterは1日2・3回にするかな……」
になるのだろうか?
子どもにガマンしていたことがストレスで夜のSNS徘徊をしてしまったなら、必要なのは昼間も適宜休息を入れたり子どもから少しの間離れたりすることだろう。
私の場合は自分1人でやっていたせいもあるかもしれないが、概して理想と現実とを突き合わせると自己嫌悪に陥ることが多い。
それだけ私たちはありのままの自分を認めず、理想を簡単に思い描いてしまうものなのかもしれない。
時間割とタスクシュートの違いは?
タスクシュートの見た目はこんな感じ。
(これはタスクシュートクラウドというツールのweb版の画面)
一見すると、時間割と同じようにも見える。でも実際は全然違うのだ。
何が違うのか、大きく3つのポイントに分けて説明してみよう。
■毎日、その日の「現実的なプラン」を作る
タスクシュートでは1日のはじめに、その日1日のプランを立てる。
立てる時間は人によって違う。多くの人は朝起きて早い時間のうちに済ませるが、前日にある程度予定を立てる人もいる。私は時々昼過ぎになることもあるが、それでも毎日考えている。
というのも1日1日は必ず異なり、同じ日は1日たりとも無いからだ。
「え、そんなの当たり前のことでしょ」って?
でも、仮に1週間の時間割を立てたら「月曜日はこう」と決めつけてしまっていることになる。今週と来週では体調も違うだろうし、夏と冬とでは気温も行動も変わるのに。
また24時間で収まるように「現実的なプラン」を立てるのが、他の多くのツールとは異なるところ。
タスクシュートクラウドでは終了予定の時刻が表示される。
もし終了予定が24時を超えるなど現実的ではないならプランが現実的ではないのだろうし、22時など自分の寝たい時間と同じなら現実的に可能だ。
(睡眠もタスクにする場合はまた異なる)
■想定を必ず守らなければいけない訳じゃない
タスクの見積もり時間も、必ずその通りにしなければいけない訳ではない。
夕方になって
「あ、もうこんな時間。夜やろうと思っていたことがあまりできなそうだから、このタスクは30分ではなく10分にしておこう」
とするなどの修正も比較的簡単だ。
タスクの順番が想定と違ってくることもある。
仕事に気分が乗らない時間に夕方の家事をやってみたり、お腹が空いていつもより早めにお昼を食べたり。
なんなら、まったく予期していなかったタスク(割り込みタスク)が発生することもある。
幼い子どものいる人なら、子どもの体調不良で「小児科に行く」というタスクが生じる日もあるだろう。
そういう突発的な物事・成り行きに対応できるのが、タスクシュートの良さだ。これは時間割では確実に達成できない。
■理想に合わせるのが時間割、ログを生かすのがタスクシュート
時間割を作る時、私の中には前提があった。
それは
仕事に多くの時間を割くことで目標を達成できるはず
休憩時間は無駄だから最小限にとどめるべき
無理してでも早起きすることが絶対な善である
などという勝手な思い込みである。
ある意味、現代人ならではの考え方とも言える。
「偉業を達成するのがすごい人だ。自分の特技を生かし、すごい人を目指すべきである。人の役に立ったりお金を稼いだりして、他人に羨まれるような人になることこそ、素晴らしい」
とする思想だ。
別に、真っ向からこれを否定するわけではない。できる人はやればいいし、社会のためになることを皆がやってくれたらきっと良い未来に繋がるだろう。
でも、それならどうしてSNSやスマホゲームや井戸端会議で時間を潰す人がいるのだろう? 推し活が流行する理由は? テレビでワイドショーしか見ていない家庭は、いっそテレビを捨ててしまった方がいいのか?
……私たちはなぜ、無駄とされるような行動をしてしまうのだろう?
それは、休息や心の潤いが必要だからだ。
疲れたら休むし、好きなことをしたいし、のんびりダラーっとすることだってある。ほとんどの人は理想論だけでは生きていけない。
そこで役立つのが、タスクシュートのログ(行動記録)だ。
ログをルーチン(繰り返しタスク)にして翌日以降のタスクにすることで、現実的なプラン作成に役立てることができる。
1回経験のある行動だから「きっとできるだろう」という気持ちになりやすく、単に頭の中で考えたタスクよりも実現可能性が上がる。
「理想だけでなく現実的な計画を立てよう」
と言われても無意識な欲や見栄が邪魔してなかなかできないものだが、ログを使えば冷静にプランを作れる。
よく「記録を残すことが大事」と一般的に言われる。その意味は、こうして将来に生かすこともできるから貴重だ、ということなのだろう。
悩んでいる人に届いてほしい
ここまで、私の過去の失敗とタスクシュートの優秀さについて赤裸々に書いてみた。
ただ、私が失敗した時間割・GTDなどの方法でうまくいっている人も中にはいると思う。
タスクシュート認定トレーナーを目指しているからって、なにも私は地球上の全員にタスクシュートを使ってほしいわけじゃない。
とは言え、きっと悩んでいる人のヒントにはなるはず。困ったらぜひタスクシュートを試してみてほしい。
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