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いつもと違うことをやってみる

いつもと違うことをやってみる。
いつもと同じことをするほうが、慣れているし、しっくりくるだろう。
サーティワンにいけば、クッキー&クリームしか頼まないけど、いつもと違うフレーバーを食べてみると、新しいお気に入りができるかもしれない。ということだ。

あるママ向けのセミナーに参加したときのことだった。
そこで、言われたのが、「行動や言動のパターン(基準)を知ろう」ということ。そして、たまには違うパターンをやってみると、違う世界に出会えるよ、ということだった。

自分のパターンは本当にしつこい。新しくチャレンジしよう!と思っても、自分のパターンが邪魔をしにくる。
私の場合は、ダイエットが続かないこと。体重が気になりだし、「痩せる!」と意気込んでも、「明日から絶対やる」といって、明日になってもやらないのだ。手をあげても、ギリギリになってひっこめる。これが私の行動パターンだ。

ほかにも、ある講座に一番に申し込んでも、結局ギリギリまで煮え切らず、キャンセルの連絡をしてしまったり、この商品買います!取り置きしてください!といって取ってもらっていても、結局キャンセルをしたり。本当に質が悪い。
でも、このパターンを知ることで、最近は迷惑をかけないよう、食い止めることができている。

最近一つ、大きな「いつもと違うことをやってみる」をした。
私は、猫派だ。学生の時に猫を保護し、飼っていたことがある。2年ほど一緒に暮らしていたが、いつの間にか、いなくなってしまった。一生懸命探したが、携帯やインターネットがない時代、電信柱に張り紙をして何日も探しても見つからなかった。
そんなこともあり、子供が思春期になったら、猫を家族として迎え入れようと考えていた。思春期になって、私と会話をしなくなったら、猫を介して会話をしようと企んでいたのだ。

あのいなくなった猫を飼っていた時から、20年以上経っている。そして子供も6年生になり、そろそろかと、猫のブリーダーさんのサイトをチェックし始めていた。楽しみだ。

今年の6月、家族でショッピングモールに行った。賑やかな人の声がする中、鳥の声が遠くから聞こえた。ペットショップだ。
うちにペットらしいペットがいないので、子供たちは喜んでペットショップを覗きに行った。かわいらしい子犬と子猫が並んでいる。
その中で、1匹かわいい子犬が、私たち家族をみてコロンとおなかをみせて、嬉しそうにしている。
「かわいいねぇ。」
だいたい、ペットショップに行っても見る専門だ。今回も見に来ただけだ。
その日は、帰り道の車の中で、子供達と主人と、あの子犬の話をしながら帰った。

私は猫派だ。猫を飼う気満々だ。犬はお散歩がある。雨の日も散歩に行くのは大変だ。猫は散歩はいらない。頭の中は、猫派の私と、犬でもいいんじゃない?の私がせめぎ合っていた。私が犬を飼う、ことに二の足を踏んでいるのは、私の猫を飼う!というパターン以外に、もうひとつ心当たりがあった。

まだ子供がハイハイしている時期に、主人の実家に遊びに行った時だ。主人の家では中型の犬を2匹飼っていた。私が犬との接し方が分からず、まごまごしていたころだ。
キッチンで、主人と、義両親と、息子がいた。ハイハイして息子が私のいるリビングにやってきた。よっこらしょと抱きかかえると、息子の口がやけににおう。

ドックフードのにおいがする。
「あの、息子がドックフード食べたかもしれないんですけど…」
「ああ、食べていたよ!犬も食べるものだから、大丈夫よ」と義母。

うそでしょう。
帰りの車の中で、私は泣きながら主人に怒った。ワンちゃんはなんにも悪くないのだが、私の中で「犬=ドックフード=食べた息子」が繋がってしまい、もう犬はお断りの心持ちにしかならざるを得なかった。

でも。
猫を飼う気満々だけど、あの子犬が気になっている。あの子犬を家族に迎え入れてみようか。幸い、ちょうど給付金もある。でも、猫を飼うつもりだし…。
次の日、私は、車で1時間かかる、昨日行ったショッピングモールのペットショップに一人で来ていた。あの子犬を飼うことにしたのだ。

犬は散歩があるからいや。と理由を付けて犬を飼うことを回避してきたが、いざ犬を飼ってみると「散歩をして犬を連れている自分」をやりたくてしょうがない。いやいや、手のひらを返したような私の思考に、私もびっくりした。

朝夕と散歩をすると、いつもすれ違う顔見知りのおじいさんとそのワンちゃんともあいさつを交わす間柄にもなった。
Instagramに子犬の写真をアップした。そうすると、次々と同じ犬種のお仲間さんがフォローしてくれた。私に、SNS上の犬友ができた。そして、今まで気に留めなかった、知らなかった事実も知ることになった。保護犬や保護猫の存在だ。
ペットショップに並ぶ、かわいい子犬や子猫の裏に、悪徳ブリーダーがいて、劣悪な環境で子供を産まされている親犬がいるということを。目を覆いたいけど、事実に目を背けてはいけない。

子犬を飼うことで、私の人生は多方面に広がりができた。そして知るべきこともできた。もちろん、猫を飼っても同じように広がったのかもしれないが。
犬は犬なりの、楽しみや広がりがあることを知った。散歩も、そう悪くはない。

知らない世界が広がるのは楽しい。
いつもはやらないことをやってみる。
案外、面白いかもしれない。


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