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【数学点描 vol.36--子育てとゲーム的状況--】

すうがくぶんかの広報担当神戸です。いよいよ新年度が始まりましたね。すうがくぶんかでも集団授業は4月~8月、9月~2月の1年度2学期制で、慌ただしくも新しいことが始まりワクワクする季節です。

さて、今回の数学点描は弊社代表が子育て中に遭遇したゲーム的状況の話です。兄弟が見たいテレビを争うというよくある光景ですが、そこには典型的なゲーム理論が潜んでいます。

数学点描 vol.36 --子育てとゲーム的状況--

うちには2人の男の子がいて、1人は6歳、もう1人は3歳になりました。2人は録画した番組のどれを見るかでよく争っています。

長男は録画したNHKの【ダーウィンが来た!がみたい】と言い、次男は【おさるのジョージがみたい】と言ってききません。そして、妻は【ケンカするんならTVをみせないよ】といいます。

私はそれを観察して、これはまさにゲーム的状況だなと思っています。

この状況を次のような利得関数Fを使って表すことを考えます。

F(長男戦略, 次男戦略) = (長男利得, 次男利得)

F(ダーウィン, ダーウィン) = (2,1)
F(ダーウィン, ジョージ) = (0,0)
F(ジョージ, ダーウィン) = (0,0)
F(ジョージ, ジョージ) = (1, 2)

2人にとって最も悲惨なのは、戦略が決裂してどちらの番組もみれないことです。なので、上のような状況になると考えました。

この場合、(ダーウィン, ダーウィン)と(ジョージ, ジョージ)はナッシュ均衡ですが、それが実現されるかどうかはわからないんだよなぁなどと思っているうちに、兄が折れておさるのジョージが始まりました。

少し考え直して真の利得関数は、

F(ダーウィン, ダーウィン) = (2,0)

だったのかもしれないと思いました。次男はまだダーウィンが来た!を理解できないので、みてもみなくても同じなのかもと考えるとこうなりそうです。

この場合、次男にとってはジョージが支配戦略(弱支配)となるので、それをわかっている長男は自分の行動を調整して【ジョージでもいいよ】と言ったと考えられるわけです。

私はそれをみて、お兄ちゃんやさしいねと声をかけたのでした。

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