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ハイキング+コーヒー 9

…確かに存在するけど実体が掴めないもの。


山梨県の、大室山へ


“大室山”と聞くと、静岡県にある
「お椀を逆さにした形の楽しげなお山」が浮かぶが
今回歩いたのは山梨(道志村)の大室山。

例によって「やまなしハイキングコース100選」を見るが今度はちゃんと最新情報も忘れずにチェック
加入道山も併せて登ろう、とコースを確認すると役場HPで封鎖の案内を発見。


道志村役場HPより
代わりに案内されている久保登山口から登ってみる

歩いた感想

足元は落ち葉や枝、土なんかでかふかしている所が多かった、岩や土より足に優しい気もするが、踏ん張る力がいるので足の指を酷使する

木の根が多いゾーンも
序盤は尾根コースらしい木々の間を歩いて行くコース


同じような景色が続き全然人に会わない。
途中から林の中へ、よくよく見ないとルートが分からない…私にはよくよく見ても分からない箇所が多い
登る時は高いところ目指しとにかく上がって行けば良いが、帰り道分かるだろうか…この不安は後に的中する!


登りは楽しかった
8月頃に歩いた近くの焼山ではとんでもなくバテた。雰囲気が似ているし高さはこちらの方がある、しかしあの時ほどの辛さはない。
焼山での不調は服装や暑さによるものだったのだ、と少し安心した。歩くのがより楽しい季節、寒さが苦手な私にはこの間ができる限り長く続いてほしい。
前半は針葉樹が多いし、暑さも引いたばかり、まだあまり紅葉は見られず。

1,000m以上の高さはこういう林エリアが多かった
既にコースを外れている可能性があるが、
目印のピンクテープも見つけにくい


3時間弱かかり山頂へ。

山梨100名山
県内だけで100名山選定できるとは凄い

自分の時計での標高推移

麓「351m」→「1498m」


山頂を少し降りた所にベンチがあり、休憩。

横須賀で買った“FARO”のコーヒー豆

眺望は無い、と書かれていた通り。
隣の「加入道山」まで1時間20分とあったので途中まで行ってみる左右両側に稜線を拝めるのが最高だった!

左上:目指す加入道山
整備された分かりやすいルート
左下:振り返って見る大室山
さらに下りそうだったので結局「前大室」まで

ちなみにこちらは神奈川県に入るようで、
整備されまくり、迷いなく歩ける。
そして眺望が開ける箇所があり、左右の山々が楽しめた、冒頭に書いたナゾナゾみたいな文は稜線のこと。

ビューポイント分かりやすく粋だ、けれど富士山は雲隠れ


確かに存在するけど実体が掴めないもの。

標高の高い山なら植物も生えず、岩場を一歩ずつ踏み締め確かに山の輪郭を感じる事もあるだろう。でも私がハイキングする山では、山頂も木に覆われたり頂上の地形もそれほど鋭利ではないので、山の形や稜線を実感することは少ない。

だからか、私は遠くの街並みを眺めるのも良いが
山の稜線を眺めることが好きだ
まるで生き物に見えて「山の背中が撫でられそうだ」と考えたりする

歩いているその場では意外と実感できない
俯瞰して「実在していた」と分かり安心する。毎回不思議でもあり、雄大な姿に目を奪われ景色としても好きだ。

下山、不安が的中


行きは1人とすれ違っただけだが、山頂で3組くらい見かけた、私も含め方々へ降りていく。ピンクのテープを頼りに下る。登りはよく分からなかったが、上から見ると目立つんだなぁなんて呑気に下って、手元で標高を見てみる
500mくらい下ったところ…全く見覚えの無い景色

スマホで見ると逆方向に来ている、道が分からない
なんだここは、切り倒された木々がたくさん置かれ

…迷った
スマホの電池も少ない
14時目前、不安が押し寄せる
結構降りて来たしどこかに下るか…

しかし「迷ったらとにかく山頂を目指せ」と聞いた
そうだよな、裾野は無限に広がるが山頂は明確
さっきまでいたところに戻ろう
戻れるだろうか、不安に駆られながら登る

…戻れた!

かなり出だしから間違えていた。しかし落ち葉もあってか道がやはり分からない。スマホ電池残量と日没に怯えながら、地図と時計の方位とを睨めっこ。
そのうち左膝も痛み始める

呑気に稜線へ想いを馳せている場合じゃなかった、
なんとか16時過ぎに無事下山。

普段、“生死”なんて意識せずに生きていたが
“帰って来られなかったかも知れない自分”を思い
奇しくも生死を意識した。反省点が多く、もちろん、こんな準備不足で陥った不安を冒険だなんて捉えていない

反省から次回以降への改善

・YAMAPに登録
・モバイルバッテリー・ライト持参
・コースが分からないところは歩かない

当たり前だろ、と叱られそうな内容だ。
前回、黒岳麓のカフェで山岳部出身だというお店の方が

「山梨の山の良い所は、コースって言っても全然手入れしてないところだね。」と言っていた。
確かに崩落や倒木、草が生い茂り自然そのまま

定番でも標高が高いと難易度も高いだろう、と敬遠していたが、手入れされていないコースの怖さを痛感
(ネットでは“よく見れば迷わない”と書かれていたのでやはり私の歩き方が未熟なのだろう)私には山梨は早かった。

もっと定番でコースが明確な山へ行こう!と誓う。
YAMAPお供に。電波なくても地図が見られたり登山計画出したり、知り合いに位置も送れるのね、優秀過ぎる
そして駐車場とか最新の情報も分かりやすい。
前職でも「準備9割!」って言われたな
何事も備えが大事。アウトドア保険には入っているが、使わずに無事に楽しみたいもの。

下山後の楽しみ

日帰り入浴へ「道志の湯」
地元の方や周辺にキャンプ場もあるからかとても賑わっていた。謎に「横浜市民割引」がある
どうやら横浜市民の水源はここ道志村にあるらしい

なら感謝の意を込め多く払うべきでは?笑
友好都市的な感覚なのだろうか。

汗を流し温泉に浸かる
先ほどまでひたすら孤独に歩いていたのに
賑やかな人の活気、硫黄の匂いで帰って来られた事を実感した。

水は2リットルで足り、カップ麺、羊羹、入浴料
およそ1,000円で1日を遊び尽くす。(高速、ガソリン代は含まず)

駐車場は無料


山梨のハイキングコース整備やテープの張り替え仕事かボランティアでもやらせてもらえないかなあ。(絶対頼まれないし任してもらえないだろうけれど。)その際はちゃんと地図片手に記録もする、県や山の然るべき権限をお待ちの方、是非!!


まぁ、しばらくはコースが明確な山歩きを楽しもう(分からなければ無理せず引き返すこともまた勇気)とにかく反省と学びの多いハイキングだった。

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