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10歳の誕生日プレゼントは20年経つと宝物になった

10歳の時、父からもらった誕生日プレゼント
「自分で自分を写した写真」


正直、10歳の時は嬉しくなかった。


背景の百貨店陳列に時代を感じる

だけど2年後に父が亡くなり
年を重ねる毎に宝物になっていく。

私が3歳の頃両親が離婚した。
「身体に気をつけて。」
「そっちこそ。」
布団から聞いた両親の会話、見送ろうか迷って
寒いから布団にくるまったまま再び寝てしまった。
その日以来、父が帰って来ることはなかった。

ように記憶している。

その後かなり経ってそれに気づいた時
「あの時、起きて両親を引き留めていれば。」
後悔して夜な夜な泣いていた。

大人になった今なら分かる
私には離婚は止められないし泣く必要もない。

6歳ころから父とは会いたい時に会えるように。
いつもカメラを持たせてもらって好きに撮って
次に会う時にプリントして渡してくれた。


当時は離婚している両親を悲しく思っていた
「みんな両親揃ってるのに」
あの時は簡単に人を羨んでいた。


ちなみにすっかり大人になった私はこうも思う

私が母なら父とは離婚したし
父だったら、やはり母と離婚する。

そう言うことなのだと分かるまで時間がかかった。笑


写真の裏には手紙が付いている。
父が亡くなり20年以上経つけれど
誕生日の度に手紙を読む
心細くなった時も
辛くて心が折れそうな時も。

辛い時だけじゃない
結婚した時も
嬉しい時、幸せな時も父に会いにこの写真、手紙を見返す、だから涙でよれちゃったけど。


字の色の選択も父らしい



この時の夢はカメラマンだった


父の字、独特な言い回し
こんなの10歳には伝わらないよ。粋すぎる




10年経って価値に気づいて
20年経って重みが増す
凄いプレゼントだった。

悲しいことも
幸せなこともきちんと心が動いている証拠だよね

あの時ありがとうが足りなくてごめん。
読み返す度に心からありがとう、と言っている。

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