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江戸川区は、島国。

江戸川区は、東京都の東部に位置する。西側は荒川を挟んで江東区。東側は旧江戸川を挟んで千葉県。北側は葛飾区。南側は海である。東側の荒川を超えると、平井などの江戸川区に属する地域もあるが、概ね以上のように三方は川に囲まれた島国のようなものなのだ。

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私は物心ついてから、社会人になるまで江戸川区で育った。友人と遊びに行くにも江戸川区内がほとんどだったのだが、他の区にいくというのは、なかなかなハードルが高いというか、それこそ江戸川区という「島」から出ていくというパワーが必要であった。また、友人たちも江戸川区民がほとんどだ。中学、高校の頃はちょっと遠くに遊びに行くと言っても、新宿、渋谷、池袋なんて行こうと思ったこともなく、せいぜい錦糸町、新小岩あたりで、事済んでしまう。今でも江戸川区に残り続けている友人も多い。物理的に「島国」というのもあるのだが、なんとなく情報鎖国されていて、住民のマインドもガラパゴス化している印象をうけているのである。

・他の区のことをあまり良く知らない。

現在、私は東京の西側のとある超有名でもなく無名でもない場所に住所をおいているのだが、地元の友人何人かに自分の居住地を聞かれ、答えたものの、わかっていない人が何人かいたのだ。おそらく江戸川区民は他の区に関心がないのだと思う。変に、隣接する区にライバル意識をもっていない。悪く言えば無知だし、良く言えば平和なのだと思う。特に東京の西側に関して、無知な人が非常に多い。私の地元の友人が引っ越したとしても、東京の東側であったり、千葉に移り住む人が多く、東京の西側に住む人はほとんどいない。下町を馬鹿にする山の手の人間もいるくらいだから、下町の人が西側にくるのには、抵抗があるのだろうか。

島国だから平和。どちらかに変な劣等感も芽生えない。

陸続きの区界は場所によっては、変な劣等感をどちらかが感じている地域もある。例えをだすと、

・世田谷区成城〜調布市入間町

世田谷区成城は、東京でも屈指の高級住宅街で知られる。そんな成城から区界を超えて調布市入間町に入っても、しばらく周辺のアパート、マンション、商業施設の建物名には「成城」という名前が入っているところが散見される。住所としては調布市なのだが、世田谷区成城にちかいもんだから、「成城」と名乗っているのである。ただ、入間町に隣接する成城9丁目、8丁目あたりは成城学園前駅から徒歩15分を超えるところもあり、住所としては成城であるものの、もはや「本物」の成城ではないと思われる。そんな本物の成城ではない地域に隣接している調布市なんていうのは、もはやただの調布市である。あとは、練馬区立野町〜武蔵野市吉祥寺北町、杉並区成田西〜杉並区浜田山、などなど、優劣の差が大きいとそういった現象が生じやすいと思われる。

しかしながら、江戸川区というのは陸続きの区界というのがほかの区に比べて少ない。物理的に区界に川というクリアランスがとられているおかげで「うちはうち。よそはよそ。」というマインドが根付きやすかったのかもしれない。隣接する区と比べて、どちらが優れているかとか、どちらが劣っているか、という話題になりにくいと思われるし、実際私は地元の友人とそんな話になったことがない。そもそもとして住んでいる地域でマウントを取り合うこと自体、下品かつ時間の無駄である。

地元の友人は心地よい。

ほかの地域に対して関心を持たないまたは知らないというのは恥ずかしいことではなく、本来そうあるべきなのかとも思った。土地というのは資産としての性格が非常に重要とされるが(特に東京は)、本来は、自分が気に入った土地、例えば緑がたくさんあるとか、近くに川があるとか、高台で景色がいいとか、繁華街に近く利便性が良いとか、そういった自分の暮らしのスタイルにあったところを選ぶのが本質的であって、将来的に値下がりがしにくい土地だから買うとか、住所の名前が良いから買う、とかそういった動機というのは不純なのかとも思った。住所がダサくても、のちのち値下がりしそうな土地であっても、自分が気に入ったポイントがあるなら、それで十分だろう。地元の友人とは、そういった他の区がどうとか、そういった話題にならない。それが私にとって心地いいので、地元の友人は大切にしている。島国というのも必ずしも悪いことではない。




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