明けましておめでとうございます〜NYでの一年を終えて〜
日本のみなさま明けましておめでとうございます!旧年中は大変おせわになりました(これを書いている時点でNYは12/31)、また今年もよろしくお願いいたします。
一年を振り返って
今年の1月後半からFuncPhysio NYに入職し、OPTビザという一年間の就労ビザから3年間有効のH1Bビザ(専門職ビザ)に切り替わり働かせてもらっています。就労ビザを提供してくれるというオファーがあった数カ所のクリニックの中からここで働かせていただいてよかったです(就活についての詳細はこちらの記事)。1時間の時間をとって患者さんを担当できるかつ学びに関して自由に推進していこうという空気があるので。最近では同僚の1人が12/30に「明けましておめでとうございました〜!」と、とてもかわいいギャク日本語でひと笑いくれたあとに颯爽と帰っていったり、結構仲良くよくやってもいます。
日本で言うところの自費リハのような形ですが、それをカバーするような保険に入っていればカバーされる、という形です。基本的に1回当たり日本円で約3万5千円をコストしています。なので、症状だけではなく、保険のカバー、予算などのバックグラウンドに応じてどれくらいいらっしゃれるかが異なるので、その方の状況に合わせて最善のプランを提供するように心がけています。より保険の効きやすいところの博士学位(Doctor of Physical Therapy)の理学療法士たちでは、サーキットトレーニングのようにただトレーニングだけさせる、という話を聞くことも実は珍しくありません(もちろん良い整形理学療法士もいるとは思います)。ひどいと3名変わる変わるに担当した理学療法士たちが誰もその患者さんの患部に触ることがなかった、という例もあります。また、日本と違う傾向としてむやみやたらに整形外科手術を行なわれている例が多いです。ひどい例たちでは同じ箇所に5回行ったなどという方々もいます。これらが1人2人のレベルではないです。よって、無意味なところに週2-3回通って変化なし、ではなく適切な対応を行ってコストに見合った変化を感じていただきたいと考えています。
ネットワーク内の病院同士で勝手に患者さんが回ってくる、という環境ではないのですが、Fascial Manipulation®︎ Specialistの認定試験が世界で初めてイタリアで行なわれた時に取得していたことをきっかけに患者さんが紹介されきました。本来2-3ヶ月で術後良くなると言われていたにも関わらず、6ヶ月以上も症状に一向に何を試しても改善がみられなかった方でした。その方が1kmも痛みで歩けなかったところから10km近く歩けるようになり、紹介元の医師によく話してくれたことをきっかけに多く患者さんが送られてくるようになりました。その方がDr. Heidi Pratherという方で、多くのリハビリテーション医を育ててもいる方で、全米整形外科NO.1とうたっているHSSグループで働いておられます(連携ドクターとして名前を出すことは全く問題ないとおっしゃっていただいてます)。理学療法士界では有名なMSIアプローチのサーマン先生(以前の所属が同じ)、そして、Fasical Manipulation®︎の中心人物であるDr. Antonio Steccoとも旧知の仲であります。
Dr. Antonio SteccoがHSSグループのリハビリテーション医の会に招かれた際、「参加してはどう?」と誘っていただけました。その際に、私が担当させてもらった症例がDr. Pratherのプレゼンの部分で紹介されました。2年間強い痛みで松葉杖を使っており、大掛かりな手術を受けても改善のみられなかった方。現在はハイキングやジムでの運動などを楽しんでおられます。リハビリテーション医30名ほどが集まったミーティングでコメントを求められ、少しお話しさせていただきました。それをきっかけに他の医師からも主に難治性の痛みや筋肉に力が入らない(神経伝導検査は正常)などの方の紹介が来るようになり、4月から12月までで約70名をご紹介いただきました。
理学療法という治療手段において、「自分が変化を起こせなかったらそれは適応外」と言えるようにしたいということを一つの目標に、日本、アメリカで研鑽を積んできました。そして、ここNYでそのような状態にある患者さんをご紹介いただけるのはありがたいことです。患者さんによっては「You are the last card」「You are the last line」「The doctor said you are a magician」と言われてきたとおっしゃる方々もいて、プレッシャーを感じつつもそのように患者さんに対して伝えてくださることには感謝です。その紹介のおかげで現在は3時間以上はかかる距離の他州から10名の方が通ったりTelehealthを併用している方々もいます。筋膜、痛みの神経科学、バイオメカニクス、前庭理学療法(めまいなど)の知識と、日本の総合病院で長く働いてきた幅広い知識と経験をなんとか駆使して使いつつ、対応しています。あとは、日本でトレーニングを受けてきた日本人として丁寧な対応を心がけています。それがとても評価されていると感じています。主語は大きいですが、日本人らしい丁寧さを持った臨床家がアメリカには足りないので、ぜひいつか研究だけではなく臨床家として活躍してみたいという方がきてくれる事を願っています。
新年の抱負
ここ4年間は日本で山形→東京→カリフォルニア州のロマリンダ大学→ペンシルバニア州のピッツバーグ大学→NYでDPTとして仕事開始、と1年ごとに住む場所も含めて大きな変化があった年でした。やっと、ものすごく久しぶりに同じ場所で2年目を迎えられるので落ち着いて仕事をこなしていきたいと思います。
・担当している方の症例報告
・HSSグループ内でのリハビリテーション医向けの講演
・国際協力や経験の推進(フィリピンと日本の大学間、NYでの臨床や大学見学事業)
・2月の帰国におけるFascial Manipulation®︎ level 1 in Japanの通訳(最初の4日間いるので参加する方はその時にお会いしましょう!)
・ピッツバーグ大学のVestibular rehabilitationの認定コース修了
・PRIコースをもう一つ受講
・2月12日のMarco先生とのセミナー「FasciaとKinesiophobiaの関係」
これらを達成していきたいと思います。
そして、サッカー、サッカー、サッカー。
・身体操作系のトレーニングの継続(かなり良い動きができてきた。)
・筋トレとプライオメトリクス系でスプリント能力を上げる
今はニューヨーク州リーグのチームの2軍にいるけども、1軍でも試合に出てるようにしていきたいと思います!サッカー留学の部分は順調にきています。ぜひニューヨークに来てもらって一緒にサッカーしましょう!
今年もどうぞよろしくお願いいたします。みなさまにとって幸多き2023年になりますように。長い文章にお付き合いいただきありがとうございました。
2022年12月31日 須賀康平
From 寒いNY
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