見出し画像

毎日の食卓を特別なものにする「うつわ」の魅力

以前、暮らしていた街には、すてきな陶器専門店と食器ギャラリーがあって、たまたまお店に足を踏み入れて以来、うつわが大好きになった。

その店で扱われていたのは、作家さんの一点物ばかり。
おそるおそる手に取ると、あたたかな質感に手のひらが癒され、以来、うつわのトリコになってしまった。

「お皿や茶碗なんて、100均のもので十分」と思う人もいるかもしれない。
たしかに手作りのうつわは、飯わん一つが3000円くらい普通にするし、毎日のお手入れも少し気をつかう。私自身、まだ片手の指の数ほどしか持っていない。
でも、たったひとつでも使ってみると、その素朴なぬくもりに魅せられて、深い愛情すら抱くようになり、毎日の食卓が特別なものに変わる

もし、初めて「うつわ」を買ってみようかな、と思っている人がいたら、迷わず「めし椀」と「マグカップ(お茶が好きな人なら湯呑み)」を勧めたい。

お米を食べる人にとって、うつわを普段使いできる幸せをいちばん味わえるのが「めし椀」だろう。
毎日、手のひらにくるんで使うたびに、愛おしさが増してくる。
食べ終えた後の食器洗いすら苦にならなくなる程だ。

例えば、この飯わんは、まさに一目惚れして購入した。

青が美しい、田谷直子さん作の飯わん

女性の掌にすっぽり収まるサイズ感が心地よく、艶のある青が美しい。毎日ご飯を最後まで食べ終わったときに、底の眺めをしみじみと味わう。お腹が満たされた後に、心も満たされる、贅沢なひとときだ。

普段使いするうつわを買うときは、見た目や素材も大事だけれど、もっとも重要視しているのは「感触」である。
人と人が触れ合うと分泌されるという愛情ホルモン「オキシトシン」が、うつわを触れているときにも出ているに違いないとすら思う。

マグカップや湯呑みもまた、毎日お世話になるものだ。
1日のはじめにコーヒーを淹れる私にとって、お気に入りのカップでコーヒーを呑めば、素敵な1日が約束されたように思えてくる。

下は後藤奈々さん作のマグカップ。一目惚れ、というか、一触惚れだった。
取手に指がしっくりと馴染み、手の平で包んだカップの温かな感触がじんわりと広がった。

後藤奈々さんのマグカップ。たまたま立ち寄った店で開催していた陶器フェアで出会った。

結晶釉という仕上げが施されており、光の当たり具合によって表面がキラキラ光り、豊かな表情を見せる。

私が出会うまで、売れずに待っていてくれてありがとう、と思った。
一点しかない作家もののうつわに関しては、衝動買いが正解だ(もちろん法外な値段でなければの話だが)。

いつか作家さんに直接会って、この喜びを伝えられたらいいな。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?