「蜜蜂と遠雷」はあの頃の原体験だ|読書感想文
あなたは世界に
耳を澄ましてみたことがあるだろうか。
今回感想を書くのは恩田陸さんの『蜜蜂と遠雷』だ。映画化もされ、直木賞と本屋大賞をW受賞している。
『蜜蜂と遠雷』は4人のピアノ奏者を巡る物語であり、ピアノというものを通して見る凄まじい人生の一欠片であり、そして私たちが世界を感じたあの日の物語だ。
いままでピアノコンクールに行ったことはないし、書かれているその曲がどんな曲か直ぐには出てこない。ピアノをちゃんと弾いたことも、聴いたこともない。だけれど、この本は不思議と、