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ベッドは幽霊で出来ていた

君が夜と一緒に溶けてしまいそうな日は、
いつも誰かが灯台の明かりになって、
岬で 雨に打たれる君を オレンジ色に照らしている。その「誰か」は君をこっそり好きでいる。

力尽きて寝台に飛び込むのは、なんか、プチ自殺みたいだね。

泣きながら目覚めた 君の、
瞼に射すレースの光。それは港から流れ着いた、硝子の破片の煌めきで。

昼間に猫が君の前に現れるのだって、神様の仕業だということにしよう。

忘れ去られてしまった幽霊たちが、可哀想な君に、今夜も薔薇を一輪 、枕元に添えて、

「私たちの分まで泣いてくれてありがとう。」

と君の寝顔に手を振り、

墓地に帰っていくよ。

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