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会社の価値(株価)は、どうやって計算するのか_Part1

今回のテーマは、「会社の価値(株価)」です。

価値と言っても、親族内において
事業承継をする際の「株価」を
前提にして、記事を作成しております。

M&Aによる売買価格とは、
少し意味合いが違いますので、
ご注意下さい。



そもそも、自社株の評価って何?

現経営者から後継者へ自社の株式を渡すには、
以下の3つの方法があります。

① 相続
② 贈与
③ 譲渡

この内、「①相続」と「②贈与」の場合、
自社株を適正に評価して、
価格を算定することになります。


自社株の価格の算定式

では、この適正に評価した「価格」は
どうやって算定するのかですが、
以下の算定式です。

自社株の価格= 1株あたりの株価 × 株数

この「1株あたりの株価」を
算定するのが、「取引相場のない株式の評価」
といいます(以下の国税庁サイト)。

巷でよく「株価評価」って聞くと
思いますが、その「あれ」です。


上場企業であれば、新聞を見れば、
1株あたりの株価が記載されているので、
簡単なんですが、
上場していない会社だと、
新聞を開けばという訳にはいかないので、
一定の基準により、
「1株あたりの株価」を
算定する必要がでてきます。


株価評価は、会社の規模で違う

先程も申しました通り、
一定の基準により、評価します。

この基準が、「財産評価基本通達」になります。

正直に言いますが、難解です。

よくもまぁ、
こんなに難しくしたものだな
と感心する位、難解です。


株価算定の方法

さて、この株価算定ですが、
算定方法は以下の3つです。

① 類似業種比準方式
② 純資産価額方式
③ 配当還元方式

上記の方法のうち、
①と②が「原則的評価方式」といい、
③が「特例的評価方式」と言います。

この方法の違い、
自分で好きなのを選ぶ
訳ではありません。

簡単に言うと、持ち株数で
異なってきます。

この辺りは、次回以降で紹介します。


会社規模による判定

さて、先程の原則的評価方式ですが、
こちらも好きなのを選べばいい訳ではありません。

この、株価算定ですが、
会社の規模により、以下の区分に分かれます。

・ 大会社
・ 中会社の大
・ 中会社の中
・ 中会社の小
・ 小会社

その判定は、次の3つの要素で判定します。

・ 従業員数
・ 総資産価額
・ 取引金額

具体的には、以下の評価明細書で
判定を行います。


では、次は具体的な例で算定してみます。


会社規模の判定例

それでは、具体的な会社において
判定をしてみます。

◆ 前提条件

製造業
従業員数:15名
総資産価額:1億5,500万円
取引金額(売上高):3億円


判定に必要な要素は、次の3つです。

・ 従業員数
・ 総資産価額
・ 取引金額

この3つの要素ですが、
「業種」により会社規模の判定の
基準数値が変わります。

今回は、製造業を例にします。


従業員数

今回の例では、15名です。

よって、従業員数を
「5人超20人以下」に○をします。

なお、従業員数が
70人以上の場合、
自動的に「大会社」に該当
しますので、以下の判定は不要です。


総資産価額

次は、総資産価額(帳簿価額)です。

今回の例では、1億5,500万円ですので、
①「卸売業、小売・サービス業以外」欄
②「5,000万円以上2億5,000万円未満」欄
に○をします。


次に、
①従業員数の右側の会社規模と
②総資産価額の右側の会社規模を
比較します。

そうすると、
いずれも「中会社0.60」に
該当します。


よって、この二つの結果、
得られた判定は、
中会社0.60(中会社の小)」です。


取引金額

最後に、取引金額です。

今回は、3億円ですので、
①「卸売業、小売・サービス業以外」欄
②「2億円以上4億円未満」欄
に○をします。


次に、
①取引金額の右側の会社規模は、
中会社0.75」です。

よって、この結果、
得られた判定は、
中会社0.75(中会社の中)」です。


最終判定

そして、最終判定ですが、
今回得られた判定は、
①「中会社0.60(中会社の小)
②「中会社0.75(中会社の中)
です。


①と②で判定が分かれますが、
この場合、上位の区分となりますので、
中会社0.75(中会社の中)」となります。


この、「0.75」という数値ですが、
上場会社のような評価(類似業種比準方式)を
どの程度含めるかという数値になります。

具体的な計算方法は
次回以降に紹介します。


まとめ

今回は、自社株の評価の
方法のうち、「会社規模の判定」まで
紹介しました。


次回以降は、
具体的な計算方法を紹介しますので、
お見逃しなく!!

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