所得税の計算方法から節税の優先順位を考える
所得税の計算をする際に、
よく聞く「節税」ですが、
①本当に税金が安くなるものと
②一旦税金が安くなるが、数年後に高くなるもの
が存在します。
今回は、フリーランスの所得税を抑える方法として
「節税」策を考えていきます。
所得税の計算方法を知る
所得税の計算方法は、
以下の図のように流れていきます。
大きく分けて、次の3段階で計算します。
一般的に、税金を安くする方法として
この第1段階から第3段階までの
次の3つの金額を増やすことです。
では、ひとつづつ見ていきます。
必要経費
必要経費ですが、国税庁のホームページでは
以下のように定義されています。
まず、ひとつ目ですが
収入を得るための①売上原価と②直接要した費用の額です。
小売業を考えるとわかりやすいですが、
物を仕入れて売る場合、
商品の仕入れ代金が①になり
引き取り時の運賃が②になります。
このように、売った商品の
そのものに係る費用となります。
次に業務上の費用の額ですが、
「業務上」必要となった
①販売費②一般管理費となります。
具体的には、
先程の小売業では
売りたい商品の広告費などが①販売費、
しばらく倉庫で保管する場合の
倉庫使用量が②一般管理費
となります。
また、その年に生じたと
定義されていますので、
12月末までに発生したけど、支払っていないものでも
その年の必要経費となるということです。
所得控除
所得控除は、個人の様々な事情(世帯構成等)
を踏まえて控除が設けられています。
具体的には、以下の控除です。
扶養する人などに対する控除と
負担した金額などに対する控除
の2種類に分かれます。
なお、この所得控除は、
所得金額(儲け)から差し引いて
これに税率を掛けるので、
所得控除の金額がダイレクトに
税金を抑える効果はありません。
安くなる税金の金額は、
所得控除×税率で計算することになります。
ここは間違いやすいところなので
覚えておくようにしましょう。
税額控除
税額控除とは、課税所得金額に税率を乗じて
算出した所得税額から、一定の金額を控除するものです。
二重課税の排除や
住宅購入等に対して制度的に
設けられています。
何から優先するか
さて、それでは何から優先させるか
悩む方も多いと思いますが、
次の優先順位で考えます。
節税を考える際に一番避けたいのが
「税金は安くなるが、それ以上に手元資金が減る」
方法です。
この方法を繰り返していると
手元の資金が減る一方で
必ず資金が枯渇する日が来ます。
そのような方法を選択するぐらいなら
むしろ税金をすんなり払う方が
手元資金が残ることもあり得ます。
現金の支出を伴う場合でも、
将来の年金やいざという時に引き出せる
ようなものから、検討するようにしましょう。
それでは、具体的な優先順位を見ていきます。
青色申告
青色申告にすることで最大65万円の
特別控除が受けられます。
こちら、必要経費になりますが、
青色申告にすることで控除ができ、
現金の支出を伴いません。
真っ先に考えるべき方法となります。
小規模企業共済
小規模企業共済は、所得控除となります。
最高で月に7万円までの
掛金が掛けられ、全額が所得控除です。
現金の支出を伴いますが、
将来、退職金で受け取ることができますので、
資産性も伴います。
一旦は手許現金が減って、
将来の退職金を別の場所に
積み立てていると思いましょう。
iDeCo
iDeCoも所得控除となります。
小規模共済と同じような効果ですが、
運用商品の選択などを自分自身で行う必要があります。
iDeCoも、将来の年金になりますので、
手許現金の支出はありますが、
積み立ての効果があります。
その他
その他では、経営セーフティ共済や
ふるさと納税となります。
同じく優先順位は低いですが、
検討してみましょう。
まとめ
今回は、フリーランスの
所得税を抑える方法を考えてみました。
ここで重要なことは、
日頃から業績の管理を意識することです。
節税を行う際、
支出を伴う節税策でも、
資産性があるかないかでは
将来のお金に大きく影響します。
その為にも、日頃から
業績の管理を行い、
最適な時期に賢い節税策を
行う事が重要です。
年末に焦っても
タイミングは遅いです。
業績管理は、
早めに把握するようにしましょう。
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