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嵐が巻きおこしたリーダーシップの嵐。

 めずらしくテレビを目にする機会が多い日だ。どこの画面にも嵐の5人が会見する姿と彼らの活動休止に対するコメントをする人たちの姿ばかりが映っている。ツイッターやフェイスブックのタイムラインも同じようなものだ。

 そこには、感謝や落胆や賛美や叱責や希望や、ひとつの言葉では表すことのできない想いが語られ、響きあっているように感じられる。おおきな目に見えないエネルギーがうねっているようだ。彼ら5人の存在感と影響力の大きさを肌身で感じる。

 彼らがデビューした日のことを不思議と覚えている。僕が中学二年生のとき、朝からめざましテレビを見ていると、ハワイの青い空の下で、巻き起こせ〜、あらし、あらし、フォードゥリーム、と歌い踊っていた。その日はじいちゃんの車で学校に送ってもらった。ローカル線の線路をわたっている最中に、窓をあけたまま大きな声で、か〜ら〜だ〜じゅうに風をあつめぇて〜、と歌った。夏がおわりを迎えるまえの風が気持ちよかったのを覚えている。

 そこからみるみるうちに、誰もが認める国民的スター・アイドルの座にまでのぼりつめた。そんな彼らがくだした、活動休止という選択をタリーズでツイッターを眺めているときに知って目を丸くした。とともに、みずからの身に引き寄せて考えてゆくにつけ、たくさんのことを考えさせられ教えられている。今日はそのうちのひとつを書いてみようと思います。

 今回の活動休止を言い出した、リーダーの大野智さんがファンに向けて語ったこの言葉。

 「何事にも縛られず自由な生活がしたい」

 あれだけの人気とそれに伴う期待やら責任( 僕らには到底理解し得ないほどの )がのしかかったうえで、自分のこころからきこえてくる魂の声みたいなものに耳を傾けて育み、現実のものにするため誠心誠意を尽くした大野さんの在り方。自暴自棄になってしまうこともなく、こころを殺してその気持ちを亡き者にもしない。

 今回の一件は、人間本気になれば、何事にも縛られず自由な生活ができる、もしくはそうあろうと断固として選択することができる、ということを示してくれたのではないかと感じている。どんなにむずかしく見える環境に身を置かれていても、大野さんのひょうひょうとしながらも芯の強い声で、

 「だいじょうぶ、できるよ」

 肩をかるく叩きながら言われたような気がした。力は抜けながらも、気が充実してくるような、そんな感じ。

 大野さんの個の自由を主張し実現させようとするリーダーシップとともに、メンバー全員で議論を重ね一人ひとりが妥協のない着地点を見いだし、事務所の了承を得て、ファンや国民にていねいに報告をしてなお、2020年まで変わらず全力で活動しつづける。これを可能にした嵐4人のメンバーのあり方、これもまた素晴らしいリーダーシップではないかと思うのだ。

 どうしたって、大野さんの気持ちも、他のメンバー4人の気持ちもわかるはずもありません。しかし、今回の彼らの想いや行動や選択を自分のこととして引き寄せて考え、自分の人生においてリーダーシップを発揮することはできると思うのです。

 自由を獲得しよう、護ろう。

 筋を通そう、責任を取ろう。

 いっけん相反するメッセージの嵐を国民全体に巻き起こしてくれているのではないかと思えてなりません。人間的な成熟度とポジティブで力強い影響力、そういう意味でも、彼らは国民的アイドルの名にふさわしいと思います。

 最寄駅からの帰り道、僕は小さな声でつぶやくように歌った、巻きおこせ〜あらし、あらし、フォードゥリーム。冷たい風を顔に感じて。

今日もnoteを読みにきてくださって、ありがとうございました。いま、ちょうど19時です。熱がこもりギリギリになってしまいました。

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