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たすきがけ遺言

どうも~。終活日日是好日不動産のスエビバです!
今日もよろしくお願いいたします。

今日はSさんご夫婦のお話を書いてみようと思います。

Sさん夫婦はご主人さんが90歳で奥さんが85歳でした。
ご主人様はご高齢とは思えないぐらい頭がクリアな方で、奥さんはいつも朗らかで優しい感じの方です。

S様ご夫婦にはお子様がいなくて、可愛がっている甥御さんもいらっしゃいましたが、ご主人様が奥様のことを考え、たすきがけ遺言を作成されていました。

たすきがけ遺言って??


わかりやすくお伝えすると、
子どものいない夫婦が財産を配偶者にすべて相続するためにお互いに書く遺言のことです。

よくご主人様が亡くなったら、全ての財産が奥様のものになると勘違いされている方がいますが、これがヨコの相続トラブルを招く原因です!

子どもがいない夫婦の場合は、どちらかが亡くなると、
配偶者の親や兄弟姉妹と遺産分割協議をしなければならないのです。
遺言がない場合は、下記のような分け方になります。

たすきがけ遺言を残していない場合
配偶者は3/4 兄弟姉妹は1/4 (上記は姉二人の為1/8)

これがいわゆるヨコの相続トラブルの原因になるものです。
現金は分けれても、不動産などは分けれないのでよくトラブルになります。
例えば、上記の関係図で長女が亡くなっていた場合は、甥に代襲相続されます。さらに、泥沼化することも考えられます。

たすきがけ遺言をしていた場合はどうなるでしょう?


たすきがけ遺言をしていた場合

たすきがけ遺言を残しておくと、すべて奥様に財産が相続されます。
兄弟姉妹は遺留分もないので、全財産を奥様に渡すことが出来るんですね。

Sさんご夫婦の場合、老人ホームに入居されて落ち着いた頃に自宅の売却をすることになりました。買主も見つかり契約も無事に終えましたが、ご主人様が決済・引き渡しまでの期間に急遽亡くなってしまったんです。

生前から奥様のことを第一に考えていたご主人様がしっかりと「たすきがけ遺言」を奥さんに遺されていたおかげで、すべての財産が奥さんに相続することになり、また、不動産売却の途中でしたが、こちらも「たすきがけ遺言」のおかげで無事に決済を迎えることが出来たのです。

老人ホームに入居されたきっかけも奥さんが車椅子生活になり、ご自身が万が一倒れた場合を想定されてのことでした。奥さんの生活が困らないように考えられていたんですね。
なんて、かっこいい殿方でしょう!!

また、ご主人様は冒頭でお伝えしていたとおり、甥御さんも可愛がっていました。ご夫婦で「たすきがけ遺言」を遺して、
最終的に甥御さんに財産が渡るように予備的遺言も遺されています。
※ご主人側の甥御さん。予備的遺言については、また書きたいと思います。

生前にご主人様から遺言の内容を一緒に確認してほしいと言われ見せていただきました。ご主人様は本当にみんなのことを大事にされているんだなぁ~とつくづく思ったものです。

ご自宅の売却は最後まで立ち会うことは出来なかったですが、菩提寺では護持会の総代もされていた方なので、ご僧侶さんとも生前にご自身が亡くなった後のことを相談されていましたので、葬儀の打ち合わせについてもスムーズに進めることが出来ました。

ご主人様は、遺された方々や関わっていた私達を含め、トラブルが起こらないように隅々まで気配りが出来る優しい人でした。
ほんとうにお見事という言葉しか見つかりません。
とても清々しい去り方を教えていただきました。
Sさん、ありがとうございましたとお焼香したことを思い出します。

子どもがいないご夫婦こそ、
しっかりと遺言を作ってくださいね。

と今日はこれにて終了致します。
ここまでお付き合いいただき、誠にありがとうございます。
そして、もし最後までお付き合いいただけたのであれば、愛に渇望しております私に♡スキとフォローをよろしくお願いいたします。

ではでは~(^^)/

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