短編:【それでも親なのだ】
公園のベンチに腰掛けていた。
小学校帰りの赤や黒、最近では茶色や水色のランドセルが元気に動き回っている。中には黄色い昔ながらの交通安全と印したピカピカの一年生もいるようだ。
先週の土曜日に、別れた妻と暮らしている、まだ幼稚園に通園する娘と会ったことで、子供の声がとても耳についた。美味しい、ちょっと贅沢な食事に連れて行き、遊園地で遊ばせても「パパとふたりは、つまんない」「パパといるより、ママといる方が好き」…悪気がないのはわかっているが、頼りない父親の愛情は受け止めてもらえな