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【読書感想文】「共鳴する未来_宮田裕章」_その1_同意至上主義と自己決定至上主義について

 未来を考える上でちょっと参考になった本
 今の社会におけるデータの役割やデータとどのように向き合っていくべきかといった話がわかりやすく書かれており、「情報革命の真っ只中、貨幣がデータに変わりゆき、僕達は今後どこに向かっていくべきか」と言った理念や倫理の話に重点が置かれています。

 その理念や倫理の話の中で印象に残った箇所の「同意至上主義と自己決定至上主義」のところを一部抜粋。

 最近気になっているのは、データに関する個人の権利を認めることは、何でもかんでも個人の同意を必要とすると言う同意至上主義
に直結するのだ、という俗説の存在。
 全てのデータ利用に同意を求めると言うことは、データ駆動型社会ではそもそも不可能ですし、無理矢理推し進めようとすると「同意疲れ」を生み、かえって自己決定の質を落とす。
 自己決定を重視する考えは、同意至上主義とイコールではない。同意至上主義と自己決定至上主義は分けて考えるべきだ。
 同意というのはデータを処理するための正当化要件の1つに過ぎない。データを運用する上で、本人の同意に全てを頼るのは全く筋が悪い方向の議論だとおっもう。ただ、自己決定を尊重していくこと。
 重要なのは、同意の取得機会を形式的に増やすことではなく、誰とデータ共有するかに関する自己決定権の講師をどういうふうに実行的なものにしていくのか。そのためのアーキテクチャをどの世に構築していくのかだと思う。「各人の生き方の背中を押すために、ビッグデータを使うということ」

みんなが少しずつ不自由や不満を持ちながらも平均をとって同意を得ればそれが唯一の答えだった同意至上主義社会が終わろうとしているのであればこんないいことはない。


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