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日本の組織には、なぜ裸の王様が多いのか?

こんにちは。

対話による組織変革の会社Co-Evolutionの
末広信太郎です。


今日のテーマは、

「日本の組織には、なぜ裸の王様が多いのか」

です。

私は仕事柄、色々な組織の課題について
お聞きすることが多いです。

その中で、課題の原因の一つとしてほぼ
必ずあるのが、組織のリーダーの影響。


表面的には、まずはマネージャー層の
マネジメントが不十分、とか

社員の自律性が高くない、とか

社員の問題が課題として挙げられがち。

が、社内のステークホルダーに話を
聞いていくと浮かび上がってくるのが、
リーダーの影響の話。

リーダーと言っているのは、全社で言えば
社長でしょうし、事業部で言えば事業部長。
部であれば部長、課であれば課長。

組織の様々なレイヤーにリーダーが存在
しています。

結局、リーダーはその組織の中で
一番ポジションパワーを持っている人。
だから、組織への影響力も、多くの場合は
一番大きい。

だから、リーダーのあり方は、その組織の
課題の原因の一つになっていることが
ほとんど。


例えば、よくある事例。

「うちのメンバーは、主体的に提案を
してこない」

という課題を感じている。


しかし、メンバーの側に話を聞いてみると、

「リーダーに提案しても結局リーダーの
考えを押し付けられる」

「ダメ出しばかりされる、言い方がキツい」

「結局はリーダーの考えに合わせにいく
ようにしている」

などの声が聞こえてくる。


推理小説みたいな感じで面白いのですが、
多くの場合、

「犯人はあなたです」

という感じになります。

相談いただいている組織リーダーの方
自身の課題が組織に現れているのです。



こうした課題は、第三者が外側から入って、
組織のメンバーにヒアリングすると、
割とすぐに見えてきます。

しかし、組織の中にいると、意外と自分の
ことが見えないものです。

それがなぜかと言うと、日本の組織では、
組織のリーダーに「物申す」ようなことは
とても怖いことだからです。

嫌われたら会社に居られなくなるかもしれない。

今後の評価や昇進に響くリスクもある。

少なくとも居心地が悪くなったりするかも
しれない。



人間にとって「安全」であることは、
基本な欲求です。

安全が脅かされるようなことは極力
避けるのは自然なこと。

「心理的安全性」が生産性を高めるための
鍵となる要素と言われます。

なぜなら、人は「安全」が確認できないと、
「怖れ」がベースになります。

「怖れ」がベースだとチャレンジできない。
本音で話すこともできない。
組織全体が萎縮している。

それだとパフォーマンスも出にくいです。



というわけで、組織のリーダーに誰も
本音を言わなくなる。

聞こえの悪いことはあまり言わなくなる。

すると、リーダーは組織の本当の状態を
知らない状態に陥ってしまいす。

誰もが、「リーダーは現場を実態を
わかってない」なんて思っていても、
その気持ちがリーダーに伝わらない。

こうして、「裸の王様」が出来上がります。

誰も、「裸の王様になりたい」と思う
リーダーはいません。

しかし、組織という構造は、かなり意識
しないと「裸の王様」を生んでしまいます。



もし、あなたが組織のリーダーであれば、
あなた自身がメンバー全員が本音を話せる
雰囲気を醸成してくことで、あなた自身が
裸の王様になることを防ぐことができる
でしょう。

それも実は簡単ではないのですが、

さらに難しく感じるのは、あなたが組織の
リーダーではない場合でしょう。

その場合は、あなたが、組織のリーダーを
「裸の王様」にしないために動く必要が
あります。

気づいている誰かが動かないと、裸の王様
が生まれてしまいます。

人は、自分で自分のインパクトに気づく
ことができません。

インパクトに気づくためには、

「こう見えていますよ」とか

「こう感じます」などの

フィードバックが必須です。

しかし、リーダーになると、誰もフィード
バックしてくれなくなる。

よっぽど意識しないと、誰でも裸の王様に
なってしまいます。

だから、あなたの組織を良くするためには、
気づいているあなたが、リーダーに本音で
フィードバックしてあげることが必要なのです。



しかし、ポジションが上の人に本音で
フィードバックすることは怖いこと。

だからまずは、自分が本音のフィード
バックを受け取ることから始めると
いいかもしれません。

周りの人に自分の

「いいところ」

「さらなる改善点」

を聞いてみる。


フィードバックをもらえることで
自己客観視ができる。

自己客観視は、人が成長するための
土台です。

自分の現在地を知ることなしに、次の
目的地は見えてこないからです。

フィードバックのありがたさが体感
できたら、自分も他者にフィードバックを
しようと思えるでしょう。



そして、勇気を出して、リーダーに
フィードバックしてみる。

お互いにフィードバックし合うような場を
作るとやりやすいかもしれません。

相手からのフィードバックを受け取る。
そして、自分もフィードバックを伝える。

フィードバックというと、一方的に伝える
ことのようにも感じますが、実は
「双方向性」が大切。

その人がそのように振る舞っていることに、
何らかの「理由」「肯定的な意図」が
必ずあります。

「こういうふうに見えている、自分は
感じますが、聞いてみてどう感じますか?」

と、相手の内面にある気持ちや想いを
しっかり受け取る。

その相手を受け取る姿勢があるかどうかが、
「ジャッジ」と「フィードバック」を
分けます。

「ジャッジ」は「決めつけ」られている
インパクト。

「フィードバック」は、「愛」から
伝えてくれているインパクト。

「ジャッジ」は受け取れませんが、
「愛」から「フィードバック」と
分かれば、人は安心して受け取れます。



フィードバックを伝え合えることは、
とても深いレベルの「対話」です。

相手に対するポジティブな気持ちも、
ネガティブな気持ちもお互いに出し合う。

そうすると、お互い自分の側の片面しか
見えていなかった状態から、両面が見えて
いる状態になる。

推理小説の最後のシーンで様々な謎が
解けていくように、関係性の中で起こって
いたことの謎が解けていく。

そして、お互いに、これからどうして
いけばいいかが見えてくる。

それは、共に成長していく関係性。



多くの組織で、本音で伝え合えないことで、
組織の「学習機能」が停止してしまっている。

学習するためには、組織の中や外、メンバーの
内面で、「今何が起きているのか」を
知ることが必要です。

組織の「現在地」を知ること。

それが、組織の「目的地」知るために必須。

組織の変革がうまいくいかないのは、
「現在地」を見つめずに、「目的地」を
目指すから。

「現在地」を見るのは、組織の不都合な
真実に共に向き合うこと。

そのためには、本音で対話できる、
フィードバックし合える関係性が必須。



そういう関係を育んでいきましょう。

普段の関係性の中で、本音で伝え合う。

本音で対話できる「場」や「機会」を、
できるだけ作る。

そういう組織文化を作っていく。



シンプルにいうと、あなた自身が、
自分に嘘をつかない生き方にシフトする。

それが、組織の文化をつくっていきます。

違うと思ったら違うと言う。

組織のリーダーが分かってないなと
思ったら、それを言う。

それが、「裸の王様」がいない、誰もが
自分に嘘をつかなくていい組織を作って
いきます。

意外と、自分に正直なキャラは、実は
許されるし、愛されるものです。


今日は、勇気を出して、あなたの組織の
リーダーに、

「ぶっちゃけ話、してもいいですか?」

と話しかけてみましょう。

違う世界への扉が開くかもしれません。


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