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ビジネスモデルを考える:起業の教科書


ビジネスモデルを考える

ここで言うビジネスモデルとは、何でお金を稼ぎ、何にお金を使うか、ということです。
もっと言うと、何を信用として取引をするのか、何をお金を使った取引にするのか、決めることです。
(補足:他にも、ビジネスモデルとはどんな資源を使って、誰にどうやって商品を提供するか、その構造を表したもの。という定義もあります。)

改めて整理しましょう。
・お金での取引とは、相手に何か商品なり、サービスを提供したときに、「お金」などを受け取ること。
・信用での取引とは、相手に何か商品なり、サービスを提供したときに、お金など目に見える物を受け取らないこと。贈与と言い換えても良いかもしれません。

商品やサービスを提供する取引において、すべての取引はこのどちらかになります。

信用での取引をもう少し詳しく話しすると、
お金とは相手に何かをしてもらうチケットのような働きをします(使われる相手にとって負債)。
取引をした場合に、自分が商品サービスを提供したのに、お金など目に見える物をもらわかなかったとしても、相手は目に見えない負債を負っている状態になります。

つまり、タダで何かをしてもらったことに対して恩、嫌な言い方をすれば負い目、を感じるわけです。
こうなると、あなたの商品やサービスを他の人に勧めてくれたり、お金じゃない部分で助けてくれたりします。
あなたはお金という資産の代わりに、目に見えない資産を手に入れます。マーケティングでは、この資産のことを影響力の武器、と呼んだりします。

こんな風に、商品やサービスを提供したからといって全てお金で受け取るのではなく、信用という形で受け取ることもできます。

この、何に対してはお金で受け取るか、誰に対しては信用で受け取るかを決めることを、ここではビジネスモデルと呼びます。

ビジネスモデルはTTP(徹底的にパクる)

では、このビジネスモデルはどうやって考えて行けばいいのでしょうか。
私は、既に世の中にあるビジネスモデルをパクれば良いと思います。パクるというと言葉が汚いので真似したら良いと思います。
理由は、既に世の中でそのビジネスモデルが成り立っているということは、世の中の人がそれを当たり前と認識されているので、やりやすいんですよね。
仮に、その業界では今までにないビジネスモデルを採用した場合、まず、それを世の中の人に知ってもらう活動から始めないといけません。
人は良い悪いの前に、変わること自体にエネルギーが必要になります。新しい物を取り入れてもらうには労力が必要になります。ですから、まずは真似するところから始めてみましょう。

ビジネスモデルの具体例を見ていきましょう。

スーパーマーケットの場合、
売っている商品はお金を払って買う物です。
一方、試食品はタダで食べることができます。もしくは、売っている食材に合わせたレシピは、タダで教えてくれたりします。

料理研究家の場合、
レシピは本や教室で買う物です。
一方、作った料理は味を知ってもらうために、タダで提供することもあります。それが美味しければ本を買うかもしれません。

食堂の場合、
料理はお金を払って食べる物です。
一方、場所代は掛かりません。

一時流行ったフリーミアムモデルの場合、
Google検索やGmailはタダで使えます。
一方、大容量のGoogleフォトやGoogle広告は有料です。

こんな風に、業界ごとにビジネスモデルが違います。

あなたがやろうとしている業界は、どんなビジネスモデルでしょうか。
まずは、一般的なモデルを採用してみれば良いと思います。
もしくは、敢えて一般的じゃないモデルを採用し、業界にインパクト(広告、宣伝)を与えても良いと思います。しかし、一般的じゃないモデルの場合、その業界の慣習と違うため、ビジネスの仕組みをきちんと構築していく必要があります。そうでなければ、目新しいだけで継続していくことはできません。

コラム:無料で使えるコワーキング

私が発起人で代表を務めるコワーキングスペースSENSE(センス)は、誰でも無料で使えます。wifiも電源も無料です。
これは一体どんな仕組みで成り立っているんでしょうか。
ビジネスモデルを解説すると、
コワーキング利用は無料
シェアオフィス利用は有料
になっています。
つまり、基本は複数人の会員が事務所として使うシェアオフィスで、会員は24時間365日好きな時に利用できます。
一方、一般のコワーキング利用は、会員がいる平日昼間だけ使うことができます。
また、利用者の対応はその場にいる会員にお願いしているので、わざわざコワーキング利用の為の受付を置かなくて良いので、人件費が掛かりません。
さらに言うと、シェアオフィスの掃除やら管理に関することは、会員自身が自分の部屋を掃除するイメージで行っているので、その点も費用の削減になっています。
これができるのは、SENSE自体が会員制のコミュニティが基本になっており、そのリアルな居場所としてシェアオフィスが存在しているので、町の公民館のように、自分達で管理していく共有施設という認識があるからだと思います。
こういった比較的人間関係が近い間柄ですと、お金によるやり取りより、目に見えない信用のやり取りの方が馴染む気がします。



(続く・・・)

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