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はじめてウミガメのスープの出題者になる方へ(質問判定・ヒント・正解判定の方法)


はじめに


あなたの脳に、ちょびっと、お邪魔します。

あなたはいま、自分で思いついたウミガメのスープの問題を出題しようとしています。初めての経験で、問題として成立しているか、最後まで解いてもらえるか、不安でいっぱいです。


ここでダイブ!!

ちゃんちゃんちゃ ちゃんちゃんちゃ ちゃんちゃんちゃ ちゃんちゃんちゃ ちゃん!!

問題思いついてから1日寝かせたでしょ?

イメージダーイブ!!!


ストイック度を決める


話をするときはまず1番大切なことから伝えなさいと誰かに言われたことがある気もするので(おばあちゃんだったかな)先にお伝えします。出題者のストイック度をあなた自身で決めてください。

何よストイック度って日本語で喋りなさいよ。

ごめんなさいねどう表現したものか分からなくて。

ウミガメのスープを「出題者VS回答者」の対戦ゲームのように捉えるか、出題者と回答者が力を合わせて答えに到達する協力ゲームのように捉えるか、に関するあなたのスタンスの話です。

そのスタンスによって、今後お伝えする判定法やヒントの出し方(有無)が異なったものになります。

自分の問題でたくさん頭を悩ませてほしいと思うなら、よりストイックに。
気軽に楽しんでほしいと思うなら、よりフレンドリーに。

もちろんそれは解く側の修練度によっても変わってきます。私もウミガチ(三食ウミガメのスープという奇特な集団)に出題するときはストイックな判定法を使うときもあります。

ですが私個人のスタンスは「気軽に楽しんでほしい」寄りのため、このあとお伝えする内容もかなりフレンドリーなものになっています。読んでいて「生ぬるいぜ…」と感じる場合は、私が推奨することをやらなければストイックになりますから、お好みで取捨選択してください。それくらいできるでしょ、子どもじゃないんだから。


質問判定の運用


以下では視覚的にわかりやすくするため「はい」「いいえ」などの判定を⭕❌などの記号で表記します。

ウミガメのスープでは通常、⭕(はい)❌(いいえ)🚫(わからない・関係ない)の3つの判定を用います。

🚫(わからない・関係ない)

🚫は解答となるシチュエーションでは想定されていないを指します。例えば「男の居住地は東京?」と聞かれて、アメリカに住んでいる・日本の山村に住んでいるなどの設定が特に無い場合が🚫になります。

細かい話ですが、「男の居住地は東京?」と聞かれて、「特に決めてなかったけど東京でも成立する話だな」と思って⭕にはしない方が無難です。厳密に考える回答者の場合、東京で⭕だと大阪では❌になると考えるかもしれません。出題者にしてみたら東京でも大阪でもどっちでも良いのに、「大阪ではダメなのか」と深読みされるのは本意ではないはずです。よって、設定にない(考える上で考慮に入れなくて良い)要素であれば🚫を用いることをオススメします。


さて、実際のウミガメのスープでは⭕❌🚫以外に、🔺(どちらとも言えない)が使われることが多いです。🚫と似ていますが、区別してください。

🔺(どちらとも言えない)

🔺の運用は以下が考えられます。例を出しながら見ていきましょう。

解答:女は高校生
質問「女は子ども?」

高校生は、未成年という意味なら子どもと言えるけど、一般的な子ども像(KIDSの服を着るような)ではない。こういう⭕でも❌でもある場合に🔺を用います。または、

解答:女は駅に行って帰ってきた
質問「女は駅に行った?」

これも、行って帰ってきたなら、行ってるわけですから、⭕です。しかし帰っても来ているから、100%⭕ではない(でも❌でもない)。⭕の中に更に踏み込んだ要素があるわけです。

あるいは次のような状況も考えられます。

解答:男は殺人をした
質問「男は作業をした?」

この手の状況は、たいてい質問文に「作業」や「道具」などの広い意味を持つ言葉が含まれる場合に起こります。作業という言葉が広いため、殺人を作業の一種と考えたことはなかったけど作業なのかと言われたら作業に含むんだろうなとなるわけですね。

いま3つの例を出しましたが、🔺を出すシチュエーションはこのように、

  • ⭕とも❌とも言えない(⭕ 50%)

  • ⭕だがそれだけではない(⭕ 70%)

  • そう言われれば⭕なんだろう(⭕ 90%)

のグラデーションが存在すると私は考えています。

そしてこれらは、🔺ではなく⭕と判定しても良いとも言えます。特に2つ目と3つ目は、論理的には⭕です(質問Q ∋ 解答A)。こういった状況の場合、🔺と出すか⭕と出すかは、あなたの出題者としてのストイック度によって使い分けるのが適切でしょう。

注釈

いまの🔺に隣接する問題として「注釈」があります。本来のウミガメのスープでは⭕❌🚫(🔺)といった機械的なリアクションしかできません。ところが、特に🔺に関しては、⭕❌🚫よりもあいまいな判定のため、情報が回答者にあまり渡りません。

たとえば、

解答:女は駅に行って帰ってきた
質問「女は駅に行った?」←🔺

と判定した場合、回答者はこれが、「行ったとも言えるし行かなかったとも言える」なのか「行ったは行ったんだけど」なのか「この行為を『駅に行った』と考えたことはなかったけどそう言われれば行ったということになるんだろう」なのかがわかりません。

そこで、🔺を出した後に「行ったは行ったんだけど…」などと出題者が文で回答してフォローすることで、🔺の意味が明確になります。

あるいは、

解答:男は殺人をした
質問「男は作業をした?」←⭕

と出した場合も、「作業といえば作業だけど、あんまり作業と考えたことはないな」のようにフォローを入れることも考えられます。

これもストイックに考えれば、出題者は⭕❌以外のリアクションをすべきではないわけですから、注釈など言語道断でしょう。ここも出題者であるあなたの判断によります。

❗(重要な質問)

問題を解く上で回答者はたくさん質問をして情報を得ます。その中で特に正解するために重要な手かがりとなる質問には、❗を出して強調するとより親切でしょう。

ですがこれもやはりストイック度しだいです。ウミボウズ(ウミガメのスープさえ与えておけば大人しくなる奇特な集団)を懲らしめたくなって、あえて❗をつけてやらないこともありました。あんまり効果なかったけど。

ヒントの運用


なかなか正解にたどり着かない場合、出題者がヒントを出すことがあります。これも当然、本来の出題者のやるべきことから逸脱しますが、ヒントにもいくつか出し方があり、適切に運用すればそこまで目くじらを立てることでもない、かもしれません。

状況の整理

これは❗と似たもので、これまで出た質問で明らかになった情報のうち、特に重要なものを列挙して整理してあげるヒントです。新たな情報を与えるわけではないのでヒントとしては弱いですが、効果はそれなりにあります。

回答者はそこまでの情報でなんとかストーリーを作ろうとするため、自分の中で辻褄が合うストーリーが見えるとそれが頭から離れなくなることがあります(かわいいですね)。そういう場合にも、情報の有用度にグラデーションを付け、また過去の情報をリマインドする意味で、状況の整理はある程度有効なヒントになります。

進捗度

これは言わばシークバーです。回答者が今どれだけ真相に近づいているのか、いま進捗だいたい60%くらいですなどと教えるヒントです。これも大したヒントではないですが、動画視聴に慣れてるデジタルホリックガメ(奇特な集団)への心理的なフォローになるかもしれません。リスクも少ないので、ダレてくると私はけっこう使います。あんまり喜ばれてる様子もないですけど。

誤解を解く

ここからはより積極的なヒントになります。先述のように、回答者はしばしば自分に見え始めたストーリーによって視野がせまくなり、的はずれな方向に急ハンドルを切って質問を連打してくることがあります。

そんな特攻野郎Aチームに対しても、1つずつ❌をつけて可能性を潰していくしか無いですが、どうしても根本的な誤解をしていて自力では抜け出せそうもない場合に、その誤解だけを否定するヒントを出して無理やり打開させることがあります。

たとえば「登場人物が3人」なのに「2人しかいない」と誤解している様子の場合に、「登場人物は2人ではない」とヒントを出すようなことです。

この手のヒントは、道案内で言えば「そっちの道は正しくない」と述べることであり、「こっちの道が正しい」と述べるよりかは弱いヒントです。しかし回答者の思考に対しての明確な介入となるので、嫌がるプレイヤーが居ることも十分にありえます(後述のヒント含め、ヒントを出していいか伺いを立てると良いと思います)。

解答の要素を部分開示する

これが最も積極的なヒントで、いわゆる「ヒント」です。誤解を解くよりも積極的に、これまでの質問ではほとんど触れられていないことに触れることで回答者を正解に誘導します。

質問では暴かれていないことをヒントに出す場合、その要素は言わば隠された手がかりであり、問題のキモの部分だと考えられます。それをヒントとして提示あるいは示唆するということは、裏を返せば、そもそも出題に問題があったかもしれません。特定する要素を増やして難しくしすぎたり、あまり一般的ではない知識を前提としたりなど。

当然、すぐに答えを思いつかないからこそウミガメのスープであり、回答者が煮詰まっていく(スープだけに)こともゲームを楽しむためのスパイス(スープだけに)です。ただ、出題者は答えを知っているからこそ、これには気づくだろという隠し味(スープだけに)に回答者がなかなか気づかないことも良くあります。そこでもあえて煮詰ませるか(スープだけに)、それともヒントでかき混ぜるか(スープだけに)、それはシェフ(スープだけに)である出題者しだいです。

正解判定の運用


はじめてウミガメのスープを出題しますという方が、どのタイミングで正解にしたら良いかわからない、と困る声をしばしば目にします(男は目に見えないものを目にした。どういうこと?)。

大枠が正解していれば良しなのか、細部まで特定しないと未達とするか、このあたりは当然、一概には言えない部分です。そのため一般的なアドバイスとなりますが、私としては大枠が正解していれば良しで、その「大枠」とは問題の「キモ」の部分のことです。

私が言う問題のキモをもう少し詳しく言うと、それは私が作問した際にこの要素でアイツらを騙してやろうと思った部分のことです。生まれてこのかた人を疑わずに生きてきた、平和ボケしたあの連中の目をこれで覚まさせてやるんだと、真っ暗な部屋で光るスマホに打ち込んだ爆弾です。

問題
AはBの言っていることは理解したがその言葉は全くわからなかった。どういうこと?
解答
Aは映画を観ている。その映画は違法アップロードされたもので、何語かもわからない字幕が付けられていたが、邦画なので全く問題はなかった。

出典:私

この問題に仕掛けた爆弾は2つです。「AはBと会話しているのではなく、Bが出演している映画を観ている」こと、「A(日本人)は違法アップロードされた邦画を見ていて、知らない言葉の字幕がついている」ことです。

これらが正しく導かれるためには、

  • AはBが出演している映画を観ている

  • 「その言葉」が字幕を指す

  • 「言っていること」はAの母国語で「その言葉」は外国語

  • 外国語の字幕がついているのは違法アップロードだから

これらの要素が拾われる必要があります。逆に、

  • 映画である(アニメ・ドラマではない)

  • AとBは日本人である

これらの要素は私が用意した騙しポイント=問題のキモ=大枠とは関係がないので、特定されなくても正解になるという感じです。

まとめると、どこで正解判定を出すかは、まさに出題者のあなたがここで騙してやろう・困らせてやろうと思うポイントが暴かれて「くそぅ!覚えてやがれ!」となった瞬間、ということです。よって、正解判定で迷わないように、たっぷりと悪意を持って問題を作ることをおすすめします。(理不尽な問題にするという意味ではないです、念のため)

おわりに


以上です!


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