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夢談話 vol.3

みじかいものから、ながいものまで。
本当に見た夢を文章に起こしています。

そんなこんなで、私の見た夢たちを文章にしてまとめているのを、夢談話シリーズと呼ぶことにしました。

夢談話とは

昔、明晰夢を見るために、携帯電話のメモ帳に夢を記録していました。それを長年続けていたら、どうやら習慣になってしまったようで、高頻度で夢を鮮明に覚えています。時々、本当に冗談抜きで夢か現実かわからなくなります。
何気なく、大学院1年生の時、その夢たちを展示で初めて発表しました。そうして外に出してしまうと、夢なのか、作品によって現実になったのか、小説や噂話との違いはなんなのか、いつの間にかそこに差がなくなってしまいました。
今では、夢も私の経験の一つだと思ってます。

20211216

デジャヴ。津波、来るのでは?


今日は文化祭。朝、ぼろぼろの体育館で集会を行う。
ちょうど集会終わりがけの12時ごろ、大雨になった。ざあざあと雨音が鳴り、雷。ところどころで雨漏りが始まる。
私の食べてたパンに雨が落ちる。「あーー」と後ろに座った友達と一緒に笑った。

12時21分。急にすごい音を立てて雨が降り始める。次の瞬間、右側から、大量の水が、津波が、来た。
建物の形状の関係で、わたしたちの位置は水に打たれる位置だった。迫る水、悲鳴、来る、息をたくさん吸って止めた。
打たれる!!
意外と痛くなかった。それが、3度、迫ってくる波が見えるのが、圧巻だった。

ーーーハッと目が覚める。
あ、これは夢だったのか、だから痛くなかったんだ。さぁ、起きよう。今日は、文化祭だ。集合場所は、体育館だ。あれ?

体育館に行く。みんな、津波の話で持ちきり。おや、これは、もしかして、みんな同じ夢を見た?津波、来るのでは?

でも、天気は良い。今が夢なのかもわからない。

突然、地元でちょっと有名な画家の水野さんが、壁面に津波の絵を描き始めていた。荒い筆跡、蒔絵みたいな構成。ああ、一緒だと思った。水野さんが見た夢が私たちの見たものと一緒だった。

しかし、この体育館は、この辺りでは一番高い位置にある。つまり、ここに津波が来るということは、この周辺はどこもかしこも水浸しになるということ。みんな運動会など構いなしに、机などを並べて津波対策を始めた。服装も津波を見越して着替えた。これなら、動ける。

12時、雨が降り始める。雨漏り、パンに雨が落ちて、緊張が走る。友達の声は聞こえない。

12時20分凄まじい音の始まりが来た。ざわざわと周りが騒がしくなる、悲鳴も上がる。夢の記憶が蘇る。多くの人が外に出始めた。今から出るの!?と思いながらも、この対策をした上でも、ここにいる方がこわい、もしかしたら外に出た方が良いのではと考えた結果だった。

それぞれが散り散りばらばらに、建物のより高い箇所を目指して走る。音がくる。どどどどどど。
来る。来る。来るぞ。津波が追う。追う。来た。水。

夢で見た時よりも柔らかく、水に包まれた。体育館外、屋根の上まで流される。魚がたくさんぷかぷかしていた。なんとなく、今のうちに食料をキープしようと思い、魚を串刺しにする。串刺しにしても魚は動いている。
画家の水野さんが「そいつは不味いよ、海の上の方のゴミ食べてるから。」と言ってた。なんとなく、信用ならなかった。「刺してしまったので最後まで責任持ちます。」と仕留めた。

流れ着いたものは他にもあった。デカくて人みたいに歩く気持ち悪さにゾッとする。恐ろしい、皇帝ペンギンがいる。3羽。先生曰く、たまにこの辺りに来るらしい。

少し経つと、波の引きと一緒に、恐いペンギンは海に戻った。不謹慎だろうが、水に浸った街の景色が綺麗だった。この光景を絵に書きたいと思った。

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