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夢談話 vol.2

みじかいものから、ながいものまで。
本当に見た夢を文章に起こしています。

そんなこんなで、私の見た夢たちを文章にしてまとめているのを、夢談話シリーズと呼ぶことにしました。

夢談話とは

昔、明晰夢を見るために、携帯電話のメモ帳に夢を記録していました。それを長年続けていたら、どうやら習慣になってしまったようで、高頻度で夢を鮮明に覚えています。時々、本当に冗談抜きで夢か現実かわからなくなります。
何気なく、大学院1年生の時、その夢たちを展示で初めて発表しました。そうして外に出してしまうと、夢なのか、作品によって現実になったのか、小説や噂話との違いはなんなのか、いつの間にかそこに差がなくなってしまいました。
今では、夢も私の経験の一つだと思ってます。

巨大化現象

交差点の前に、黒くて大きいサギみたいな鳥がいた。かっこいいと思って眺めていると、反対側から大きな牛と大きな鹿みたいな動物に乗って歩く男の人がいた。
これが巷で噂の噂の巨大化か。
信号が青になる。左に曲がると、パトカーが停まっている。人だかりができていた。
人だかりの上を見上げると、大きな蛇のような頭が、1.2.3.4....神話の生き物ってこんな感じだろうなぁという生物がいた。つまりはヤマタノオロチだった。
これも巨大化の現象だとしたら、小さなヤマタノオロチがそのへんにいたのか?調べようとかそういうことをする前に、いいのか悪いのか、ヤマタノオロチが居座ってるビルが私の目的地だった。
駐車場は人でいっぱいなので、仕方なく少し遠くのパーキングに車を停めた。ビルでは友人が絵画教室を開いており、私はそこの見学、というか友人に会いに来たのだった。だが、こんな騒ぎじゃまず入ることすら到底無理かもしれない。
車を降りてビルの付近まで辿り着くと、ヤマタノオロチはさっきに比べ穏やかになっていた。ビルの前には警察官。わざわざ中に入っていいか確認すると怒られそうなので、事前に友人から聞いていた利用者用の裏口から入ることにした。
6階建のビルで、4階が絵画教室だった。教室に着くと、友人はヤマタノオロチの絵を描いていたのだが、本当に覇気というか、圧がなかった。
友人に話しかけると、ヤマタノオロチが現れたから美女アナウンサーが来てくれて嬉しいと話していた。それは楽しそうだと思った。

滞在制作

丘に立つ家に遊びにきた。いわゆる、田舎に滞在制作的なもので応募して、運良く引っかかった。2ヶ月ぐらい、築年数100年を超える家をリノベーションしたところに、私を含め4人ぐらいの作家と住むことになった。綺麗な内装に似つかわしくない柱のささくれ立った肌触りが、これまでの歴史を物語っている。
1階はうなぎの寝床のように縦長で狭く、庭がある。2階は丘の上に出ており、1階の3倍以上ある和室で、日当たり良好、景色最高。一人当たりの部屋が50畳以上確保できそう。制作が捗るなと思った。
近くには、地元の人もみんな近寄らない林があるらしい。迷子になって何かに連れ去られて危ないから絶対行くな、と注意された。そんな童話みたいな言い伝えが多く残る、自然豊かな土地。

近くに学校があり、滞在期間中、作家はみんな通うことになった。しかし、初日の朝、何故か体が重すぎて動かず、寝坊。
後からわかったのだが、一緒にいた作家の一人で漫画家志望の女の子がくれたお土産に強めの睡眠導入剤?のようなものを入れていたらしく、それの効果だった。
体が重くて起きれないのになぜか周りが見渡せる金縛り的感覚が面白かった、けど、思い返すと、こわいこわい!!あなた何してくれてんの。

遅刻が確定したので、いっそのんびり行こうと思い、一緒に通う作家仲間の原付に2ケツさせてもらった。田んぼ道を抜ける原付は最高に気持ちが良い。
学校に着いたら、外で全校朝礼が始まっていた。キチンと並んだ列に、キチンと話す教員。側から聞いていてみるが、ひじょうに内容が薄い。規則正しくルールを守ることがみんなの心地よさを保ち、自分を守ることにつながるだとかなんとか…。これを聞く聞かないで、いったい私たちの何が変わるのか。むしろ聞かずに家で制作していた方が、清々しく心地よい生活ができそうだ。
バレないように一番後ろにコソッと混ざり、イヤホンをした。みんなでニヤニヤ笑った

どこに帰ればいいんだろうね

その近くは見ない方が良いよ、と案内してくれるお姉さんに笑顔で止められた。何故かその時、私がその場で事故って死んでいるんだなと分かった。ぐちゃぐちゃになった遺体があるのを思い浮かべて、気持ち悪くなった。
でもじゃあなんで人と話せるんだろう、別に死んだところで不便がない。よくわからないけど、まぁそんならいっかとその場を離れようとした。
「あ!待って待って、そこに荷物置いてあるけど、忘れてくなよー」友達から紙袋を指差された。確かに私のものだと思った。でも中身を覚えていない。
「ありがとう。これは何だっけ?」「もう使わなくなったからさ、あげたやつだよ。持ってって。」

紙袋を持って帰路に入ると、突然パシパシと雨が降ってきた。慌てて交差点の角を曲がり屋根を探すと、近くの道路脇の草が茂っている場所に、見慣れないカエルが1匹いた。
近寄ってみるとピョコピョコ逃げていったので、追う。ある角でカエルが止まる。すると、そこに3匹の別のカエルがいた。ゲコゲコ4匹が鳴き、リアクションも付いているので、まるで会話しているみたいだった。あまりに可愛い。地面に張り付き、眺め、iPhoneで動画を撮った。
満足したのでその場を立ち去ると、公園が見えてきた。雨のせいで地面がまるで池のようになっていた。公園の奥から、沢山の影が見える。ウシガエルがいるのは分かった。もっと近づいていくと、なんと大量の亀が現れた。しかも全部種類が違う。外来種もいる、途中で捨てられちゃったのかなと思った。
よく見ると、ほとんどが水に住む亀なのに、1匹だけリクガメがいた。甲羅の平たさがパンケーキリクガメに似ているけど、甲羅に赤い点が付いている。めちゃくちゃな栄養失調なのかもと、その子を抱えて帰ることにした。

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