このぬくもりの残り香は一体何だったのか
朝起きて、大きく伸びをする。
このベッド、私が独り占め。
最高だな。
身体を伸ばしすぎて、右脚がつる。
その横に、あの人はいない。
パートナーがいる生活は、正直窮屈だ。
夕飯を一緒に食べる食べない、掃除をするしない、洗濯をするしない、テレビは何を見るかにを見る。
もめ事が絶えない、共同生活。
でも、夜、ベッドの中には、あの人のぬくもりがあった。
その分厚い背中に頬を寄せると、ふわっと香る、あの人のにおい。
頬をつければ、じわりと伝わる体温。
狭苦しいこのベッドに、私たちはくっついて、丸まって、眠るのだった。
右脚のつりは治らない。
丸まって、くっついて眠るのがいいんだろうな。
窮屈なのがいいんだろうな。
自由じゃない。
そうやって悩めるのがいいんだろうな。
また、恋愛がしたい。
あれだけ私は、あの人を好きになれたんだから、きっと次も好きになれると思う。
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