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キャパ限界問題を超えるには? アニメライブビジネスのハードル

 「いまアニメビジネスで最も熱いのは、体験型の消費である」。そんなテーマを掲げて、先日COMEMO xアニメビジネス NIGHT OUT「アニメ&ライブエンタテイメントの最前線」を開催しました。
 アニメプロデューサーの平澤直さんと僕が登壇、『ラブライブ!』も手がけた音楽プロデューサーの木皿陽平さんをゲストに招きました。木皿さんには、アイドルアニメのライブイベントがいかに成長していくなどを語っていただきました。
 
 セミナーでは「アニメ産業レポート」(一般社団法人日本動画協会)を参考に、アニメのライブビジネスがいかに成長しているかも紹介しました。ライブビジネスは、ライブ、コンサート、ステージ、イベント、展覧会、コンセプトカフェなどの様々な分野がいずれも急成長しています。
 しかし成長が大きければ大きいほど、それがいつまで続くのでしょうか? 成長の死角はないのか? セミナーではそんな数々の質問もいただきました。

“ライブ会場のキャパシティに関連して、ライブへ行けない方の為にライブビューイングやカラオケルームでの上映の取り組みを見かけます。最近では、映画館を確保するのも大変と聞きますが、会場だけでは入りきらないファンの為に選択肢を広げる方法は?”

 ライブビジネスのキャパシティは、最大の課題です。ライブであるがゆえに物理的な条件に成長は制約されるからです。もともと最大消費地の首都圏では、ホールも展覧会場も不足気味でした。そこにニーズがさらに拡大しています。
 また単純に数だけ足りればいいものでもありません。5万人の参加希望者に対して会場が1万席しかなければ、それ以上のチケット販売は出来ません。それでは平日月曜日から木曜日で4日間追加公演をして、満員になるでしょうか? 
 問題解決の手段として急成長したのが、映画館でライブを疑似体験するライブビューイングでしたが、それも不足気味というわけです。

 成長産業であれば、長期的には必要とされる施設自体が建造されて増えて行くと思います。同時に僕はこれまでのデータを活用することで、劇場・会場の運営・配分を効率化するのが可能でないかと思っています。これは今後重要になるビッグデータの領域かもしれません。
 会期延長、開催時間延長や時差中継などまだ工夫の余地は残されており、それが実際にマーケットの拡大を支えているのでないでしょうか。

 余談ですが、今回はトークをしながらCOMEMO xアニメビジネス NIGHT OUTも、ひょっとしたらアニメに関係するライブイベントじゃないだろうか? と頭を過ぎりました。でもアニメ産業レポートの集計には、たぶん含まれてないはずです。
 アニメ関連のライブイベントは、聖地巡礼や同人イベントなども含めてまだまだ見えない市場がありそうです。それは実際に算出されているより大きそうです。多様なだけに成長の余地がある。それが現在のアニメライブビジネスの特長かもしれません。 

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