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ハック思考 「はじめに」 全文公開

キングコング西野さんのオンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」にて限定公開させて頂いていた「はじめに」の前半を最近の新型コロナウィルス対策のためリモートワークされていたり、おこもりされてる皆さまにお届けしたいと思います。


(ほぼ)はじめまして!
Kaizen Platform須藤です。
スドケンと周りから呼ばれております。お気軽にそう呼んでください。

この度『ハック思考』と言う本を幻冬舎の箕輪さん編集でつくりました。
発売は3月予定なんですが、先んじてエンタメ研究所の皆さんに読んで頂ければと思いまして、必殺の「はじめに」全文公開をしたいと思います。

発売前に、サロンの皆さんに読んで頂いて、感想を #ハック思考 #エンタメ研究所 とハッシュタグをつけてシェアやツイートしてもらえれば嬉しいです。
発売前なのに、感想文が出回ってる本って最高だなと思ってます。


→ちなみに著者の私が3分で内容まとめてみましたがこちらです

読んでみたい方はこちら(Kindle版の予約も開始しました!)


はじめに 『なぜあなたが世界をHackする必要があるのか?』

どうして、ハックしないといけないのか?について最初だけ真面目に考えておきたいと思います。


【日本が直面する3つの問題点】


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Problem1:全員VUCA時代に突入

VUCAという言葉をご存知でしょうか?Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)という4つのキーワードの頭文字から取った言葉で、現代の経営環境や個人のキャリアを取り巻く状況を表現するキーワードとして使われています。米軍はすでに今から20年前から、テロリストやハッカーによるサイバーテロなど、国家ではない組織や個人との戦争を予期していたんですね。これは別に国家だけではなく、すでに企業や個人のレベルでも起きている事象だと言えます。

例えばAmazonの登場により、米国の小売業は崩壊の危機に立たされています。
かつて「世界最大の書店」と言われた米バーンズ&ノーブルは今では見る影もなく、老舗百貨店のメイシーズの株価は大幅に下落、米トイザラスは破たんに追い込まれました。

Amazonの脅威に晒されている企業は今や小売業界に止まりません。ある日、突然Amazonが参入するという噂が立つだけで、その該当産業の企業の株価は突如下落し、生き残りに向けて合従連衡が始まります。

あなたの産業に未来永劫Amazonは参入しないのでしょうか?
Googleは?Facebookは?Appleは?

その質問と同様に、個人同士の競争も今までは同じ人間と競争していれば良かった世界からRPA、ドローン、自動運転などのAIやロボティクスというテクノロジーと競争する世界になりつつあります。
AI/ロボティクスの登場によって、単なる効率化であれば機械に勝てない時代が到来しようとしているのです。

ある意味、地球上の全員がVUCA時代に突入していると言えます。


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Problem2:強制的にガラガラポン

さて、そんな激動の時代に私達の寿命は伸び続けています。
リンダ・グラットンが”ライフ・シフト”で書いたように人生100年時代は、こんな激動の中進んでいくのです。

デジタルトランスフォーメーション/シェアリングエコノミーなど、そもそも産業の在り方の根底が変わろうとしています。
そんな大きな産業変革を体験する中で、個人の寿命は伸び、人生は100年時代に突入すると言われています。
労働寿命が伸びている中で企業寿命は30年から半分になるという予測が出ています。
これはつまり、望むと望まざると誰もが職を3〜4回変える事になる事を意味しています。

単に企業がなくなるというだけではなく、その産業や職業そのものが無くなる可能性もあるわけです。
過去の強みや成功体験が生きないゼロリセットもあり得るという事になります。
激動の時代に寿命が伸びるという事は、否が応でも全員が強制的にガラガラポンの可能性をはらんでいるわけです。


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Problem3:人口減少×働き方改革

そんな中で、日本国内においては未曾有の人口減少を迎えます。
急速に労働人口が減るので、地方を中心に働き手を確保するのは益々難しくなります。
すでに難しいと悲鳴をあげている現場を沢山知っていますが、それに輪をかけて働き方改革がスタートしています。

人が減って、一人当たりの労働時間の制約もより厳密になっていく中で、企業は投じる事のできる時間総量が減ります。
労働力確保のためのコストは確実に上がっていくと予想できます。


不確実な未来を生き残る知恵

3つの問題をまとめてみるとなぜハックする事がこれから益々重要になってくるのか?が見えてきます。

1つ目は、世界中で今まで想定もしてなかった競争相手と競争してる。
その新しい競争相手はこれまでの競争ルールを書き換えていく。
誰もが予測不能な、不確実性の時代に突入している。

問題の2つ目
人生100年時代になって労働寿命が伸びる中で、企業寿命が短くなっている。
誰もが、複数の企業、産業、職種を複線的に渡り歩く時代が来ている。

問題の3つ目
そんな中で、これから日本は急速に人口が減り、働き方改革で時間あたりの生産性を高めないといけない。

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結論としては、前代未聞の無理ゲーに突入しようとしているという事です。
過去の蓄積とかじゃ到底太刀打ちできないから、なんとかして単位時間あたりの成果を高めないといけない。

その解決策として、みんなで世界をハックする事を提案したいわけです。

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Hackすることは新時代を生きる知恵

そもそもハックするとは、同じインプットから生じる成果を劇的に高めること
ハックを日本語に翻訳すると僕は、昔から言われる”知恵”じゃないかと思っています。

さて、知恵というと皆さんは何を思い浮かべますか?

ビジネスにおいては、事業の成長や自分の業績を加速したい。
テストやスポーツの成績を加速したい。
色んな場面で、我々は何かの成果をもっとブーストしたいと考えています。

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また、職場や仕事、学校などの環境においても、漫然とした閉塞感や鬱屈した状況を何とか打ち破り、突破したい。普通の生活の中で、そんなシチュエーションに遭遇することも多々あるかと思います。

そもそも、現代の日本社会、世界の政治経済など、大きな枠組みそのものに停滞する空気を感じる事も、混沌とする曖昧な不安がそこかしこに漂っているような気がしてなりません。

そんな時に思い出すのが、東日本大震災があった2011年に受講していたある研修の1シーンです。

僕は当時、『インターネットストラテジー』という本を書かれた松岡正剛氏が講師をされている「ハイパーコーポレートユニバーシティ」という企業幹部候補者向けの研修に当時在籍していたリクルートから派遣されて受講していました。

元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏がゲスト講師の回があり、そこで非常に面白いことを聞きました。

「既存の解決策で解決できない問題が生じてきたら、自分たちの立っている土俵の方を疑うべきだ」

非常に示唆に富んだコメントだと思いました。

研修の前に佐藤優氏の「国家論」を読み込んで臨んだんですが、僕自身が非常に興味を持ったのは、システムの「隙間」の問題でした。

どんな巨大で精巧にできているように見えるシステムもシステム同士をつなぎ込むための隙間が必ずあるというものです。

改めて考えてみると、今、世界が直面している問題は、国家や資本主義、企業体や一般社会における既存システムの構造的な問題に帰結することがとても多いという事に気付かされました。
そして、その巨大システムにも隙間が必ず存在していて、そこを巧みにハックすることで、もっと世界を良い方向に動かすことができるのではないか?と少し大きな枠組で考えるようになりました。

例えば、匿名のストリートアーティストとして有名なバンクシー。

最近ではオークション中にあらかじめ額に仕込んだ仕掛けで、その場で細断されるという演出で世界を驚かせましたが、彼が有名になったのは世界中の有名な美術館や博物館へ侵入して作品を盗むのではなく、自分の作品を置くという活動からでした。

実際に2005年5月大英博物館に侵入し、動物とショッピングカートを押している原始人が描かれた壁画を展示。
タイトルは「洞窟壁画」で同作品の説明が書かれたキャプションが設置されました。

この作品はバンクシー自身がウェブサイトで公表するまでの3日間、全く気づかれませんでした。
その後、この作品は2018年8月30日に大英博物館が公式展示することを発表します。

これは、まさに美術館や博物館のシステムの隙間をハックしたケースではないでしょうか?

「システム」は、盗まれないようにするために存在していたが、持ち込まれることは想定していなくて、そこがスキマだったということです。

そうして有名になったバンクシーは、世界中のさまざまなストリートで風刺的なアートを仕掛ける事で、鮮烈なメッセージを発信し続けています。
まさにシステムの隙間をハックした事例と言えます。


鬱屈とした現状を打破する「ハッカーウェイ」

その研修のちょうど翌週のことでした。

フェイスブックが上場したのですが、IPOに先立ってマーク・ザッカーバーグの書簡が話題になりました。
そこで、「ハッカー・ウェイ」というワードが、このように言及されていました。


"強い会社をつくる一環として私たちは、優秀な人材が世界に大きなインパクトを与え、他の優秀な人材から学ぶための最良の場所にフェイスブックをしようと懸命に努力しています。我々はハッカー・ウェイと呼ぶ独自の文化と経営手法を育んできました。
「ハッカー」という言葉はメディアでは、コンピュータに侵入する人々として不当に否定的な意味でとらえられています。しかし、本当はハッキングは単に何かを素早くつくったり、可能な範囲を試したりといった意味しかありません。
良い意味でも悪い意味でも使われますが、これまでに僕が会ったハッカーの圧倒的多数は、世界に前向きなインパクトを与えたいと考えている、理想主義者でした。
ハッカー・ウェイとは、継続的な改善や繰り返しに近づくための方法なのです。ハッカーは常に改善が可能で、あらゆるものは未完成だと考えています。
彼らはしばしば、「不可能だ」と言って現状に満足している人びとの壁に阻まれますが、それでも問題があればそれを直したいと考えるものなのです。
ハッカーは長期にわたって最良のサービスをつくるために、一度にすべてを完成させるのではなく、サービスを機敏に世に出し学びながら改良することを繰り返します。
こうした考え方に基づき、僕たちはフェイスブックを試すことができる何千通りもの仕組みをつくりました。壁には「素早い実行は完璧に勝る」と書き記し、このことを肝に銘じています。"


これからの時代を生き抜く知恵というものがあるとすれば、まさにこのハッカー・ウェイじゃないかと思いました。

既存システムが制度疲労を起こしている場合、そもそもの制度を疑い、どんなシステムでも不完全で隙間があると考え、隙間からシステム自体をハックしてしまう。
現状維持や抵抗勢力、妥協に決して負けない
そんなハッカー・ウェイこそが、今の日本に最も必要な方法論のように思えたのです。


成長を加速するマインドセット

僕自身は、様々な事業を成長させる事を仕事にしています。
500社以上の様々な大企業のデジタル戦略の立案から実行まで支援しているKaizen Platformというスタートアップの経営者をしています。

グロースハック(成長をハックする)と呼ばれる成長を加速する課題解決法を活用し、毎週、毎月どこかの会社の経営会議に呼ばれ、一緒に事業の成長を加速するためのディスカッションからワークショップ、実際の戦略立案から実行とそこから新しい発見を基に更なる成長を加速するという一連の事をお手伝いしています。

金融からEC
BtoBからBtoC
最新のネット企業から創業100年を超える老舗企業まで
圧倒的に強いプレーヤーの独占市場から群雄割拠、果てはこれから市場が立ち上がってくる未開拓なマーケットまで
とにかく様々なシチュエーションに立ち会っています。

チームや組織も様々
当然保有しているアセットや能力も様々
競争環境も様々
そんな中で、なぜ僕がお役に立てるのか?どのように成長を加速してきたのか?

その理由は、極めて単純で、やること自体は変わらないからです。
様々な構造や状況の中から規則性や法則を見つけ、
それを構成するシステムの隙間をハックして事業を加速する。
別に僕自身はエンジニアでもなければ、特殊技能の持ち主でもありません。
ただ考え方のコツのようなものを持っています。

このコツさえあれば誰でも、劇的に成果を高めていく事ができます。
ただ、コツなので言語化がとても難しいのです。
経験を通じて身に付けた暗黙的な皮膚感覚のようなものです。
そこで、その方法論を僕自身の経験とそこからの学びを共有する事で、皆さんとこの「世界をハックする方法」について共有できたらと考えています。


以上

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