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新卒入社同期会がきっかけでわかった ウェルビーイングと音楽にまつわること

新卒入社同期会での気付き

先日、新卒で入社した会社(システムインテグレーターです。あー、いったい何年前のことなんだろう…)の同期会があり、懐かしくも時の経過を感じさせる面々と会ってきました。

新卒入社から現在までずっと勤め上げている人もかなりいて驚きを感じつつも、当時の日本社会ではこれが圧倒的マジョリティだったなと。

転職組は皆お互いに久々の顔合わせなので、第一声は「今、何しているの?」から会話を始めるわけです。

僕の場合、この問いに的確に応えるのが改めて難しいなと。

ヘルスケアという言葉を使うと医療により過ぎた連想をされてしまうし、産業保健という言葉では具体的にイメージできないと思ったからです。

そこで噛み砕いて、ストレスチェック、健康診断、産業医というワードを引き合いに出して説明すると、何となくわかったようなわからないような顔を浮かべていました。
(上場企業でも従業員からはこれぐらいの認識なんだと改めて把握。)

まあ、そうだろうなと思いつつ、次に「今世の中で健康経営って言われてるでしょ」と切り込んで見た所、「何それ?」という反応が。
※ちなみにこの会社は健康経営優良法人2024(大規模法人部門)に認定されています。

現状の健康経営は企業目線が強く、人事労務以外の職種の従業員にとってはまだまだ伝わっていないんだなと再確認していると、ある同期の女性が「ウェルビーイング!」と声をあげて反応してくれました。

話してみると、その方は転職して看護師を務めていたことがあるということで、すぐに理解できたようでした。

従業員からすると、健康経営よりウェルビーイングの方が個人の視点の言葉なので自分ごと化しやすいのでしょうね。

ウェルビーイングの捉え方

ウェルビーイングといえば様々な研究があり、その分類・分解方法なども自分が知っているだけで以下の4つありますね。

WHO(世界保健機関)

  • 身体的充実

  • 精神的充実

  • 社会的充実

ギャラップ社

  • Career well-being

  • Social well-being

  • Financial well-being

  • Physical well-being

  • Community well-being

PERMAモデル(ポジティブ心理学者のマーティン・セリグマン)

  • Positive emotions (ポジティブな感情)

  • Engagement (没頭)

  • Relationships (関係性)

  • Meaning (意味・目的)

  • Accomplishment (達成)

慶大教授 前野隆司氏の4因子モデル

  • 自己実現と成長の因子(やってみよう因子)

  • つながりと感謝の因子(ありがとう因子)

  • 前向きと楽観の因子(なんとかなる因子)

  • 独立と自分らしさの因子(ありのままに因子)

ウェルビーイングに大きく寄与する具体的なモノやコトは人によって様々ですが、自分にとってメンタル面で音楽は欠かせないものの一つです。

中学から大学までバンド活動をしていたことが大きく影響しているのかもしれません。

社会人になってからはずっと演奏する機会はなく、精神安定剤として気分に応じて好きな音楽を聴いて過ごすのみでしたが、最近急にまた楽器が弾きたくなり、電子ピアノを購入しました。

音楽は自分にとって、WHOでいう所の精神的充実、PERMAモデルでいうところのポジティブな感情・没頭・達成、前野先生のやってみよう因子・ありのままに因子に大きく関わるからなんでしょうね。

ウェルビーイングと音楽

ここでウェルビーイングと音楽という言葉が結びついて、2つの問いが頭に浮かびました。

①仕事中に音楽を聴くことははたしてパフォーマンスにプラスになるのだろうか?
②音楽とウェルビーイングの関係についてどのような研究結果があるのだろうか?

こういった連想で浮かんだ疑問に対して、書籍や論文で新たな発見・エビデンスを探すことは知的な楽しみの一つです。

複数のAIに問いかけてみるのも疑問を解消する一つの方法ですが、ハルシネーションが起きやすいので要注意です。(Perplextyならソースリンクも自動で出力してくれるので、信頼性をチェックできますね。)

①について

More than meets the ear: Investigating how music affects cognitive task performance.(耳に聞こえる以上のもの: 音楽が認知課題のパフォーマンスにどのような影響を与えるかを調査)

American Psychological Association(2019年)

このアメリカ心理学会の研究のAbstractとImpact Statementには、以下のことが書かれていました。

  • 音楽は一般的に複雑なタスクのパフォーマンスを低下させる傾向がある

  • 複雑な音楽は単純なタスクのパフォーマンスを向上させる可能性がある

  • これらの効果は、個人の外部刺激に対する選好度によって調整される

普通にこなすと飽きて苦痛を感じるような単純なタスクを行う場合、確かに奥行きのある音楽を聴きながらこなすと作業がはかどりますよね。

逆に気をつけないといけないのが、深い思考が必要なタスクをこなす場合です。

なかなかいいアイデアが出てこないことは苦痛になるので、甘いスイーツのように気持ちがいい音楽に助けを求めてしまいがちです。

一見音楽が苦痛を和らげて仕事が捗っているかのような錯覚に陥りがちですが、実際はタスクに集中できておらず、時間だけが過ぎてしまうパターンですね。

②について

Music interventions for improving psychological and physical outcomes in people with cancer(がん患者の精神的および身体的な治療成果の向上を目的とした音楽介入)

Cochrane Database of Systematic Reviews(2021年)

コクランライブラリーに掲載されたこの81件の試験、5,576人の患者のデータに基づいた研究によれば、音楽療法と音楽による医学的介入(音楽医療)は、成人がん患者の不安、抑うつ、希望、疼痛、倦怠感に良い効果をもたらす可能性があることが示されたとのこと。

特に音楽療法は、音楽医療よりも成人がん患者の生活の質(QOL)や倦怠感の改善に効果がある可能性が高く、その治療効果は試験間で一貫性があり、音楽医療よりも信頼性が高いと書かれています。

音楽療法音楽医療という2つの言葉は知らなかったので調べてみると、おおよそ以下のようです。

音楽療法と音楽医療の違い

音楽は一人ひとり好みのバラツキが大きく、単独で好きな音楽をじっくり堪能していた方が幸福感が増すような気もしたのですが、この研究の結果は逆でした。

友人が最近趣味で始めた合唱が楽しいと言っていたことも思い出しました。

一人ひとり異なる中でも、その共通部分を他者と共有することでより幸福度が増すということなのでしょう。
人間がもつ社会性の大きさを感じさせる結果ですね。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。少しでも気づきがあったら「スキ」や「フォロー」をください!僕もそら丸(うちの猫)も跳んで喜びます!


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