見出し画像

「信用」と「信頼」の残高を増やす

意外と私は好き嫌いが激しいようです。

と言っても、食べ物にはそういったものはないのですが、人間関係…ですかね。好き・普通・嫌いの3つがあるとしたら、好き2・普通7.9・嫌い0.1くらいに分別できるかもしれません。そして、「嫌い」と決めた人はとことん接点を持ちたくありません。こちらから害する気は全くないので、一生関わらないでいきていきたい、と思っています。

とは言え、嫌いな人なんて…(えーと、あの人と、あの人…それから…)

 5人いるかいないか

ですかね。メディアの向こう側の人たちはこの際割愛します。やはり直接見て、直接接点を持たないと、その人の本音が見えてこないので。

嫌いになる理由はいろいろありますが、やはり一番は

 他人に迷惑をかける人(かける意思を持っている人)

ですかね。野心が強かったり、自己顕示欲が強かったりすると、他人への迷惑よりも自分の欲望を優先する人がいます。優先度が低いだけならまだしも、他人を利用し、害して、自分だけの利益に走る人もいたりします。

そういう人たちとはどうしても関わり合いになりたくありませんね…。私が利用されるのも嫌いですし、利用しているシーンを見たくもありません。どんなに優れていても、どんなにカリスマがあっても、私が一度嫌いと決めたら、おそらく一生嫌いなままだと思います。「三つ子の魂百まで」というのに、いい歳した大人がちょっとしたことでガラリと考え方や振る舞い方を変えるとは思えませんので。

さて。

たいていは自分が信頼している人から何かを頼まれた時、伝えられた時、ただ単純に

 「じゃ、やるか」

と動き始めるというわけではないかと思います。

 「あの人の言うことなら、一緒にやろう。」
 「間違いないだろう。」
 「あの人についていけば大丈夫だろう。」

そんな考えを持つことのベースになるものは、おそらく「信用」と「信頼」ではないでしょうか。最終的には、状況を分析し、動くべきか動かない方がよいかを考えて結論を出すような場合でも、話を前向きに聞いてみるかどうかは「信用」「信頼」というベースの上に築かれていると言う方が多いはずです。

まぁ、個人的には、まったく「信用」できないような企業や人の依頼を受けたいとは思いませんし、「信頼」を勝ち取る努力もできない人とは一緒に仕事したいとは思えないんですけどね。

「信用」とは

世の中色々な解釈がありますが、私は「過去の実績」により積み上げられた

 「この人は信じてもいい」

と思わせるところがポイントだと考えています。ここで重要なのは、「過去の実績」から積上げられるものだということです。実績のないものを信用することはありません。

日本語でも「信用金庫」と言う言葉があっても、「信頼金庫」という言葉はありません。これは、今までの経緯(信用情報)等から、取引してもいいと思わせることができるかどうかを判断するからではないかと、その語感から類推しています。

同じように、私の中では「信用」は金融機関のようなイメージで、実績を積めば積むほど、信用の貯金ができ、残高を増やすことができるものだと考えています。

たとえば、野球チームで日頃からホームランを連発している4番選手がいたとします。4番に抜擢されたのは、これまでの成績が好調だったからでしょう。その信用の残高が大きければ大きいほど、信用を裏切るような結果になっても、「ドンマイ」「まだまだここから!」と言ってもらえるのはそう言うことです。

しかし、期待に応えられない結果を出し続けると、信用の残高は徐々に減っていきます。先日までベンチで打率1割未満/長打率ゼロ/ホームラン数ゼロの補欠くんがいきなりスタメン4番に入ってきても誰も信用できませんよね。最終的に、残高がゼロになれば、バッター交代や、スタメンから外されると言うことになるわけです。


「信頼」とは

こちらは、時間軸で言うところの「未来への期待値」の有無によって積上げられる

 「この人なら信頼できる」

と期待させるところがポイントだと考えています。言い換えれば、「未来への投資」です。日本語でも「信頼関係」という言葉があっても、「信用関係」という言葉はありません。これは、日頃の行い(行動や人間性)から、未来予測するものです。ですから、関係性が不確かで、裏切られる可能性も多分に含んでいますが、それすらも覚悟して信頼性を築くものです。

友人同士の信頼関係なんて、「気が合う」「仲が良い」「一緒にいると楽しい」といった、実績ベースではない感覚的なところでつながっていることの方が多いと思います(むしろ、ここで実績を元にしているようだと、打算的なかほりがします)。

「信頼」は未来への投資なので、イメージとしてはカジノのルーレットでしょうか。ある意味でギャンブルです。「信用」ほど確度の高い根拠はありませんが、日頃の振る舞いや言動からそれなりの安心感を経て、自分がそうしたいからする…そういったつながりでできているのだと考えています。

ですが、「信頼」にもbet(賭ける)ことのできるチップには限りがあります。どれだけの信頼関係が築けているかで、チップの量も変化する…そんなイメージです。


「信用」のうえに「信頼」がなりたつことも

ビジネスでは、まず信用ありきで、そのあとに徐々に信頼が積みあがっていくことも多いと思います。やはり実力や実績が目に見える形でないと、「取引」って難しいですものね。そんな関係性の時は、残高の減り方は、

 まず信用の残高から減りはじめ、信用の残高がゼロになったら、
 信頼のチップが減り、信頼のチップすらなくなったら、完全に縁が切れる

のではないかと思うのです。

プライベートならまだしも、普通はビジネスでなかなかそうなることはないはず…なのですが、稀にそう言うことを平気でやってしまう困った人がいます。そう言う人1人いるだけで、社内の組織的な軋轢が生まれたり、社外であれば顧客を失うことにもなりかねませんので、

 社内外の信用と信頼の残高を軽視する

ような人は要注意だと思っておいた方が良いでしょう。自己中心的な人も当然ですが、自分の立身出世などの野望のために、周囲を「ただのエサ」としか思ってないような人がいたら、近づかない方が良いと思います。

見極めるのに最適なのは「give & take」がきちんとできるかどうかです。

まずgive(協力)してあげてみてください。相手にとってはtakeですね。
この後、

 ・ことあるごとに、giveすることを要求される
 ・一度も、相手からgiveしてもらったことがない

ようであれば、その人は要注意です。自分に甘く、自分さえよければいいと言うタイプの可能性が高いと言えるでしょう。極めつけは、いざ大変な時に、支援依頼を出してみてください。最大限の努力もなしに、断ってくるようなら、ほぼ確定です。


「信用」や「信頼」を得る方法

どうしたら、ビジネスにおいて「信用」を得ることができるのでしょう。

一口に、「信用」や「信頼」を得ると言っても、いろいろな努力が必要ですが、「信用」であれば、ビジネスにおいてまず大切なことは、「小さい実績」を、着実に積み上げ続けるということです。

まさに、「急がば回れ」です。

少なくともこの時点で「動かない」人は信用も信頼も得られませんね。

 動かない =具体的な人間性が読めない、信頼すらできない
 実績がない=これまでの経緯から信用していいかどうか判断しかねる

と言うのであれば、何を根拠に信じて良いかもわかりません。

ちまたのリーダーシップ論には、その人が持っている考え方や思想などを重視するものも多いようですが、結局、周囲から見えるのは、実際の「行動」「活動」と、それらに紐づく「結果」です。

そもそも行動が伴わない、すなわち"有言不実行"な人には、ユーザーであったり、上司や先輩であったりと、立場上いやいや従うことはあっても、「信頼」して従おう、協力しようという気にはなりません。人間関係から引き起こされるモチベーションの創出にはつながりません。

そして、口先ばかりで何一つ実績がない人も、やはり「信用」できません。信用できないということは、その人と一緒に仕事しようという選択を用いる理由がない(むしろ用いない理由の方が多い)と言うことです。

1人でできる活動や成果なんてたかが知れています。だからチームや組織で活動するわけです。ですので、人を巻き込んで仕事を進めることができる人になりたいなら、まずはそのことをしっかり認識し、そして意識しなければなりません。

 ・自分のビジネスについて、しっかり理解している
 ・小さいことでも疎かにしない
 ・常に、自分以外の周囲にも気を遣う
 ・嫌なこと、面倒なことから逃げない
 ・他人のせいにしない
 ・常に学ぶ姿勢がある
 ・期日、期限は必ず守る
 ・出来の良し悪しはともかく、絶対に手を抜かない
 ・判断、決断、依頼、指示などでは、必ず説明責任を果たしている
 ・コミュニケーションが全体的に丁寧
 ・謝るべき時は、きちんと謝る        etc.…

こうした小さいことを積み上げた結果が、自分自身の「信用」や「信頼」の残高として積み重なって、初めて周りの人を巻き込むことができるのだと思います。

逆に言えば、どんなに正しいことを考え、どんなに正しいタイミングで、どんなに正しい方法で伝えても、信用がなく、信頼を寄せられていなければ、周囲の人は動いてくれないと認識すべきです。大きなことを成しえるためには、まずは小さいことをしっかりと積み重ねることが大切です。

「神は細部に宿る」ということです。

さらに、信用を獲得し、信頼を積み上げる思考や行動に加えて、応援したくなる人とはどんな性格・性質の人でしょう。やはり、

 明るい
 ウソをつかない
 謙虚に人の話を聞く
 自分の弱みをさらけ出す強さを持っている

こういった人は、「チャーミング」と呼ばれないでしょうか。

自然と人が集まってくる、自然と人からの支援を取り付けてくる人を、生まれ持った性格だからと思考停止してあきらめるのではなく、自分が持ちうるチャームポイントは何かを理解することも非常に大切なのではないでしょうか。

いただいたサポートは、全額本noteへの執筆…記載活動、およびそのための情報収集活動に使わせていただきます。