誤解されがちな人の悪習
いつも通りにしているのに、なぜか人から誤解されて変な噂を流されたり距離を置かれたりしたことはありませんか?
それは、そもそもその「いつも通り」のなかに無意識でやってしまっているマズい習慣が原因かもしれません。常に「いつも通り」が正しいとは限らないのです。
特に過去に一度でもそれが通用してしまっていて、あまつさえ「成功した」実感を持った経験があった場合などは、その言動や姿勢が正しいもので、どこでも通用するものだと錯覚してしまいがちです。
しかし、最初の一度目というものは得てして見逃してもらいがちなもの。
二度三度と続け、その状況に甘え、無意識の中で習慣化していくうちに人の心が離れていってしまうということは往々にして存在します。
今すべきことを気分で決める
仕事を進める上では常に今すべきことを考えなければいけません。もちろんその結果が未来に与える影響も配慮したうえで決定するものです。
そうした際の判断基準としては、仕事の全体像と先のことを読みながら結果として
「今、何をすべきか」
を考えるのがベストです。
そもそも、世の中には
「やるべきこと」と「やりたいこと」
の2種類しかありません。あたりまえですが、そこには必ず優先度や時間的なリミットがあるものです。「やりたいこと」を優先させて「やるべきこと」をおざなりにしていると何事も失敗するのは当然です。
そういった背景から、気分で仕事を決めてしまう人は仮にどんなに成功を納めていても、周囲に誤解されやすいそうです。
会社では個人プレーとチームワークをそれぞれに発揮する場があります。
そのどちらにおいても仕事の全体像(目指すゴールや自分の役割、チームの他の人の仕事内容等)と先のこと(直近やさらにその先で何をする必要があるか等)を考え、そこから逆算すれば今すべきことを正しく導き出せます。
何一つ計画がないまま
「とりあえず開始して、進めながら調整すればいい」
と言うのは机上の空論です。ゴールも知らず、ゴールイメージもできず、ゴールに向かっているかどうかの指標もなく、進めながら「何が正しいのか」を都度把握し調整するなんて芸当、どんな偉人でもできません。
なぜならその「何が正しいのか」を定義しないことこそが全体像や先のことを考えないということなのですから。
全体や先のことを考えない人は勝手な自己判断、自己陶酔に依存して仕事に着手します。もちろん運よく成功を納めることはあるでしょうが、多くの場合「とりあえずこの仕事からやろう」「苦手な仕事や面倒な仕事は後回し」など判断基準は気分的です。
そのため、後でやれば効率的に終わる仕事から着手するなど時間と労力を無駄にしがちです。そういったしわ寄せは必ず周囲に影響を及ぼします。その結果、ゴールを遠ざけてしまって自分の成績を下げるだけでなくチーム全体の足も引っ張ってしまうのです。
このように全体や先が読めない状態を保持してしまうと、今すべきことを気分で決めてしまうため、周囲からは『あの人は空気の読めない人なのでは?』と誤解されてしまいがちです。
仕事は常に全体像と先を見て、本当に今すべきことと思ったことを優先しましょう。
自分の主観だけで判断せずに、全体を客観的に見る力を"メタ認知力"と呼ぶそうです。人とのコミュニケーション力も高めてくれるそうですので、全体を見渡す力を高めていきましょう。
ぶっきらぼうな態度や表情で人と接する
人は感情的な生き物ですから、ときにその日の気分などがどうしても表情や行動に出てしまいがちです。
ですが中には「たまに」ではなく、いつも表情や態度がぶっきらぼうだったり、不愛想だったりする人もいます。このような人は誤解されることが非常に多いと言われています。
「ぶっきらぼう」というのは基本的にネガティブに解釈されがちです。
「機嫌が悪い」
「嫌われている」
「人づきあいが苦手(というより嫌い)」
など良い印象を持たれることは決してありません。そしてたとえば経理、プログラマー、デザイナー職などあまり他者と関わらずに仕事を行う職種の人などにありがちとなってしまうのが、
表情や態度がいつもぶっきらぼうになってしまう
ことです。
本人には悪気がない場合も多いのですが、周囲からはなんとなく「何を考えているのかわからない」と誤解され、敬遠されがちになってしまいます。
また、なかには営業職等、チームワークが欠かせない職種でもついその日の自分の気分を優先してしまう人もいます。
いずれの場合にせよ、会社員である以上は会社の雰囲気づくりも自分の仕事のひとつであると考えること。そして挨拶だけでも元気よくするなど、活気ある職場づくりを考えましょう。
もちろん、どうしても気分が乗らない日などは誰にでもありますので無理のない範囲で行う必要があります。
会社の雰囲気づくりも仕事のひとつということまでは、会社も上司も教えてくれません。他者から指摘されて取り返しがつかない状況となってしまう前に、自発的に気づいて自分の癖や行動を変えていくのがベストです。
言葉足らずな指示やメールを送る
指示や発言、メールを受けた場合に
その内容や意図がすぐにわからない
そんなケース、ありますよね。
何度も聞き直さないと意図が伝わらないような内容を送るような人は誤解を生んでいる可能性が非常に高いと言えます。
相手に何かを伝える際に、重要な部分が言葉足らずになっている人がいます。
ビジネスでは「結論から話せ」と言われがちですが、結論だけ話せばいいということはありません。また子供のころから適切なコミュニケーションをはぐくまれなかった人は「主語」「目的語」などを省略しがちです。
そうした人たちのおこなうコミュニケーションでは、自分の中では理路整然としているつもりでも相手にとってみると言葉足らずで意図が伝わらないということが頻繁に発生します。
特にメールの場合は文章を打つ手間を惜しみますので言葉足らずになりやすく、「コミュニケーション能力のない人なのでは?」と誤解されがちです。実際そう思われた時点でコミュニケーション能力が低いのは確かでしょう。
前置き的なことなどは手短にして、肝心の指示の部分はメールを作成したら、これで指示の意図が理路整然と相手に伝わるかということだけはしっかりと確認してから送るようにしましょう。
またその場合、説明が長すぎても短すぎても意図が伝わりにくくなりますので、ポイントだけをしっかりおさえ、簡潔明瞭にまとめましょう。
口頭での場合は、相手がその場ですぐに聞き返したりできますのでまだ何とかなる場合も多いのですが、メールの場合はお互いに時間のロスも大きくなりますから言葉足らずには注意が必要です。
自分だけわかったつもりにならず、
・相手にちゃんと伝わるか
・何も知らない状態で同じ状況になった場合、自分なら理解できるか
を考えてから指示を出したりメールを書く。仕事の…というよりは対人スキルとして基本中の基本ではあるもののつい忘れがちです。いついかなる場合においても油断することなく
初心忘るべからず
ということです。
たとえば、新人や若手、未経験者を相手にする場合を考えてみてください。
自分が若かりし頃の同じ立場、同じ境遇だった場合をイメージした時、若かりし頃の自分が、今の自分に同じように指示や依頼などをされた場合
「これは分かんないなー」
と思ったら、今の若手や新人、未経験者もわかるわけがないのです。仮に相手がベテランだったとしてもストレスを与えることが大半です。このような客観的視点を持てない人は大抵コミュニケーション能力が低いと言えるのではないでしょうか。
人によって態度を変える
会社にひとりは人によって接する態度が露骨に変わる人がいます。
自らの役割に応じて態度が変わることは仕方のないことですが、「自分の役割」ではなく「相手の役割」によって態度をコロコロと変えてしまう人はどうやら誤解が避けられないようです。
社内でも、上司に対する態度と同僚や部下への接し方がまるっきり違うとか、異性に対してと同性に対して違うという人もいます。また社外の人へはやたら愛想がいいのに社内では不愛想という人もいます。
このように接する人に応じて態度や物言いが露骨に変われば、当然ながら自分の利益・損得関係によって態度を変える人であり、その人の本性がどこか別にあって「表裏のある人だな」と誤解されます。
周囲からの信頼を得たいのであれば、相手が誰であろうと変えることなく常に敬意を持った態度で相手と接するようにしましょう。
出世や成功などへの野心・欲望は決して悪いものではありません。
しかしそのためには周囲からの信頼を得ることがまず必要です。
そのためにも、他者へ敬意を払うことを忘れないようにしましょう。
周囲の意見やアドバイスに耳を傾けない
仕事をするうえで経験に裏付けられたプライドは大切なものですが、自信過剰に陥ったり、自分の考えた仕事のやり方だけを過信したりするのは禁物です。
特にチーム活動においては、和を乱すことでチーム全体のパフォーマンスを下げてしまいかねません。その分を一人ですべて補填できるというのであれば文句はないかもしれませんが、当然組織としては徐々に弱っていくだけですので、会社にとってはただのリスクにしかなりえません。
周囲がどんな意見やアドバイスをしても耳を傾けないと、どんどん周囲に誤解されてしまいます。
仕事において自分流を模索し、研究し、新たな仕事の仕方などを創造することはとても大事なことです。ですが自分流が本当に正しいのか、効率的なのかという確証を得るには、周囲の意見やアドバイスを聞いたうえで、
「それも試したが、こちらの方が効率的」
という結論に至ることが重要です。そうすれば周囲も「そのやり方いいね」と納得してくれるきっかけとなります。
しかし、そうした確証もないのに…もっと言えば結果として仕事が遅れて周囲に迷惑をかけているにもかかわらず、周囲の意見やアドバイスに耳を傾けない人もいます。
「でも…」
「だって…」
こうなってしまうと単にプライドを守っているだけの人となってしまい、
『自己満足の人』
『協調性のない人』
『組織人とは呼べない人』
と誤解されます。自分流を創造する場合は、周囲の意見やアドバイスを聞いて試したうえでそれらを実際に超えられるやり方を提案するようにしましょう。
なかには、本当はアドバイスが欲しいのにプライドが邪魔して聞けない人もいます。
"聞くは一時の恥"とも言います。
人の意見に耳を傾けることのできる謙虚さをいつまでも大切にしましょう。
自分軸や目標がない
何か意見を求められると、いつも決まって「お任せします」と答える人がいます。
私も学生の頃はそうでした。
「別に何でもいいけど」
が口癖になっていた時期もありました(実際、そういったときは何を選択されてもあわせられるという自信や、本気で相手のやりたいことに合わせたいという思いがあったんですけど)。和を重んじることはたしかに美徳のひとつですが、いつも自分軸がない人…と言うのも誤解されやすいそうです。
今の私は、多くの場所にて多くのシーンのなかで多くの方に「目標をもつようにしましょう」と説明しています。
少なくともほとんどのビジネスプロセスにおいては、まず目標(=ゴール)を定義するところから始めなければ望むゴールにたどり着くことなど到底できないようになっているからです。
そしてそれは人生の目標でも同じことが言えます。
人生の目標があれば、それに応じて生き方、仕事、働き方など、細かい目標が順次決まっていきますし、そこに自分だけのゆるがない"軸"というものが生まれます。
自分軸がないと自分なりの意見を考えるという思考回路が生まれず、どうしても会社や周囲の人に判断を委ねてしまうしかありません。
その場合、周囲からは
『依存型の人』
『煮え切らない人』
『優柔不断な人』
と誤解されます。
自分軸を作るということは、すなわち
自分自身をブランド化する
と言うことです。自分だからこそ他人とは異なる価値提供ができるということです。
みなさんは『自分だからこそ提供できるブランド』を持っていますか?
会社や他者に判断を委ねて人生を歩むことは確かに楽なのかもしれませんが、最終的には自分らしさを表現する機会や自分らしく生きるための選択の機会を失い、人生においては大きな損をしてしまうことになるでしょう。
会社や組織の中では協調性がもちろん重要となりますが、そのために自分の思いやプライベートを犠牲にする必要もありません。自分なりのライフプラン、ライフワークバランスを考えて、自分軸をつくり、ことあるごとにそれを周囲にアピールするようにしましょう。
人生の目標というと大きなテーマだと思いがちですが、「幸せな自分」といったキーワードから手繰り寄せることができるそうです。
自分の意見がもてないという人は、少し長いスパンで自分の人生を考えてみてそこから自分軸を見つけ出してみるのも一つの手だと思います。
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