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連絡・展開漏れによる業務の失敗

これは「途中変更」にもからんで、よくある失敗です。

 人事異動による情報断絶

組織においては、人事異動はよくあることです。

私たちのようなIT産業におけるソフトウェア開発の場合は、プロジェクトごとにメンバーがコロコロ入れ替わるさまなどを思い浮かべてみてください。

その異動の際に、前任者と後任者の間で引き継ぎがきちんとされず、手配・連絡漏れとなって起こるものです。

たとえば大きなプロジェクトが進んでいるとき、こうした形で完全にストップしているのに、関連するまわりの誰一人として気づかなかったという信じられないことも現実に起こっています。

人事的な異動等がなくとも、単純な連絡漏れは日常の仕事のなかでしょっちゅう起きて組織の「情報断絶」による大小の失敗となって現れます。

 情報断絶は業務失敗の「諸悪の根源」

よくある失敗などの経験を通して、多くの人は情報断絶が諸悪の根源であることは理解したことでしょう。

情報断絶は、途中変更や見切り発車をするときに起こりやすく、しかもそれによるトラブルや失敗は計画実行の最終段階になって現れることが少なくありません。

情報断絶の根幹には、

 「必要最低限の情報展開でいい」

という間違った情報運用を行う風土にあります。「情報が多すぎると混乱するから」という理由からだそうですが、そのせいで「必要十分」かどうかではなく

 「(自分にとって)多いと感じるか、少ないと感じるか」

というとても主観的なモノの見方によって情報の不足が起きていることを、当人たちは一向に認めようとしません。

情報の公開に"必要最低限"と言う、曖昧で、しかも未定義の考え方は非常に危険です。

そもそも、具体的に「必要十分」で「最低限」でよいとはどのような状態を指すのでしょう。それらを両立できる情報量とはどの程度を指すのでしょう。そのことを正確に答えられない限りは、常に不足している可能性を考えなければなりません。

大抵の場合は、情報を発する人の勘と経験と度胸(KKD)でしかなく、確たる根拠も存在せず、勝手に正しいと思い込んでいるだけにすぎません。それにその判断が本当の意味で正しいのであれば、世の中にこれほどまでに「情報断絶」による失敗と言うものは存在しません。

そうした背景から見ても、「必要最低限」と判断する人の、適当さや曖昧さがどれほどひどい状況なのかがよくわかります。

実際的には、こうした問題を克服するにはチーフ役のような、作業全体を掌握し、隅々まで目を光らせる役を置いて、各部署間の情報断絶が起こらないようなシステムづくりが必要です。

その役を担うチーフ役は相当な「目利き」でなければなりません。

まずはそのような人材を組織で育成することが「情報断絶」を防ぐための一歩となるでしょう。

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