見出し画像

始める前にはネガティブに考慮し、平時は頭をカラにし、緊急時はポジティブに考える

大きなプロジェクトや仕事が佳境に入り、アドレナリンを全開にしてテンションを上げる人は少なくありません。また根詰めた仕事がひと段落した後に、皆で"打ち上げ"と称して大騒ぎすることもあるでしょう。

私も「人生は楽しむためにある!」と確信してからは仕事の節目ごとにテンションを上げて、仕事仲間と一体感を持つことの大切さを心底感じるようになりました。

ただ「テンション」だけでその時々の仕事を乗り切るのが習慣になっていると危険です。仕事の結果を常に正しい形で出し続けるためには自分を冷静にコントロールすることが大事だからです。

その場の雰囲気を盛り上げて何かを成し遂げるやり方には、必ず詰めが甘くなるというリスクが伴います。難しい案件ほどそうです。

 失敗が許されない
 どうしても成功したい


のであれば「準備」「段取り」の段階では最大限リスクを考えます。言い換えるなら『とことんネガティブ』に考えることです。これを疎かにして楽観的に捉えようとすると、準備不足、段取り不足が起きます。

わかりやすく言うなら

 富士山に軽装で臨む


ような状態となるわけです。そしてロクにマネジメントできない企業では、そうして炎上を起こしたプロジェクトに対し、「遅延」ばかりに目が行ってとにかく要員を集める"人海戦術"に頼ろうとします。

ですが、どんなに優れた人を入れても状況は好転しません。

なぜだと思います?

それは「軽装」である点に対して改善しようとしていないからです。登山している人を誰に替えたところで、あるいは登山のプロを複数人用意したところで、「軽装」であれば富士山登頂の前に事故が起きるのは当然です。

えらい職に就けば就くほど、そのことがわかりません。

だから企業で炎上プロジェクトが起きた時、炎上プロジェクトを鎮火させるプロ以外に裁量を持たせても、決して鎮火することはないのです。

少し脱線しましたが、そもそも難しい案件であればあるほど慎重さや精緻さが問われるはずなのに、テンションを上げすぎると細かい部分にミスが出るのは当然の摂理です。

ですから私はいつも、難局や修羅場に出くわして自分のテンションが上がってしまったときにはむしろ「失敗した」と反省し、まず頭を空っぽにすることから始めるようにしています。

平時にできることは、平時と同じテンションにした方が上手くいくに決まっています。よく言いますよね。練習でできることは練習時と同じようにやればできるはずなんですよ。

画像1

たとえばチームリーダーになって、初めてメンバーに大きな仕事を依頼するときや、大きな仕事を降りてもらわなければならない局面に出くわしたとき、仕事中にオフィスを出て近くの教会に行くことがありました。

私に特定の信仰はないので宗教的な理由ではなく、心を静かにする場所が必要だったのです。上司と揉めてカーっとなったときにはいったんとにかく黙って反応しないようにしました。

私は、自分の怒る気持ちは大事にしたいと思っています。

普段、判断基準は極力私情を挟まずに「正しいか、正しくないか」を掘り下げて判断している以上、怒ることにも大抵根拠があります。そのハッキリしている根拠を無視して妥協したくはないのです。

怒る気持ちを妥協するということは、結果として妥協された誰か、部下かも知れませんし、他部署の方かもしれません。あるいはお客さまかも知れませんが、誰かに迷惑をかけるかもしれないということになります。

ただ、当然モャモヤした気分を抱えますから、日中は何とかやり過ごしながら仕事帰りにサウナに行ったり、趣味に没頭して頭を空っぽにするのです。

怒りというのは面白いもので、時間が経つと理屈抜きで収まってくることが多いようです。

だからこそいったん頭を空っぽにして、冷静に対処することのメリットは無視できないと思うのです。優秀な人をみていると皆こういう頭の切り替えをとてもスマートに素早くやっていて、素晴らしいなぁと思います。

結果を出せる人は絶対テンションだけで"勢い任せ"な行動は起こしません。

しっかりと冷静にリスクを考え、考え抜くことで一歩いっぽ結果を出している人がほとんどです。そしてあらかじめ考え抜いたのであれば、そのあとは自分の頭を空っぽにする方法をしっかり身につけることが大切です。

自身にとって、自分が一番リラックスできる場所はありますか?

運動、音楽、絵画、TV、映画、何でもかまいません。自分がリラックスできる環境を持ち、忙しいなかでも心の平静さを見失わない自分でいたいものです。


そして最後に、失敗した時や炎上している時ですね。

この時はテンションを上げるのではなく、「冷静に」かつ「ポジティブな」精神状態を維持するようにします。問題が起きた時にテンションをあげてしまう…つまりは感情を表に出すようなやり方をするとどうしても思考が甘くなる、と最初に言いましたが実際そうやって感情任せになってしまい、さらに失敗した人を多く見てきました。

問題…つまりは目の前に障害が立ちはだかった時には、冷静に対処できるようがいいはずです。問題が起きると怒鳴り散らしたり、イライラが目に見えてわかる人がいますが、本人の判断力低下などもそうですけど周囲のパフォーマンスも下げるだけです。大抵の場合は百害あって一利もないのではないでしょうか。

またネガティブになる人も多々見受けられますがそれも無駄なので止めましょう。悲観的、否定的な考え方をしていては、事実を正しく受け止め、そこから最短で解決するのは非常に困難です。

問題が起きた時は、事実情報を素直に受け止める度量であったり、冷静に受け止める対応力、柔軟性が必要です。ネガティブになることもなく、テンションで乗り切ろうとするのでもなく「冷静に」「ポジティブな」状態を維持するように心がけましょう。

わかりやすく言うと、私の場合はあえて

 「ま、いいか。
  それはそれとしてじゃあ次どうしようか」

を半ば口癖となるようにしています(厳密には口癖にはなっていないので、口癖となるように必ず意識して口に出す訓練をしています。ただ…自らあえてそういう現場に飛び込みたいわけではないので、口癖になるほどの頻度は無いんですよね…)。

シーンによって使い分けてください。

始める前には最大限ネガティブに。
平時は頭をカラに。
緊急時はポジティブに。

これが常に安定して実力を発揮するためのコツです。

いただいたサポートは、全額本noteへの執筆…記載活動、およびそのための情報収集活動に使わせていただきます。