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大事にしたいプロセス志向

『神は細部に宿る』

という言葉は昔の建築家か大工かが言った言葉らしいですが、ヴァールブルク、フローベル、アインシュタイン、ル・コルビジェ、ニーチェ等、錚々たる偉人達も用いていることからもわかるように、売上さえ上がれば、利益さえ出ればいいってものではないものです。

目先だけ見ている人にとってはそれでもいいのかもしれませんが、目先だけを追えば追うほど「木を見て森を見ず」状態に陥り、中長期的な継続ができずにいずれ衰えていきます。


「ラッキーであろうと何であろうと、
 とにかく結果さえ良ければ、他はどうでもいい。」

という考えで物事にあたろうとする姿勢のことを”結果志向”と呼ぶとしましょう。それに対し、

「やるべきことを正しく、しっかりとやる。
 そうすれば、結果は必ず後からついてくる。」

という考えで物事にあたろうとする姿勢のことを”プロセス志向”と呼ぶと仮定します。

本来はどちらが良い/悪いではなく、バランスよく使いこなすのが理想ですが、日本人の大半は「結果良ければすべて良し」と言うコトバがあるように前者が多いとされています。経営層なんかはやはり数字が大事になってくるうえに社員一人ひとりなんて見てられないので、どうしても「結果」ばかり追いかけがちになってしまうのではないでしょうか。

その分、中間管理職に「プロセス」がどうなっているかを管理させているはず…なのですが、同時に結果を求める責任まで押し付けるから、多くの中間管理職が経営層と同じ「結果」を追い求めがちなのではないでしょうか。


しかし、ITの生みの親が欧米であるように、またPMBOKもアメリカで生まれた考え方であることから、どうしてもその仕組みはプロセス志向中心となります。もちろん、PDCAと言う考え方そのものもプロセス志向に則っています。

だからと言って毛嫌いするようでは、エンジニアとしては大成しません。

なぜか?

昨今、顧客のニーズに「見える化」と言うフレーズがついてきませんか?
(10年以上前にも要求事項として流行った、使い古されたフレーズですが)

そもそも、顧客市場において見える化が求められているのは、

 「結果が出る前に、その途中経過を適時観察したい」
 「事前に問題が発見できれば改善したい」

と言う要望があるからに他なりません。

「プロセス志向」とは、このビジネスプロセスを中心に、業務やマネジメントの仕組みを設計して実行することを言います。当然、プロセスの「見える化」はプロセス志向の前提条件となります。要求分析や業務解析の大半はビジネスプロセスを取扱って、プロセス志向にするためです。

そういう市場ニーズが高まっている中、それらのニーズをソフトウェアとして製品化し、提供する私たちが、自分たちのプロセスについては一切見える化しない/できないようでは、

 医者の不養生、紺屋の白袴

以外の何物でもないと言わざるを得ません。自分たちではできないことを、他人様にどうやって提案できるというのでしょう。

PMBOKに限った話ではありませんが、プロセス志向のそういった一側面は大事にするべきだと思います。

もちろん、結果を顧みないでプロセスばかりに注力するわけにもいかないのは確かです。PMBOKをはじめ、しっかりとそのあたりを理解した方法論や手法には、プロセスを大事にし、見える化を推奨しながらも、必ず計画時点での目標(ゴール)定義、計画と結果の差異評価など、結果を追い求める考え方が含まれたものが数多く存在します。

やはり、バランスが大事と言うことです。

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