見出し画像

3つの時間を使いこなすと成功を引き寄せやすくなる

まず大前提として

 仕事のために使う時間には限りがある

という点について改めて意識を最上位に置きましょう。

経営資源のなかで最も重要なものはお金でも人材でもなく「時間」です。その時間を最大限活用するためにお金や人を使うことで効率化を図っているわけです。その効率の度合いが最終的に利益につながったり、売上に寄与したりすることになります。

あえてムダな使い方をしているという労働者は少ないと思いますが、仕事のために有効な使い方をしているかどうかの判断はつきにくいかもしれません。

そこで、使っている時間を次の3つに分類して仕事に従事しましょう。

自身の時間を「3つの時間」のどれに使っているのかを知ることで、仕事のために時間を有効に使えているかどうかの判断がつきやすくなるからです。

ミスやトラブルに対応する時間

お客さまからのクレームや事故、設備/製品の故障、流通の不備といったトラブルから日頃の何気ない失敗が発生した時、経営者や管理職は率先垂範、指揮官先頭の心構えで迅速にかつ真摯に対応しなければなりません。

特に対外的なもの…直接的なお客さまに対しては言わずもがなです。

これが適切に活用できなければ、できない分だけお客さまにご迷惑をおかけすることになりますので、より効率的に、より短時間で解決できなければビジネスは長続きしないことでしょう。

重大なトラブルなどが発生した場合には、ある期間はトラブル対応に没頭することもやむを得ません。対応が後手後手に回ると状況がさらに悪化するからです。

しかし、多くの時間を割いてトラブルを解決したとしても、たいていそれはマイナスからゼロの状態…元の状態に戻るだけです。間違いなく「時間」を意識した対応ができなければそのぶんどんどんコストもお客さまの信頼も低下していくだけです。ただ漫然と対応するだけでは会社がより良くなるわけではありません。


現在の状況を維持するための時間

トラブルやミスはいわば「問題」です。
マイナスの状態からゼロの状態に戻すための解決が求められます。

ですが、現状況を維持するためであったり、現状を改善していくためにもやるべきことが山積しています。これを「課題」といいます。

たとえば私たちの所属しているIT業界であればソフトウェア開発やインフラ構築だけでなく、お客さまへの訪問、お客さまを招いたイベント開催、事業報告、会議、部下との面談、その他多くのミーティング、仕入先の視察、仕組みの構築、メンバーの育成、状況の可視化、各種手続きなどちょっと考えるだけでもものすごい量の業務があります。

どれも大切な仕事ですが、このような目先のプロジェクト活動に大半の時間を割くことが当たり前になると要注意です。

そもそもそうした間接業務を無視して「プロジェクト活動しか存在しない」「それ以外はたいした作業量ではない」と勘違いした、あるいは自らはたいしてやってこなかった上司や経営者がいるからこそブラック化しやすいとも言われているのです。

そうなるとリーダーやマネージャー自身が精いっぱい働いているつもりでも、目の前の活動の現状維持で精一杯になり、それ以外のところまで手が回らなくなったり、形骸化が進むようになります。

 「プロジェクトマネージャーが不足する」
 「管理職層が弱い」
 「後継者不足」

といった課題は案外こうした土壌の上に成り立っているのかもしれません。当然、多くの中小企業ではその先にどうなっていったかは言わずもがなです。


未来のために使う時間

そこで、リーダーや管理職にとって最も重要になるのが仕事の未来…つまりは計画実現のために、どれだけの時間を使うことができたのかです。

 準備力

といってもいいでしょう。

未来のために多くの時間を割けるのは、経営者を含むリーダーシップを発揮するべき人材だけです。どんなに優秀な部下であっても、リーダーや上司から指示・依頼されるミッションが存在していますので、業務の中で未来のために時間を使うのは容易ではありません。

まずはなによりも目の前の仕事を確実に終わらせることが、部下やメンバーは求められています。

未来のために使う時間とは、

  • 新規事業の構想を練る時間

  • 新規事業を立ち上げるために使う時間

  • 新しいお客さまを訪問するなど現事業の新たな機会追及に費やす時間

  • 将来の自分のポジション候補となる有能な人材を獲得または育成する時間

  • いろいろな場所を訪問したりセミナーなどに出席して自身の経営の勉強に使う時間

等を指します。

やりたいことだけやっているのは、リーダーシップを求められる立場のすることではありません。

たとえば、自社が手掛ける事業の最先端を行く国がアメリカだとすれば、アメリカへ行って最先端の会社を視察することも未来への投資となるでしょう。IoTソフトウェア市場の獲得なら展示会やセミナーなどに参加し、実際に見て体験するといったことも未来のために使う時間になります。

人と会うことも未来のために使う時間です。同業者と会って情報交換する時間も必要ですが、業種そのものが消滅してしまうような時代なので、同業者間だけの狭い視野に捉われているだけではいけません。他の業種の人にも会ってビジネスのヒントを得ることも、非常に有効な未来投資と言えるでしょう。

将来、自分のポジションを任せられる候補生を確保するために来てほしいと思う人材と定期的に会って関係を深めていく、あるいは育成する機会を作って情報交換などをきっかけに様々な視点を身につけさせていく。このように未来のための布石を打つ時間を持つのは、会社や仕事の未来にとってとても大事なことです。

知り合いの経営者は、ヘッドハンターの紹介や自分で探し出した20人ほどの外部の優秀な人材と定期的に会って、近況報告や会社に興味を持ってもらえるような話をして、将来自社を支えてくれそうな人たちとの関係を構築しています。


最後に

未来のために使う時間の確保は、意識して行う必要があります。

「散歩のついでに富士山に登った人はいない」ように、現状維持のために時間を費やす日々だけの中では未来のための時間をなかなか確保できません。

だからこそ、これまで使ってきた時間を3つの時間に分類して、最終的に「未来のために使う時間」にどれだけ費やせているのかを定期的に確認し、意識的に時間を確保することが大切なのです。

これはリーダーや管理職だけに当てはまることではありません。個人の場合も同様で、自分の時間を3つのどれに使っているかを考え、自分の未来のために使う時間を確保することが大切です。

しかし実際は、病気などのトラブルへの対応や、現在の生活を維持するために多くの時間を使い、自分のキャリアアップや老後などの未来について考える時間を確保できている人は少ないように思います。目の前のことに時間を使う一方で、未来のために時間を使わなければその場しのぎの人生で終わってしまう可能性もあります。

人間は大きな目標を持たないと、基本的に変化を求めず、安定にはしり、徐々に現状維持だけで満足してしまうようになっています。そうなってしまってから急に「やりたいこと」や「実現したいこと」が出てきても対処はできません。そうなったときのために日頃から準備しておく必要があるのです。

未来の変化を予測し、あるいは未来に変化するビジョンをあらかじめ持つようにし、その未来のために時間を割く「計画」「準備」を徹底することは、仕事においてもプライベートにおいても常に充実や成長を得るためにとても大切なことなのです。

いただいたサポートは、全額本noteへの執筆…記載活動、およびそのための情報収集活動に使わせていただきます。