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論理的=納得のいく根拠があるということ

 「根拠は?」と聞かれたらどこまで切り返せるか

それが論理的であるかどうかの分水嶺です。なんとなく説明が論理的な口調になっていれば、思考まで論理的である…とは限りません。

その実力がメッキか否かは

 「〇〇だと思う」
 「自分はそうは思わない」

と言う、主観的な"思い"を簡単に口にするか否かでわかります。

そもそも、論理的に考えている人は"考えている"のであり、元ネタとなる根拠があるから"考えられる"のであって、ただその場限りの"思いつき"による「思う/思わない」と言う言葉は口調に現れません。

たとえば晴れた日に出かけようとしたら、家族から「傘を持っていきなさい」と言われたとします。それだけではおそらく「どうして?」と言いたくなるでしょう。しかし、もしも

 「夜の降水確率が90%もあるから、傘を持っていきなさい」

と言われたらどうでしょう。きっと「じゃあ、持っていこうかな」となるはずです。この例では「傘を持っていきなさい」という主張を受け入れてもらうために、「降水確率が90%」という根拠を示したわけです。

このように、何かを主張したいのであればデータや情報による「根拠」が必要になります。根拠とはその言葉通り、「根っこ」「根幹」「拠り所」のことです。これが無いと言うことは、どこからその発想・思想が生まれたのか説明ができないと言うことです。個人的な我儘かもしれないと言うことです。

仕事も同じで、「○○をやるべきだ!」と声高に叫ぶだけでは熱意は伝わるかもしれませんが、周囲はGOサインを出してくれません。

「なぜ○○をやるべきなのか」納得のいく根拠を示す必要があります。

たとえば「新しい仕事を作りたい」のであれば、それがどれほどお客さまに求められているかや、ライバル企業の商品よりもどれくらい優れているのか、どれくらいの利益が見込めるのかなどを説明する必要があります。

たしかに日常会話レベルの「傘を持っていきなさい」くらいのシンプルな説得であれば、それほど難しくはありません。けれども、仕事における説得となるとそう簡単にはいきません。

先ほどの新しい仕事の話では「お客さま」や「ライバル企業」といった例を挙げましたが、説得力を高めるためにはこのように複数の視点からの説明を試みる必要があります。そして、その際にどれだけしっかりと思考整理できているかが、説明のわかりやすさや納得感、そして説得の結果を左右します。

このように、主張に対して適切な根拠がある状態を

 「論理的(ロジカル)」

と言います。「論理的」と聞くと、何やら難解な説明や複雑な構成を想像されるかもしれませんが、決して難しいものではありません。むしろ、論理的であればあるほど、誰が聞いても理解できるようになっているはずです。それができないのは、表現が難しすぎたり、回りくどい説明になっているからにすぎません。

要するに、

 ・主張に対して、その拠り所がしっかりとある
  →つまり、「なぜ?」と聞かれても答えることができる
 ・話の筋が通っている
  →つまり、「なぜ?」から「だから〇〇だ」までの筋道がわかりやすい

これができるかどうか、それだけの話です。

 「それが難しいんじゃん」
 「それができれば苦労は…」

と聞こえてきそうですが、できる/できないは「やってみる」「繰り返す」の先にしかわからないものです。やりもしないでできるかできないかなんて、神のみぞ知るものです。説明を見てもわかるように、具体的な機微を掴むまでは少し慣れが必要かもしれませんが、技術的には何も難しいことは言っていません。理解したうえで反復しさえすれば、子供でも修得できる代物です(事実、小学生からプログラミング的思考を教育することによる恩恵で身につける子供たちは増えていくでしょうし)。

もしも自分自身の思想、主義、主張が本当に「正しい」と思っているのであれば簡単なはずです。その「正しい」を誰が聞いても理解できる言葉にして説明できるはずだからです。

「降水確率」の話のように、シンプルでもきちんとした根拠があれば、十分論理的となります。

もし「もっと論理的に考えろ」「もっとロジカルに説明しろ」と言われているのであれば、「主張と根拠」のセットで考えたり話したりすることを心がけてみてください。

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論理的(ロジカル)に考えることは、ありとあらゆるビジネスの絶対条件です。未来の事業や収益を語る以上、必ず「信頼」や「信用」が無ければなりません。その「信頼」や「信用」はどこから生まれてくるのでしょう?

人間性さえ信頼できれば、どんなに損をしてもかまいませんか?

過去の実績さえあれば、未来が五里霧中でも一切気にしませんか?

そんなことはありませんよね。
これから行うビジネスについて、具体的な計画を提示されなければすんなり信用できないでしょうし、その計画が穴だらけで絵に描いた餅にしか見えなければ信頼できるなんて毛ほども思わないことでしょう。それがどんなに人間性として優れていても、です。

今年から、小学生・中学生にプログラミング教科が必須化された背景に「ロジカルシンキング」を身につけさせると言う目的があることからも、否応なくわかるかと思います。

そしてそれができれば、次に数値的根拠を明確にできるようにしましょう。前年度比、他社比、行動前後の前後比など、相対比較できる数字があるとより説得力が出てきます。

 「なんとなくそう思ったので…」
 「やらないよりはやった方が良いと思って…」

などと言う曖昧な根拠で、会社や組織、お客さまの意思決定を動かそうなどと思うのはただのペテンであり、背信行為にしかならないことを忘れないようにしましょう。

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