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仕事の目的を確認する力

準備の第一ステップは、仕事の目的を確認すること。

目的とはその活動を行う理由です。「なぜ、そうしなければならないのか?」ということです。「そうすることで何を得たいのか?」ということです。この目的に沿っていなければ、それはどのような活動であっても、求められる結果は出せません。

たとえば、上司や顧客に資料の作成を命じられたら「その資料は何に使う
のか」を必ず上司や顧客に確認します。

この目的の確認を怠ると、ピント外れな情報素材を集めてしまったり、お客さまの役に立てない企画書を作ってしまったりしかねません。それはそのまま、やり直しや差し戻しにつながるわけです。

目的確認の力量に差がつくと、仕事の失敗確率にも大きな差が出てきます。

当たり前のことですが、仕事の発注者は自らが発注する以上、「目的」や「目標」が存在しているということを十分に理解しています。けれども、仕事の依頼があったときにその仕事の目的を依頼者がきっちり語ってくれるとは限りません。「そんなことは言わなくてもわかっているだろう」と思っているのかもしれませんし、ただ単に仕事を依頼するときに時間がなかったのかもしれません。

いずれにしても大事なのは、仕事の目的の確認は受ける立場のこちらがしっかり押さえておく必要があるということです。これを疎かにしたまま、

 「お客さまが要件を言ってくれない」
 「仕様がいつまで経っても決まらない」

と他責の言い訳をしていると、いざIT調停などになった際、確実に負けることになります。『要件を抽出する』工程や期間が設けられていれば、お客さま側に恣意的な行動が見られない限り、ほぼ確実に受注側に責任があるとみなされます。


組織やビジネスにおけるコミュニケーションは極めて大事なものです。

事実、コミュニケーションの方法については様々なところで語られていますが…ただ、その多くは発信者を中心に考えたコミュニケーションの方法論であり、受信者…すなわち『聞く側』のスキルが大きく不足しているのではないでしょうか。

 ・聞く姿勢
 ・聞き方、質問の仕方
 ・様々な表現や語彙、文法に対する読解力
 ・聞いた内容を記録にまとめる能力
 ・適切なフィードバックを返す能力

等について語られることってあまり聞きません。

どんなに話す技術や伝える技術を磨いたとしても、相手が求めていることが語れなかったらどうでしょう。「テクニックとして上手なコミュニケーション」をいくら繰り出されても、ピント外れな内容で語られては、聞く側にとって意味はないのです。

実際、エンジニアをやっている人たちの中では、上手にお客さまから要件を聞き出すことができない人は多いのではないでしょうか。


大事なことは、相手が求めていることに応えること。それを探ることができる力です。それがわかって初めて、的確なコミュニケーションができる。どうやって相手が求めていることを探るのかというと、聞くことによってなのです。

 ・仕事を受けるときには聞くことを強く意識する
 ・相手が求めているものを、いかに引き出せるか

それが、最終的にはやり直しや差し戻しも防いでくれます。

実際には依頼者の目的がぼんやりしていることもあります。

そういうときには、一緒になって目的をはっきり定めていくことです。目的がぼんやりしているというのは、何が求められているのかがはっきりしていないということです。それでは求められる仕事はできないのです。

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