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1%の努力

ずいぶん昔のことなので忘れてしまいましたが、どこかで見た話を私なりに解釈し、今でも継続している努力活動について少し触れておきたいと思います。

最初に、筋力トレーニングをイメージしてみてください。

人間の肉体は、肉体が普段から用いる負荷のキャパシティにあわせて、筋力等が決まります。つまり、負荷を増大させればさせただけ、肉体は強化されることになるわけです(まぁ短期間でやりすぎると、摩耗してダメージにしかなりませんけども)。これが筋トレのしくみです。

問題はこの『負荷』の質です。
負荷には主に2種類あり、

 ・軽い負荷を継続的に与え続けて持久力を養うタイプ
 ・重い負荷を短時間に集中させて能力の最大値を向上させるタイプ

があります。白筋とか赤筋とか言われているナニでアレな奴ですね。

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これと同じようなことが、仕事にも当てはまります。

能力であればどれも同じ考え方ができますが、仕事の場合は後者(重い負荷+短時間)で鍛えられる...と言うものはあまり多くはありません。大抵の場合は、前者(適切な負荷+継続)によって、成長が見込めるものです。

そうした場合、ただ単に集中的に暗記して、記憶に詰め込んだだけでは、テストで点を取ることができたとしても、仕事には役に立たないケースが多いと思います。通常は、

 ①知識を吸収する
 ②実践による反復で少しずつ定着させる
 ③慣れにより効率的に実施できるようになる

と言った過程を日々の作業の中で少しずつ養っていかなければ、なかなか実力として身に付かず、成長できません。

では、この3つの取組みを1つの「負荷」としてとらえた場合、どの程度の負荷を与えればいいでしょう?


上司が部下に与える負荷…と言うと、だいたい部下の実力の2割増しくらいまでが良いと言われています。それを超えると、キャパオーバーするというのです。まぁそれに、常に120%の負荷を継続されると、常に張り詰めたような状態になるので、ちょっとしんどいですよね。たまにならともかく、常にってのは大変です。

私個人としては、105%くらいまでに留めておきたいな、と思っています。

大した事なさそうに見えます?
個人的には常に継続して負荷を与え続けられるのなら、1%でもいいと思っていますよ?

みなさんは1%をどの程度と見ているでしょうか。

仮に反復によって、1年=365日もの間、前日比1%の負荷を継続して与え続けたら、どの程度の効果を出せると思いますか?

これを単純計算すると...

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つまり、1年でおよそ38%の成長が望めると言うことになります。

少ないと思いますか?おかしいと思いますか?
1%×365日だったら、365%になってもいいんじゃないか、と。

残念ながら、毎日1%ずつ足し算すればそうなるのかもしれませんが、この1%は「昨日の努力を100%とした場合の"前日比増分"」のため、そこまで劇的に変わりはしません。だからこそ、長期継続が可能なわけです。

ここまでしか聞かないと、確かにモチベーションは上がらないのかもしれません。1年刊頑張って、4割弱増しですもんね。2倍とか5倍とか成長するわけではないですし。だったら多少手を抜いてでも、楽して生きた方がいいのかもしれないと思うかもしれません。

では、逆に気が抜けちゃって、前日比1%手を抜いてみたらどうでしょう。

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どうでしょうか。100%できることでも、毎日少しずつ手を抜いていくと、1年後には実に3%弱しか実力が残っていないと言う結果になりました。

毎日毎日、同じようなことばかりしているとだんだん飽きてきて手を抜き始める…という人はいないでしょうか。自分自身の限界に挑戦せず、今あるスキルと知識の範囲内だけで、しかも100%未満の実力だけで日々を過ごしていると、筋力同様、徐々に衰えていくのは当たり前のことです。

お役所仕事や言われたことを言われたまま淡々と作業をこなすだけの人が成長しないのはそういうことです。努力や実力以上の負荷を与えられなければ、人間は成長しないようにできているのです。まさに筋トレと同じ理屈です。

「料理」や「スポーツ」の世界でも同じですよね。

しばらくやっていなかったら、忘れてしまったり、身体がついてこなくなったりします。同じことが仕事でも起きるのです。「仕事だけは違う」と考える方がよほど違和感を感じませんか?

他のことで同じなら、仕事の能力だって同じに決まっています。なぜなら、「仕事」は個人の持つ個々のスキルの組合せによって行われているだけで、「仕事」という特殊な能力があるわけではないからです。

そして最も恐ろしいのは、

 1年間、前日比たったの1%でもサボり続けると、
 実力を取り戻すのに1%ずつ向上させていくだけでは、3年弱かかる

と言う事実です。一度でもサボり始めると、元の状態に戻すだけで計4年も棒に振ってしまうことになります。これが理解できると、頑張る努力量は1日あたりほんの少しでもいいかもしれませんが、手を抜いたり、サボったりすることがどれほど怖いことになるのか肌で感じることでしょう。

たった1%でもナメてかかると怖いのです。

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