仕事を"する"人と、"させられている"人
やっと終末です。もとい、週末です。
やはり退職すると決まったからでしょうか。少し仕事が億劫になってきました。いやまぁ、やりますよ?やりますけどね。私の仕事って、他に影響受ける人が多いので、1㍉も手を抜けないので。
さて、今日のテーマはそんな億劫な「仕事」に対する意識と姿勢の相関関係についてです。
たとえば、読まれている方の中に、サッカーの好きな人はいるでしょうか。
実際に競技するのもよし、観戦に熱く滾るのもよし。
では、そんなサッカー好きのあなたに問います。好きじゃなくても問います。
サッカー選手は1試合のうちで、実際にボールに触っている時間はどれくらいでしょうか。
サッカーと言う競技は何故か他のスポーツと違い、ただの観戦者から現役選手に至るまで、"観戦"となると妙に上から目線で語ることが多いように見受けられます。
「あーl!違う違う!逆サイだよ逆だって!」
「あーぁー...なぁにやってんだよー」
といって自分では出来もしない割に辛口な批評をして騒ぐギャラリーの多さはおそらくスポーツ界1です。
しかし実際のところ、サッカーというスポーツの大変さ、その本質と言うものをどれくらい理解していますでしょうか。
さて、実はサッカーは前半後半あわせて90分間ほとんど休みなしに走り回るかなりタフさの要求されるスポーツで、バスケットボールに次ぐ運動量を要求されることが統計としてわかっています。そしてボールを持った際は、その殆どが全速力といわれています。
けれども、実際にボールに触っている時間はプロの世界でも1分前後。どんなにドリブルが上手な選手でも2分と保ちません。まぁ、そうですよね。パスが回ってきて、次の人にパスするまでの時間なんて平均すると5秒もかかっていませんもんね。
では残り88~89分間は何をしているのでしょう。
その点に思いを馳せてみたことはありますでしょうか。ボールを触る為に、常日頃から切磋琢磨してきたのに、実際には1分しか触れない。他の時間は腐ってればいいのでしょうか?
何かに書いてあった話ですが、ある海外の研究機関で、サッカー部に所属する「素人の学生」と「プロサッカー選手」とで、カメラを頭部に設置して試合中の視線の動きを観察する実験をしたことがあったそうです。
その際、学生が常にボールを目で追って動いているのに対し、プロ選手はボールを見るのはほんの一瞬で、その他の時間は常に周囲を激しく見て回っていたという事実が判明しています。相手の位置、味方の位置、空きスペースと動線、スピードと流れ...つまりサッカーグラウンド全体を見ているのです。
たった1~2分しかボールの触れないその瞬間を最も効果的に、最も劇的にするため、まさにこの残り89分間、全体を常に把握して常に自分の要求されるベストな状態を作り出す努力をしていたということになります。
あるプロのサッカー選手はこう言ったそうです。
「この89分間をどのように過ごすか?が、
(サッカーで)最も重要なんだよ!」
サッカー選手の「仕事」とはそういうものなのだそうです。チームの中で役立つため、チームを支えるスポンサーに応えるため、常に全体を把握し、全体を意識し、全体の中で最も良い結果を出せる努力をします。それがたった1分しかない見せ場だったとしても。
しかし、これはサッカーというスポーツだけに言えることなのでしょうか。チームで取り組む作業があり、顧客と言うスポンサーがいることを思えば、
システム開発にしても同じことが言えないでしょうか。
役割分担と言うのは、組織全体の仕事があるからこそ振り分けられるものです。あなたも今現在、そしてこれからもチームの中で、または組織の中で何かしらの役割を担っているのでしょう。
その役割は、あなた自身の中だけで完結するものではなく、全体の中にあって初めて成果に結び付くのです。
自分の役割さえ果たせば、仕事は終えたものだと思っていないうか?
上司が指示したから...と、それだけやって満足していないか?
今の仕事を実行する過程も知らず、自分の成果が何に使われるかも良く分かっていない状態では、誤った指示をされても、他にもっといい方法があっても、それに気づくことはできません。
たとえば製造業の場合、商品を作る過程の中で前工程から仕事を引き継ぎ、
後工程にきちんと渡して初めて自分の役割を果たしたことになります。さらに俯瞰して考えると、材料を仕入れるところから、モノ作りを始め、商品が完成し、様々な流通経路を経て、最終的に顧客のもとに届けられて、会社の仕事、つまり会社に対して果たすべき役割を言うものが完結します。
目の前の仕事だけをすれば、ビジネスが完成するわけではありません。
私たちの仕事も同じことが言えます。
この視点を持っておくと、気づくことが格段に増えていくでしょう。素人の学生とプロサッカー選手の視野/視界の広さの違いについて、改めて考えてみればよくわかります。
自分が任されている仕事以外に考えが及ぶからこそ、自分が任されている仕事について
「こうした方が次の人にとっては便利かもしれない」
「この部分を改善すると、効率が上がってスピードがあがる」
と言った発想が生まれていきます。全体を見ること、全体を見ようとすることがいかに大切か、いかに周囲に貢献するか…ということです。
世の中には多かれ少なかれ『デキる人』 or 『デキない人』と言う分別がなされます。
判っていることは、デキる人は必ずと言っていいほど、この視野と発想を持っているということです。他人に任せきりで、自分からは何もデキない人は、この観点が足りていない可能性を気にしてみるといいかもしれません。
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