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10月10日・18日のオンライントークを終えて

10月10日と18日にオンラインでスーダンについて話す機会をいただきました。

声をかけてくださったケニアでマゴソスクールに携わっている早川千晶さん、アフリカコレクション代表稲川雅也さんありがとうございました。

そして40名ほどの方にお越しいただき感謝しております。

この文章はトークを終えた感想を備忘録として残しておきます。

10月10日のトーク内容

私が歴史学部卒業ということもあって早川さんからスーダンの歴史について講演を依頼され、高校世界史Bに出てくるスーダンの歴史を深堀りしました。

高校世界史Bで登場するスーダンは、スーダンの古代文明クシュ王国と19世紀後半のマフディー運動の2点だけです。

どちらも歴史的に重要で、専門で研究している人が多くいます。

ただ一般の日本人にとってスーダンの歴史は全く接点がなく、遠くにあるものです。そんな人でも面白い、興味を持ってもらえるにはどうしたらいいかを懸命に考え、以下の点を主題としました。

①スーダンの古代文明クシュ王国の出土品はブラックアフリカの史料として最古であり、出土品にはアフリカ内陸部との交流を示すものが多数出土し、新たな歴史発見の手掛かりとなること。

②過去と現在との繋がりを歴史を通してみること。2019年の民主化革命と古代文明との繋がりは、国民意識における歴史の果たす役割の大きさの証明として紹介しました。

③日本で使われている歴史の教科書が西洋中心主義で書かれているため、誤解を広めていること。
マフディー運動の本質と、スーダン人にとってのマフディー運動とはを紹介。

この3点がメインテーマでした。

トークに参加してくださった方々の感想を読むと、メインテーマの3つがしっかりと伝わったように感じます。

ご参加くださった方々ありがとうございました。

10月18日のトーク内容

10月18日は、稲川雅也さんが行っているアフリカトークリレーとして、スーダンの現状について話させていただきました。

現在、現地NGOと協働で支援活動を行っているスーダンのナイル川洪水の現状と、スーダンの経済状況を主題としました。

伝えたかったこと
①国際的な緊急支援では、ポーズが何より大事だということ。
避難所には政府や諸外国からの支援物資が積まれていき、支援を行った証しとして写真を撮っていく。でも貧民層が多い地区には支援は届かず野宿する人の姿がある。

報道だけでは伝わらないカメラの裏側にこそ真の姿がある。

②スーダンの経済悪化の原因には、石油資源を巡る世界情勢が深く影響し、そこには日本も含まれること。
南スーダンに自衛隊が派遣された理由を国民はもっと知るべきであること。

③国際支援のあり方根本を問うこと。物を与える支援がもたらした生活の変化と小麦依存について。

この3点がメインテーマでした。

下火となったオンライントーク

稲川氏によるとオンラインイベントを始めた5月には100名ほどの参加者が常に集まっていたようです。それが現在では、どのトークも20名ほどまで参加者が減っているようです。

オンラインイベントが乱立し、質の低い内容のものが増えたように感じています。
質の低いものばかりをみた視聴者が離れていくのは当たり前です。

しかし、まだまだ素晴らしいオンライントークをされている人がいるのもまた事実です。

視聴者は良い物を見極める力が求められていますが、発表者が良い物を出していければまだまだ発展できる分野だと思っています。

スーダンの日常は日本の非日常

私はかれこれ3年ほどスーダンで暮らしています。スーダンに降り立った当初は見るもの全てが目新しく興味のアンテナはどこでも立ちっぱなしの状態でした。

ところが、人間というものはすぐにその環境に慣れてしまうものです。
3ヶ月経ったときにはスーダンでの暮らしに不自由さを感じなくなるとともに、興味も薄れていきました。

これは、非日常が日常になったためです。

スーダンでの日常生活は私にとってはあまり面白くないと感じるものです。

ですが、オンライントーク後の感想で、スーダンの生活が面白いとか、もっと現地での生活の様子を知りたいという声を多数いただきました。

私にとってもオンラインイベントを行うことは、生活を見つめ直し、消えかけた興味のアンテナを立て直すことに繋がり、ワクワクした日々が戻ってきたように感じられます。

引き続きオンライントークやっていきますので、これからもよろしくお願い致します。

皆様からの温かいサポートは、日本に憧れを持ち、日本に留学する夢をもつスーダン人の若者が日本語を学ぶ活動に使わせていただきます。