あなたのお店、その外観で大丈夫ですか?一瞬で何のお店なのか伝わりますか?
宇宙一外食産業が好きな須田です。
子供の頃から“人は見た目で判断してはいけません”と教わってきませんでしたか?
私は、子供の頃母親によく言われましたが、それだけ私が見た目で判断していたのでしょうね。
これは、どうしても人は見た目で判断しがちなので、それを戒めるための教えだと思いますが、ということは、人は見た目で多くの情報を得ているということを証明していると言えます。
どうもこれは本当のようで、人間な相手に対する情報をほぼ30秒以内に察知する能力を備えているようで、これは太古から学び取った能力のようです。
喰うか喰われるか、交尾できるかできないかが、太古では最も重要なことで、自分が餌になって相手が生き残るのか、子孫を残すことが出来るのか、生命の維持と種の存続に関係する大事な能力のようです。
初頭効果という言葉をご存知の方もいらっしゃると思います。
これは最初に相手からどのような印象を感じたかで、その後のその人の印象は決まってしまうという心理学用語で、そうして決まった印象はその後なかなか変わることがないというものです。
実はこの心理は常に働いています。
ほぼ例外なく。
ですから、広告業界ではいまだにイメージ広告が主流で、多くの媒体では視覚的に訴える手法をとっています。
常に働いている初頭効果ですから、お店のファサードに対しても同じように働いています。
お店のファサードを見た最初の30秒で、誰もがそのお店の情報を得て印象を決めています。
勿論、あなたのお店もこの初頭効果にさらされています。
人は表情で相手の心理状態や考えていることを感じ取りますが、お店のファサードもこれと同じ効果を発揮しています。
先日、打ち合わせをしたくて、適当なお店を探していたとき、カフェっぽいファサードのお店を見つけて、でも何か違和感がありよく見てみたら、カフェのような外観の調剤薬局でした。
恐らく調剤薬局の何かが嫌で、カフェのように入りやすい外観にと、考えてデザインしたのでしょう、でも、その調剤薬局にお客さんはいませんでした。
並びにある調剤薬局は薬を受け取る為の順番待ちの人が見えているのに、その店には薬をもらいに来る人はいませんでした。
恐らく、調剤薬局として見られていない、認識をされていないことが原因で集客出来ていないと思います。
さて、あなたのお店はいかがでしょうか?
一目で何屋さんかわかるでしょうか?
この一瞬で何屋かわかるということは非常に重要な要素で、人は理解できないことを忌み嫌う性質があり、お店を見た瞬間の30秒で必要な情報を提供出来ないと、他店にお客様を奪われてしまう結果になってしまいます。
以前、横浜の地下2階の居酒屋を改装したことがありました。
集客に苦労しており、店舗のファサードは地下への降り口の扉とその左側の30cmの袖壁、そして右側の幅1.5m×2.5mの壁面だけでした。
入り口部分は情報を提供するにはあまりにも面積が小さく、少しの情報しか提供できませんでしたが、大きな壁面が幸いにもあったので、そこに必要な情報を提供しました。
その結果集客に成功して、業態変更したこともあり業績は1.5倍になりました。
改装前のデザインは、全く何屋か理解できないもので、飲食店の存在も、地下にあることも、そもそも業態が理解できないようなファサードでした。
これでは集客が出来ないのは当然の結果で、逆にこのファサードでよく何年も商売を続けられたなと感心したほどでした。
その物件の20m先に数か月前に私が改装のお手伝いをした割烹居酒屋があって、そこは月商1,800万売っていましたので、立地は間違いない場所でしたが、この店の集客は最悪の状態でした。
その割烹居酒屋さんも古いお店でファサードには誇りのかぶったサンプルが展示されているような状態でしたが、ファサードを全面的に改装した結果、160%アップの繁盛を勝ち取りました。
さて、どうしてお客様に伝わらないファサードを作ってしまうのか、そもそもの原因はどこにあるのかを理解していないと、あなたも同様の失敗をしてしまうかもしれません。
集客に困っているお店の共通しているダメな点、残念なポイントは、圧倒的な情報不足です。
これは、利用者にとって必要な情報が何かということを理解していなく、デザインにばかり注意が行っているから起こる現象です。
簡単に言ってしまうと、カッコばかり付けて、お客様がお店を判断する時に必要な材料を全く提供していないということです。
集客のためにチラシをまいて、ホームページを整えてSNSで情報発信して、でも集客に苦労しているお店は沢山あります。
集客出来ない原因はお店の顔が悪いからです。
お店の顔となるファサードは、期待させなければだめです。
私は有吉ゼミでも何度も何度も言っています。
お客様を迎えるための条件を整えていないから、お客様がお店の存在に気づいていない、何屋か理解していない、入りたくなる雰囲気になっていない、その結果、集客に苦労することになっていると。
冒頭に書いた初頭効果が人には備わっているので、本当に感覚的に瞬間で何屋か理解して頂く必要があります。
更に言うならば、ワクワクさせて期待感を煽るようなファサードにする必要があります。
以前に池袋に本店があるラーメン屋さんのファサードを改装したことがありました、改装後は対前130%になり、その後系列3店舗のファサードも同様のデザインコンセプトで改装して、現在はフランチャイズ化されています。
ファサードを変えた効果は大きくて、お店としての存在感が増し強烈なインパクトを提供し、ワクワク感と期待感を提供しました、客単価も110%になりました。
ファサードには、これから始まる食事への期待感を煽る必要が有ります。
美味しそうだなぁ、楽しそうだなぁ、居心地が良さそうだなぁ、まぁまぁ手ごろな値段だなぁなどの感情が沸き起こるような情報を提供する必要があります。
初めてお店を出す方は得てして見映えの良いデザインにしがちです。
初めての自分のお店ですから気合が入っているのは理解できますが、ファサード全体を格好の良いデザインにして、店名も小さく、業態を紹介することもなく、ここは何屋か?とちょっと気になる感じを狙ってなどと、デザイン重視のファサードを作ってしまいます。
その結果、お客様はやってきません。
多くの繁盛店は、お客様に必要な情報をデザイン的にキチンと処理をして提供しています。
ブランディングという言葉を聞いたことがあると思いますが、正しく理解している方は少ないような気がします。
ブランディングとは、意図した情報の提供を指します。
意図的に消費者に自社をこのように認識していただき、このような利用をなさってくださいと、限定的に意図的に情報を発信する作業をブランディング戦略と言います。
店舗ファサードの意味合いは、このブランディング戦略の一つです。
消費者に、自店をどのように認識して頂きたいのか、どのように利用して頂きたいのか、何を消費して頂きたいのか、誰と利用して頂きたいのか、どのような時に利用して頂きたいのか、それらを効果的に効率良く伝える必要が有ります。
ファサードには、瞬間で理解できる必要な情報を、デザイン的に適切な処理をして提供する必要があります。
このデザイン的処理を間違えると、集客には結び付きません。
デザイン的に間違った処理とは、読みにくい店名、小さな文字、間違った色使いなど、幾つかの要素があります。
今一度、あなたのお店のファサードを点検してみてください。
必要な情報は提供されていますか?
意図的な情報操作が効果的になされていますか?
デザイン的に適切に処理をされていますか?
もう一度、初めて見る消費者の心理になって、あなたのお店を観てください。
何を感じたでしょうか、その感覚が消費者も感じている感覚です。
明日は具体的な提供しなければならない三つのポイントと、ワクワクさせる期待感を煽るデザイン手法をお伝えします。
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