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どうも、ゆるラクゴプロデューサーのイエモトです。
毎週、落研出身の二人がゆるい落語みたいなショートストーリーを作って遊ぶPodcast番組を配信しています。

zaboさんとのコラボ回、まだの方はぜひ聴いてください!


さてさて、本日17時配信予定のコラボ月間パート2のゲストも発表しております。

先駆けて【ヤンビ〜×タイシspocast】の方に我々が出させていただいた回が配信されておりますので、そちらからまずはお聴き下さい!


それにしても、プロスポーツアナリストとプロトライアスリートの番組とコラボできる日が来るとは。そんな方々とこんなに普通にお話しさせてもらえるなんてすごいことですよね。Podcastって本当に不思議だなぁと思います。前回のzaboさんもそうですが、たぶん通常の生活圏のみで生きていたらまず交わらないはずの方々と、同じ土俵でこんなにしっかりお話しすることができるなんて。しかも、あんなゴリゴリのプロスポーツマンと「スポーツ×島崎和歌子クイズ」をやる世界線、どう考えてもあり得ないですからね。面白い次元の並行世界を引き当てたようでなんともラッキー。ていうかなんなんだよほんとに「スポーツ×島崎和歌子クイズ」って。


「spocast」に出るに当たり、スポーツの話題を振られるかもしれないと、ふと「スポーツと私」の接点について思い返していました。

私はスポーツに苦手意識があります。足が遅いわけではないけれど、早いわけでもない。運動神経が悪そうに見えて、たまに結果出したり。瞬発力よりは持久力タイプで、マラソンなんかはそこまで苦ではありませんでした。でも、なんだか漠然と苦手意識が今でも強くあるのです。

小学校の頃のスポーツの接点は体育の授業くらいでした。思い起こされるのは、鉄棒やマット運動がとにかく嫌いだったこと。なんであんなに逆上がりをさせたがるのかは、未だに答えがでません。重力に逆らって回転することがどうしてそんなに重要なのか。マット運動にしても、なんでわざわざ三半規管を狂わせるようなことを何回もやらないといけないのか。思えば、「回転」という動作がそもそも苦手なのかもしれません。目眩がしやすかったり、乗り物酔いもしやすいタチなので、体質的に向いていないのかもしれません。また、一瞬でも自分の身体を制御できないような感覚に陥るのが不安で、文字通り「地に足をつけていたい」願望が強いのだと思います。そんなものをみんなが出来るまでやるというような環境がまたスポーツへの苦手意識を助長させていくのでした。

そんな感じの人間なのに、中学では野球部に入りました。まわりはだいたい小学校から少年団などで野球をやって来た面々ばかりなのに、「野球を観るのが好き」というだけで入部を決めた無鉄砲さ。嫌いじゃないね。のちのち「観るのは好きだがやるのはしんどい」という事実を思い知らされるのですが。

覚えているのは野球部での練習初日。「ポジションを決める」ということでいきなり希望の守備位置につけと言われました。友達との遊び以外で守備についたことのない私は、どうしたら良いのか戸惑いましたが、掛布さんの野球指導本を買って読んでおりそこに載っていたのがサードの守備のコツだったので、とりあえずサードを希望してみることにしました。その時点でサードの守備などもちろん初です。そもそもちゃんとしたノックすらまともに受けたことはありません。経験者の同級生達が順番に球を捌いていき、とうとう私の番が来ます。ドキドキしながら球をグローブに収め、いや、正確にはなんとか球をはたき込み、そしてファーストへ送球。私が投げた球は、校舎の窓ガラスまで届くんじゃないかというくらいの明後日の方向への大暴投。あのときの、球がフワーッと飛んでいくのをみんなでぼんやり眺めていた瞬間が、映画2本分くらいの長さに感じられ、未だに情景が思い起こされるほどです。その一連を見た監督からすぐさま「お前外野行け!」と言われたのもセットで、今でも夢に出てきます。

結局、野球部ではライトの補欠及びベンチウォーマーとして三年間君臨し続けました。あとたまにマネージャーがやるはずのスコアラーもやりました。試合経験は、確か他校との練習試合にライトの守備で一回だけ出て、普通のライトフライを普通にこぼしたこと以外の活躍は特にありませんでした。なお、中学の引退試合なんてだいたい補欠でも打席を与えられるもんですが、まさかの代打でも出れず。監督の「すまん、ここで負けると思ってなかった」という言葉をふと思い出しました。

高校では、スタートラインが違い過ぎた中学野球の反省を活かし、高校から始める人ばかりだったハンドボール部に入りました。私は痛みへの耐性が強いっぽく、キーパーのポジションが向いていました。当時のハンドボール部はあまり部員がおらず、レギュラー争いみたいなものもほぼ発生していませんでした。だいたい三年生がレギュラーとして各ポジションにピッタリ収まるくらいの人数構成でまわっていました。

ただ、私が一年生の頃に事件が起きました。三年生が引退して二年生主体の新チームになったばかりのタイミングで、突如として二年生のレギュラーキーパーが部活に来なくなったのです。自動的に一年生の私がレギュラーでキーパーをせざるを得なくなりました。とはいえ、その来なくなった先輩との実力の差は歴然。だって私はちょっと痛みに強いというだけの人間であり、なんなら「あと一年でレギュラーかなー」くらいのほほんとやっていたのですから、やっとルールをちゃんと把握したくらいのほほんとやっていましたから、急にそんなん言われましても!という感じでした。無論、チームのディフェンス力はガタ落ちし、私はライトの補欠だったくせに肩も弱いのでオフェンス力にも響き、チームは如実に弱体化しました。日を追うごとに他の先輩達も焦りが見え始め、言葉には出さないまでもなんか諸々察知できるくらいの空気感が練習中も常にありました。

そして、先輩の代の最後の夏の大会予選が近づいた頃。このままじゃ確実に予選敗退というムードを吹き飛ばす出来事が起こったのです。消えたキーパーの先輩が帰って来たのです。なぜ消えたのか?なぜ戻って来たのか?などはそういえば訊けなかったのですが、それ以上に「助かった感」がチーム全体に充満していました。もちろん、私は心中複雑です。「そもそも、いくら元々上手かったとはいえ、何ヶ月も練習せずにチームにいなかったわけだから、キーパーとして下手になってんじゃないの?結局俺がレギュラーになるんだったらそれはそれで複雑で嫌だなー」くらいなことを考えていました。ところが、いざじゃあ練習してみよう!となったその先輩の動きがまぁキレッキレだこと。「ごめん、練習は裏切らないとは?俺の今までの胃の痛みとかどう落とし前つけるん?」みたいな感覚に陥りましたが、ふと、なぜかこっちが引退するかのように力が抜けたのを覚えています。ズリィって思いつつ、ホッとしたというところが大きかったです。

そんなようなニガイ経験も踏まえ、スポーツへの苦手意識のようなものが蓄積されていったのでしょう。もちろん、スポーツから学ぶこともたくさんありました。特にチームの中での身の置き方はものすごく醸成されたと思っています。早い段階で主軸の働きを求められていないし向いていないと理解できた場合、その他で組織に貢献できることを見つけ、そこのポジションでの影響度を高めていくという生存戦略や、基本誰とでも機嫌良く満遍なく仲良くやれる蘇生術などを身につけることができました。これは社会人になった今も役立っている考え方だと思っています。ただ、それはあくまでもスポーツをやる以外の話ばかり。そういえば、どの後輩からの色紙にも、他の同級生は「あの試合の」とか「練習を一緒に」とか書いてあるのに、私の場合だけ「会話が面白かった」「雰囲気がツボでした」みたいなことばかり書かれていたのが、まさにそういうことだよなと思いました。

そんなわけで、「スポーツはもういいや」となり、大学のサークルは落語研究会に入りました。ずっと座って喋っていれば良いなんて最高では?という気持ちもありました。文化部が初めてというのもあり、比べるものがないのですが、控えめに言って最高でした。こんなに緩くて良いのか!とカルチャーショックを受けました。そもそもこれまでチームスポーツばかり経験していたので、一人で全て出来るということへの楽さも相まって、落語研究会ではものすごく快適に過ごせました。もしかすると、そこで初めて主軸の活躍を求められたような気がしたのかもしれません。

今現在、何かスポーツをしたいなぁと漠然と考えています。あんなに苦手意識があったスポーツなのですが、離れ過ぎるとまたやってみたくなるというか。私自身、年々鈍感力の高まりを感じており、言わばどんどん面の皮が厚くなっているのです。昔あんなに相手のことをばかり気にしてビクビクしていたのに、そこがだいぶどうでも良いと考えられるようになってきました。ミスしたら大きな声で「ごめん!」って言えば良い。だから思い切ってプレイしよう。出来ないことはなぜ出来ないのか冷静に分析して対策をうっていけばよいだけでは。とかとか。なんだか今だったら真っ直ぐにスポーツに向き合えるのではと。またチームスポーツも良いですが、落語で感じた快適さから、個人種目の方が性に合っているのかもしれません。それこそ競技中は究極に孤独であるトライアスロンなんかは性分としては向いているかもしれません。

スポーツへの苦手意識を、30代半ばに差し掛かり払拭できるか否か。ひとまず今回のspocastさんとのコラボをきっかけに、何か動ければなと思ったのでした。

では、また。

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