【雑記】捕まえたトカゲを飼う、ということ
2020年に女子高生が捕まえた個体を引き取って以降、ずっとトカゲを飼っている。
最初の個体こそ2年ほどで亡くなってしまったが、カナヘビ・ヤモリ・アオダイショウ・シマヘビ・ヒバカリ――以降も河原や公園で出会った爬虫類たちを捕まえ、そして飼育してきた。
彼らの飼い方については過去のnoteに記したので、そちらをお読みいただくとして(トカゲ・ヤモリ・アオダイショウ・ヒバカリ)、国産爬虫類を飼うことの意義と魅力について語ってみたい。
産地が分かる!
捕獲した爬虫類が購入した(あるいは里親募集などで迎えた)ペットと大きく異なる点は、どこでどう暮らしていた生き物なのか分かること。
石の上にいたから飼う時も石を入れてやろう、草むらに隠れたからフェイクプランツを置くのはどうだろう……と、捕獲場所を思い出せば自ずと理想の飼育環境に近づけるはずだ。
外国産の生き物を飼う場合には、なかなかそうもいかない。レオパを飼うにあたってアフガニスタンの郊外を視察しよう!と言われてもちょっと無理があるだろう。
先に真面目なことを述べてしまったが、エゴめいたことを言うなら、どこで捕まえたか知っているゆえの愛着も主張しておきたい。
「○○年の夏、××川の河川敷で出会った」みたいな記憶は、購入した生体とはまた違った出会いの思い出になるはずだ。
ちょっと綺麗事
生き物を捕まえて飼う、というとどうしても乱獲のイメージが付きまとう。もちろん乱獲はダメだし、筆者も同じフィールドで何匹も捕まえることは差し控えている。
ただ、これは飼育者のエゴではあるものの、捕まえること・飼うことで生き物を助けられるケースもあるのではないか。
実際に、筆者がカナヘビを捕まえたフィールドは翌年に大規模な工事が入り、それからカナヘビたちは姿を消してしまった。
どこかに逃げ延びたのか、はたまた工事に巻き込まれて命を落としてしまったのか、逃げ延びたとして無事に生きているのか、それは誰にも分からない。
また、あるフィールドではウシガエルの駆除が行われ、それからというものシマヘビやヒバカリも見られなくなってしまった。おそらくは繁殖力が強いウシガエルのオタマを捕食していたのだろう、彼らもまたどうなってしまったのか知る由もない。
「環境が壊されるくらいだったら先に捕まえろ」などと言う気はない。
ないけれど、生き物を捕まえて、彼らの生きる環境を知ることで「あー、こういう場所ならヘビやトカゲが暮らしやすいだろうな」と理解を深める人が増えてほしいとは願う。
そうなれば、住処を奪われる生き物は減るのではないだろうか。
まして鳥や昆虫と違い、爬虫類たちは空を飛べない。ひとたび環境を壊してしまえば、後から人為的に植え直した草木に戻ってくることはできないのだ。
彼らの住処が少しでも多く残ることを願うばかりだ。
おわりに
「なんでヘビとかトカゲとか飼ってるの?」と聞かれたときに、自分でもまとまった答えが思いつかなかった。
そんな思考整理も兼ねて、国産爬虫類を飼う意義について記してみた。
「だからあなたも飼ってみよう!」みたいな話をできれば良かったのだが、やはりというか命を預かることを無責任には勧められなかった。
国産爬虫類に限った話ではない。
「なんで生き物を飼うのか?」
この質問、あなたならどう答えるだろうか。
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