ニホントカゲを飼い始めたよ~エサ編~ ※2022/4/27追記
★本記事は、野生のニホントカゲを捕まえたけどエサ何やろう、という方に向けた覚え書きです。結論だけお探しの方は記事下部「まとめ」へどうぞ!
★飼育から2年近くが経ち、分かったことも増えてきたので追記を行いました。(2022/4/27)
急いでいる方へ
台所にあるような食べ物で飼えますか?→基本的に無理です
野菜や果物は食べてくれますか?→食べません
虫以外に何か食べますか?→ペット爬虫類用の人工エサなら食べることも?
前フリ
はいこんにちは、あるいはこんばんは。ばにらさんです。
タイトルの通りなんですが、8月の頭からニホントカゲを2匹飼い始めました。モカが出先で捕まえて、そのままなし崩し的に僕が飼育しています。
感情のない爬虫類ですが、エサや水、日なたなど、好む物事があれば豊かな”表情”を見せてくれ、たいへんかわいらしいです。かわいいだろ?な?
んで、いざ飼い始めると、とにかくネット上の情報が信用ならない。飼育経験あるのかないのかもわからない、いかがでしたか構文ばかりが上位表示されちゃうんですよね。Wikipediaですら結構怪しい。
逆に、僕が心強いと感じたのが飼育経験者による飼育記録でした。というわけで、僕からも今後の飼育者に向けて記録を残しておきます。
今回はトカゲを実際に飼ってみて、エサがどうだったのか?をご紹介。クソ情報に惑わされるヒトが減りますように!
エントリー① ミルワーム(ミールワーム)
近隣に爬虫類用品を売っている店が無かったため、間に合わせのエサとして近くの小鳥屋さんで購入。最初は冷蔵保存していたけれど、思っていたより成長が遅く、常温保存に切り替えてもそうそう成虫になったりはしていません。
トカゲの食いつきが抜群に良く、慣れる前ですらよく食べていました。慣れてからは飛び掛かってきて貪るほど。与えやすさ・入手しやすさの面では最上位です。
実はウチのトカゲ、飼育2週間目に脱走してしまったのですが、ミルワームを入れた容器を置いておいたら帰ってきたほどにはお気に入りの模様。
結構バクバクおかわりもしてきます。与えているとつい楽しくなってしまうので食べ過ぎに注意。
エントリー② コオロギ
最初は爬虫類エサとして売られているコオロギではなく、捕獲場所の近くで捕まえた野生のコオロギを与えました。
ざっくり言うと「食べるけどめんどくさそう」。肢を折る、ピンセットから与えるなど、トカゲが捕まえられるよう工夫が必要です。
栄養価がミルワームより良いとは言いますが、このあたりは昆虫側に食わせたものでもちょっと変わりそう。
また、野生のコオロギを安定して確保するのは難しいので、主食にするとしてもエサ用コオロギを購入することになるでしょう。
総じて、「コオロギ飼育や肢を折る手間を受け入れられるならアリかも」といったところ。
そうした手間のない、乾燥コオロギ(小鳥のエサにもなるので結構よく売ってます)という選択肢もアリではありますが、
①動かないエサに反応が悪いこともある
②臭いがきつい
の2点から、個人的にはあんまり好みではありません。
なお、本記事執筆当初は「エサ用コオロギを小まめに買うくらいなら、コオロギも飼育・繁殖させればいい」と考えていましたが、そんなことありませんでした。買ったほうがラクです。
エントリー③ ワラジムシ
こちらもトカゲ自身では追いかけづらく、ピンセット給餌が安定。返しのついたお皿に入れても良いですね。
甲殻類ゆえか、他のエサ虫に比べるとカルシウムが多いらしい・ということでオヤツにすると良いのかな~と考えています。
食いつきはそこそこ。お腹が空いていれば食べるが、おかわりはいらない・程度のペースで食べています。
ウチのトカゲは腐葉土を敷いて飼育しているため、ワラジムシは放っておけばトカゲのフンや食べ残しを分解してくれるかも?&勝手に繁殖してくれるかも?ということで重宝しています。フォロワーさんのご自宅にお邪魔して庭のワラジムシを根こそぎ譲っていただいたのはナイショ。
なお、乾燥しすぎても死ぬし、水分を求めて水没しても死にます。ばら撒く際には注意しましょう。
エントリー④ ダンゴムシ
人間の視点から見るとワラジムシと似ていますが、こちらは食べません。
空腹時にトカゲたちがときどきかじっている形跡はあるのですが、「これはおいしくありませんでした」とでも言いたげに、かじられたダンゴムシが石や水入れの上に置かれています。何その習性。
エントリー⑤ クモ
こちらも野生のものを捕まえて給餌。
地上というかカベに出現するぴょんぴょんするタイプは流石に食べづらいらしく、またケージの隙間から逃げ出すので好き嫌い以前にイマイチ。
むしろ、巣を作るタイプの巣を崩して中のクモだけ与えるのが手軽だと感じました。コオロギと比べても捕まえやすく、結構どこにでもいるので、最も安く手軽なエサと言えるかもしれません。
ちなみにペットボトルの中に追い込むと簡単に捕まえられて、そのままキープできます(キャップに空気穴をあけておきましょう)
エントリー⑥ カメのエサ(レプトミン)
カメ用の粒になっているエサです。子ガメ用の小さいものなら喉に詰まることもないとは思いますが、ふやかして与えると安全です。
感覚としては、ピンセットを嫌がらない&空腹の個体なら食べてくれるかも、といったところ。捕獲直後の、エサに試行錯誤していた時に試したら一応食べてくれました。
食いつきが抜群に良いわけではないものの、栄養価が調整されていること・爬虫類用品のないお店でも買いやすいことから、エサが用意しづらいときの代替手段にはなり得そうです。
その後、他の個体が見向きもしなかったので、最初の子が食い意地張ってただけみたいです……トカゲに最適化されたエサでもないので、選択肢からは外した方がよさそう。
エントリー⑦ レオパ用飼料(レオパゲル)
レオパことヒョウモントカゲモドキのエサとして、キョーリンから発売されている人工飼料です。
これ、個体差はあるんでしょうがウチの子たちはめちゃくちゃ食いつきます。ミルワームの次くらい、コオロギやワラジムシより喜びますね。
ペースト状なんですが粘りが強いため、与えるときはちょっと慣れが必要かもしれません。モチモチとよく伸びるので、思っているより小さめに切って与えた方が食べやすそうです。ピンセットの平らな部分で切り落とすようにして取ると良いですよ!
人工エサなのでサプリメントの添加は必要ありませんが、べたつき防止のためカルシウムパウダーなどをまぶしても良いかもしれません。
なお、保存料が使われていないため、汚れたピンセットを使う・常温で放置する・一度取り出した中身を戻す・等をやらかすと腐敗して大惨事です。糞尿と硫化水素を足したような悪臭を放って非常ーーーにつらいのでくれぐれもご注意ください。
爬虫類を扱っているペットショップやホームセンターで購入可能ですが、お店ごとに価格がばらけているので、もし複数店舗にアクセスできるなら値段も見比べておくといいですよ。
【追記】各社から、水でふやかすタイプのペレット状の人工エサも多く発売されました。食いつきではややレオパゲルに劣る傾向がありますが、常温保存できて腐らないのは大きなメリットです。
基本的にレオパ用の人工エサは(ピンセットOKなら)ニホントカゲも食べる・くらいのつもりで試して良いでしょう。
エントリー⑧ カニカマ
ミルワームとレオパゲルを好む、つまり動物性でぐにょぐにょしたモノが好きらしい…ということで試しに与えてみました。
空腹時は食いつくがおかわりするほどではない……という、ワラジムシ程度の嗜好性。栄養バランスに優れるわけでもないので、率先して与える必要はなさそうです。
ただ、コンビニでも安価で購入できるため、エサを切らしてしまった際の緊急手段候補としては一考の余地があるかもしれません。
【追記】……と思ったらこれまた他の個体は食べませんでした。最初の子が食い意地張ってただけ案件パート2……
エントリー⑨ その他のイモムシ
モンシロチョウの幼虫など、毛や悪臭の弱いイモムシ類には興味を示します。どうもイモムシの動きが食欲をそそるみたいみたいですね。
特に、釣り餌として販売されているブドウ虫(巨峰虫)はかなりの好物。パッケージを変えて爬虫類用の餌として販売されてたりもします。
カイコの幼虫も栄養価が高く良いエサらしいのですが、ちょっとニホントカゲには大きすぎるようで、食べるのをためらう姿が見られました。
「イモムシ類を捕まえたり、まして買ったりする」というのは抵抗があるかもしれません。けれど、トカゲたちと長く付き合うには選択肢としておくのが良さそうですね。
その他
Wikipediaには「果実も摂食する」と書かれていますが、今のところ植物性のモノを口にする気配はありません。(例外としてミルワームに付着していたきな粉)
もしかすると野生個体が空腹時に何らかの種子や果実を摂食していた例があるのかもしれませんが、Wikipediaの記述を鵜呑みにして果実で飼育を試みることは絶対にやめるべきと主張します。
「フルーツだけで飼えるなら飼ってみたい」って思っちゃう人もいそうなので、ちょっとここは強調しておきますね。
あ、あとどこにでもいて手軽な昆虫ではありますが、アリはまったく食べません! こちらもご注意を!
2年経って
長期間飼っていると、食べ物の好みや食欲そのものにムラが出てくる事実が見えてきました。
人工エサを一度食べても、あるときからパッと食べなくなったり、急にコオロギを追わなくなったり……
自然下でもさまざまなエサを食べていたはずですし、できるだけ複数種類のエサをローテーションできるよう飼うのが良いんでしょうね。
まとめ
ざっくりトカゲのエサについてまとめると
レオパゲルが食いつき・栄養価ともに優れている。ただしピンセットから受け取ってくれる前提
飼いはじめはミルワームが安定、与える場合は栄養バランスを補うこと
ミルワームは粉ミルク、きな粉でキープがオススメ
ワラジムシは食べるがダンゴムシは食べない等、似たような活餌でも結構好き嫌いがある
どれを試しても食べてくれない場合、捕まえた場所に逃がした方が良い。活餌を安定して買い続けられる状況でなければ、飼育は諦めるべき
本記事が、トカゲと出会った人の一助となれば幸いです。
それでは!
お読みいただきありがとうございます。いただいたサポートは動物の世話及び保護の為に役立てさせていただきます。