読書メモ「Fish in a Tree」by Lynda Mullaly Hunt
4月になりいよいよ新学期・新生活が始まりましたね。
長く楽しめた今年の桜も終わり、スギ花粉も落ち着いてきました。
春休みの間は3月の気になる本で紹介した「Fish in a Tree」を読み始めましたが子どもの春休みでバタバタしていてなかなか読書の時間が取れず、今ようやく70%くらいまで読んだところです。
主人公Allyは文字を読むのが苦手で、周りから劣等生扱いさています。しかも、ずっと字を読むことが苦手なことを周りに隠してきたため、自分が「人と違って」字が読めないことに気付いていません。
白黒のコントラストがまぶしいとか字が躍るように見えるとか、そういう症状が自分だけでなく周りもそうだと思っているので「読めるみんなはすごい、読めない私は劣っている」と思っています。
意思に反して体が勝手に動いてしまったり、字が読めないため宿題や課題ができなかったりという点で、学校の先生にあきれられ、理解も得られません。ただし、芸術的な才能には長けていて創作系の活動では評価されるので、優等生でいじわるなクラスメイトの目の敵にされることもあり、自己否定感も相まって苦しい学校生活を送っています。
そこに新任の先生が現れ、その先生や友達との関係を通してAllyの学校生活が少しずつ変わっていき…というというお話です。
大人が問題を見過ごして枠にはめようとすると、その子にどんな心理的影響が及ぶのか分かるような気がしました。遠い昔、私が小学生の頃にも学年に1人くらい「普通じゃない子」がいて、やはりAllyと同じように「劣等生」とか「問題児」として扱われていたのを思い出しました。でも本当は彼らも、別の才能があっただけかもしれません。今よりも社会的、医学的な理解が得られない時代で、社会(学校)では同調圧力で「周りと同じ」であることが評価の条件みたいなところがあり、縦の関係を制する者(先生に気に入られる子)が成績を制するような風潮もありましたが、まさにそんな感じの環境が展開されています。
「普通って何だ?」「優秀って何だ?」ということを考えさせられる1冊です。
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