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【保存版】はじめての洋書入門ガイド

【はじめに】


今回は「はじめて洋書を読んでみたい」という方に、選書のポイントや心がけたいことをまとめてみようと思います。

最初に心に留めておいていただきたいのが、このページを開いていただいた方はきっと「洋書に挑戦したい」と思っている方々だと思いますので、ぜひその前向きな気持ちを大切にするようにしてください。

【洋書を選ぶ前に】


「洋書には興味があるけど、どうやって始めたらいいか分からない」
「なんだか敷居が高そう、難しそう」というイメージはありませんか?

確かに多くの日本人にとって、日本語の本は小さい頃から読むことに親しんでいて洋書に比べて読みやすいです。赤ちゃんの頃から絵本を読み聞かせてもらった方もいると思いますし、小学校から義務教育で国語の授業が始まり、日常生活はほぼ日本語で事足りています。しかし、英語については(私の育った昭和の頃は)中学校からアルファベットを学び、This is a pen. と書くところから始まったものです。今はネットが普及し、グローバル社会となり、公立でも小学校から少しだけ(本当に少しなのであまり意味を感じませんが)英語に触れている時代なので、私の頃より英語は身近かもしれませんが、やはり日本語のほうが身近なのは否めません。

【洋書の選び方】


では、発想の転換をしてみてください。中学から英語を学び始めたのですから、英語圏の子どもたちが小学校でたどったステップをマネしてたどってみればいいのです。まず、あなたの英語水準はどこでしょうか? (大人の場合)大半の人は日本語教育の中学・高校・大学のどこかのレベルにあるはずです。英検やTOEICでもいいです。ポイントは自分のレベルを知って、レベルに合う本を選ぶことです。初めは英語圏の小学1年生、来年は2年生…のような気持ちで気長にレベルアップして、数年後には難しい本でも読めるようになろう、くらいの気持ちで読み始めるといいと思います(そんな心構えでいると意外と早くレベルが上がってきます)。

例えば今の自分の英語力が中学レベルだったら、読解力は現地の小学生の英語レベルなので、小学生低学年向け(6~9歳)の本を探します。高校レベルだったらミドルグレード(8~12歳)、大学レベルだったらヤングアダルト(YA)(12~18歳)から始めてもいいかもしれません。自分の読解レベルを知って、そのグレードの本からからスタートしてみましょう。
とにかく背伸びをしないことが大切です。

「え~? 子どもの本なんて退屈でしょ?」という声が聞こえてきそうですが、そんなことはありません。意外と面白い本がたくさんあるので、ぜひ探してみてください(本にも内容規制がありますので年齢に適したものになりますが)。そして、子どもの本でも意外と知らない単語が出てきます。大切なのは辞書を引く回数が少なく読めることです。辞書は引いてほしいのですが、回数は減らしたほうがいいです。知らない単語だからといきなり辞書を引かずに、その単語が何回も出てきて、その単語が分からないと頭の中にシーンが描けない時のみ辞書を引いてください。電子書籍だと辞書機能が付いていることがありますが、使わないほうがいいと思います。まずはどんな言葉か想像して、どうしても分からなかったら辞書を引きましょう。そして、調べた単語は本に書き込まず、付箋などに書いてそのページに貼っておきます。再度同じ単語に遭遇して覚えていなかった時(私は記憶力弱いのでよくこういうことが起きます)に簡単に見返せて、覚えたら剥がせるので便利です。

また、単語の難易度の目安にサンプルを数ページ読んでみるほうがいいのですが、その時に本の最初のページ(1ページ目)を読むのはおすすめしません。本の冒頭というのはその本のエッセンスがギューッと詰め込まれていることが多くて読みにくいものです。数ページめくったところもしくは真ん中くらいを開いて数行読んでみます。知らない単語は少ないほうがいいですが1ページに2~3個ぐらいならOKです。上から数行読んで、1文の中に分からない単語が出てくる文が何文も続くようなら、別の本を探しましょう。Amazonなどは「試し読み」がついている本もたくさんありますし、Kindle版が出版されていれば無料サンプルをダウンロードすることもできますので、単語の難易度の参考にできます。

英語4技能(読む、聞く、話す、書く)の中でもインプット中心の「読む」は日本人が一番得意とする分野です。せっかくの得意分野ですから楽しく使ってみましょう。

【注意点】

では、洋書を読み始めたあとに大切なことは何でしょうか。

それは「まずは1冊、最後まで読み切ること」です。
とにかく1冊、読み切る達成感を味わってみます。

読んでみたらつまらなかった、興味がなかった、という場合はさっさと別の本に変えましょう。「せっかく買ったから最後まで読もう」と意気込んで、無理して読み続けるのは禁物です。読み切らなかった罪悪感を抱く必要もありません。途中で挫折したり、退屈だと思ったりして、2冊目に手が伸びなくなってしまうほうがもったいないです。人と本はタイミング。その本が今の自分に合わなかっただけだと思いましょう。タイミングが合うか合わないかで、内容が染みてくる深さが変わってきます。いつかまた、その本を読んでみたくなる時が来るかもしれませんが、今はそのタイミングではないというだけのことですので、思い切ってその本を置いて、新しい本を探します。もし、退屈だと思う本が続くときは、ジャンルを変えてみてください。


洋書を選ぶ時に大半の人が手に取りがちなのが、よく知ってるとか、よく見かける作品です。誰でも知っていて訳書も出版されているような有名どころがいいと感じるかもしれませんが、全文載っているものはおすすめしません。例えば「赤毛のアン」(Anne of Green Gables)。比較的英語は易しいものの、はじめての洋書には分厚すぎると思います。1冊読むのに1か月くらい(もしくはそれ以上)はかかりそうなものは、読破できれば達成感はあるものの、疲れてしまったり、満足して終わってしまったりする可能性大です。目安として数日、長くて1週間くらいで読めそうなものを探しましょう。

映画化されている古典文学、例えばジェーン・オースティンの「Pride and Prejudice」(高慢と偏見)とか、大学の授業で使われがちな、原文の言葉選びがそのまま載っているようなものは、レベルが高い場合が多いのでおすすめしません。古典文学はそもそもネイティブでも解読が難しい場合が多いので、興味があっても手を伸ばすのはもう少し待ってください。

最初から古典作品を読んでみたい場合は、英語をレベル別に読みやすく改編してあるPenguin Readersシリーズや、Oxford Bookworms Libraryシリーズをおすすめします。全文が載っているOxford World's ClassicsやPenguin Classicsシリーズではなく簡易版のシリーズです。以下いくつか例を挙げておきます。

レ・ミゼラブル(レベル1)

オペラ座の怪人(レベル1)

赤毛のアン(レベル2)


あとは、SNSで人気の近代作品。ラブコメやミステリー、ノンフィクション(自伝や啓発本系)なども興味を抱きやすい内容が多いので魅力ですが、原則は辞書をあまり引かずに読めるレベルを選んでください。私もはじめて読破できた洋書はラブコメでした。ラブコメは内容設定が日常生活に似ていることが多いので、共感しやすいという面ではおすすめです。啓発本は社会人の方は共感しやすく、比較的読みやすいかもしれませんが、英語圏の大人向けに書かれている本ですので英語が簡単なものは少ないかもしれません。できればごく薄いものか、洋書に少し慣れるまでお預けにするほうがいいのではないかと思います。ノンフィクションが好きなのであれば、サイエンス系の児童書や子供向けの科学雑誌などもいいかもしれません。

【はじめてにおすすめの洋書~初級】


以下、参考までに1冊目におすすめの児童書5選、載せておきます。

①What Is Climate Change?

サイエンス系の教育書。シリーズでたくさん出ているので興味のあるものを見つけやすいです。


②The Little Prince

定番中の定番「星の王子さま」。訳書を読んだことがある方は多いのではないでしょうか。この洋書版は挿絵がカラーでとてもかわいいです。


③The Owl Who Was Afraid of the Dark

夜行性なのに暗闇が怖いフクロウの子どものお話。とってもかわいい物語なので何度も読み返してしまいます。


④The Magic Finger

映画「チャーリーとチョコレート工場」や「マチルダ」の原作者ロアルド・ダールによる作品。とても短いのでとっかかりやすいです。ダール氏らしく内容は奇抜なので、刺激を求める方におすすめ。魔法が使えるようになった指で嫌な人たちを成敗していくお話。


⑤Frog and Toad Are Friends

邦題「ふたりはともだち」の原書です。ガマガエルとカエルの掛け合いがとてもかわいい。シリーズで読みたくなる作品です。お子さんがいる方は、日本語版をすでにお持ちの方もいるかもしれません。とても息の長い良作です。


いかがでしたでしょうか。
1人でも多くの方に挑戦していただけるとうれしいです。
一緒に洋書の海で泳ぎましょう♪

ではまた。

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