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【#75】日本人はリスクを嫌っているのか?

〈この記事を書いた人〉
福田浩樹(ふくだひろき)
1990年生まれ。大阪府出身。株式会社ネクスト COO
医療機器、不動産など複数の営業を経験。不動産営業では社内の歴代最高の売り上げ記録を更新。また、不動産エージェントとしての活動と並行して営業コーチとしても活動。エステサロン、英会話、弁護士業務、などの複数の業界において売り上げアップに尽力。業界問わずあらゆる営業において顧客の信頼を掴むコミュニケーション術を指導。

今回は日本人はリスクを嫌っているのか?というテーマでお話し致します。

投資の界隈では良く言われることですが、アメリカ人はリスクを厭わないから投資を良くして、日本人はリスクを嫌うから貯蓄に回しがちだという論調の文章を良く見ます。

僕はアメリカに住んだこともないしアメリカ人の知り合いが多いわけでもないので実際の所、本当にアメリカ人がリスクをとって投資に回すのを好んでいるのか?などは分かりません。
世間的には日本人は礼儀正しいと言われますが、実際には無礼な日本人もたくさんいるわけで、実際にはアメリカ人にも色々なタイプがいるのだと思います。

少し前までは「貯蓄or投資」という議論でしたが、最近は「貯蓄or投資or借金」という話が増えています。
経営者であれば馴染みのある考え方だとは思いますが、何か事業をする際に自分の手持ちのお金だけで何かをするよりも借金(融資)を受けて事業を始めた方が効率が良いという考え方で、非常に合理的なのですが日本において個人レベルでこれをやっている人はまだまだ少ないと思います。
投資であれば、まだ最近はNISAやiDecoなどが浸透しつつありますが、借金となると「借金=悪」という考え方は「投資=リスクがある」という考え方に比べてもより根深いのではないでしょうか。

まあ、この様な議論は常に起こり続けていて、「何かやった方が良いんだろうけど、良く分からないし一旦保留で」という思考になる人が多くなった結果、日本人はリスクを嫌がると言われるのではないかな、というのが僕の見立てです。

これからは僕の個人的な意見ですが、日本人はリスクを嫌がるという論調は実は間違っていると思っています。
この問題はもっと根深いのではないかと考えていて、そういう意味では僕が考えている問題を解決しないと日本の景気が良くなっていくという事はまだまだないんだろうなと勝手に思っています。

本当に日本人はリスクを嫌がっているのでしょうか?
僕はむしろ逆だと思っています。
例えば、戦国時代まで遡って考えても、当時の日本人は「戦が強そうな(勝てそうな)将軍の元で働く」という合理的な選び方で主君を変えるのは武士の義に反する行為でしょう。
この主君について行くと決めたら、最後まで貫き通すという「大博打」に出るのが日本人です。
現代でいっても、経済的に衰退して来つつある日本の中で1つの会社に勤め続ける事は結構なリスクではないのでしょうか?
日本の人口が減っていることは誰もが知っている事実です。
そして、世の中が多様化していることも今や誰でも知っています。
移り変わる環境の中で社会を生き抜いていく力を持たない人はかなりの確率で淘汰されていってしまう事は少し考えれば誰にでも分かることだと思います。
その中で「転職や独立は失敗するリスクがあるから。。。」という理由で現状を維持をすることは逆にリスクを増大させている行為だと思います。
そういう意味で日本人はリスクが嫌いだという論調は違うような気がするんです。

僕が思うに、日本人が本当に嫌っているのはリスクでは無くコミットです。
コミットとは「何かを必ずやらねばならない」という状況を自分から作る事や「必ずこれを達成します」と周りに宣言することを指します。
このコミットを極端に嫌っている人が本当に多いと思います。
簡単に言えば「頑張りたくない」です。
もっと細かく言えば「能動的に頑張りたくない」かも知れません。

投資で失敗したら取り返すために頑張らないといけません。
借金したらそれを取り戻すまでは必ずコミットして頑張らないといけないです。
恐らくこれが皆、嫌なのではないでしょうか?

逆に言えば、「もし失敗してもまだ0から這い上がれば良い」と腹を括っている人からしたら投資の失敗も借金をすることもリスクとは言えないわけです。
成功すればもちろんラッキーだけど、失敗したとしてもまた頑張るだけだからです。
だから、理論上は有効そうな投資や借金も積極的に活用出来るし、「自分で頑張る」という大前提があるから欲張った投資に手を出さないんですね。
「自分で頑張りたくないから資産に働いて貰おう(=投資をしよう)」という思考の人はどんどん割の良い投資にハマっていきます。
投資ですからハイリターンは必ずハイリスクですし、怠惰な心は詐欺師などに本当につけ込まれます。

自分で頑張る気概がない人からすると投資の失敗や借金は確かにリスクが高いです。
でも、これは投資や借金が悪いのでしょうか?
そうではなくて、そもそも「自分で将来、ここまでの成果を必ずあげる!」とコミットして頑張ることが出来ない事に問題があるのだと思います。

転職や独立をしたら慣れた環境を捨てて、新しい環境でまた頑張らないといけません。
そこで上手くいかなかったら、更に頑張る必要があります。
現代の日本人は変化や失敗が嫌なのでは無くて、その先にある努力を嫌がっている。
そんな気がしてしまうんですね。

いかがでしたでしょうか?
今日の記事は完全に僕の持論で、何か統計や学問的な根拠に基づいた話ではありません。
でも、皆さんも周りを見渡すと結構思い当たる節が見つかるのではないかなと思っています。

今は「貰えるのが当たり前」という環境になりすぎている気がします。
休みは貰えて当たり前、給料は貰えて当たり前、先輩に教えて貰えて当たり前、仕事で使うお金は出して貰えて当たり前、という具合です。
これらは独立している身からすると、全て当たり前ではありません。
めちゃくちゃ恵まれている環境です。
休みも給料も自分で作るものです。教えて貰う人も自分で探すし、仕事の経費はもちろん実費です。
別にブラック企業を推奨しているわけでもないですし、恵まれた環境にいる人達のことを妬んでいるとか、僕は苦労していますアピールをしたいのではありません。

ただ、「貰えるのが当たり前」の環境に慣れすぎて、自分でコミットして頑張るということが出来なくなってしまうというリスクは計り知れないものがあるんじゃないですか?と言いたいだけです。
「やれることから始める」のはもちろん良いことですが、時には「やれないことですら始めてみる」ということもあっても良いと思います。
出来るか出来ないかで行動を決めるのではなく、「やる」と決めてから出来る様な行動を創っていくのがコミットです。
誰もがコミットして頑張る日本になった時、僕は日本が物凄い盛り上がりを見せているのではないかと勝手に思っています。

ではまた!

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