【#91】最良の人間関係構築に最適!「人を動かす 聞く力&質問力」
〈この記事を書いた人〉
福田浩樹(ふくだひろき)
1990年生まれ。大阪府出身。株式会社ネクスト COO
医療機器、不動産など複数の営業を経験。不動産営業では社内の歴代最高の売り上げ記録を更新。また、不動産エージェントとしての活動と並行して営業コーチとしても活動。エステサロン、英会話、弁護士業務、などの複数の業界において売り上げアップに尽力。業界問わずあらゆる営業において顧客の信頼を掴むコミュニケーション術を指導。
今週のオススメ本
今回は「人を動かす 聞く力&質問力」という本についてお話し致します。
コミュニケーション。非常に定義が広い言葉ですが、皆さんはどういうイメージをお持ちでしょうか?
良く会話はキャッチボールに例えられますね。
キャッチボールはボールを投げては捕って、捕っては投げてを繰り返すわけですが、本書は良いボールを投げる事について記された本ではありません。むしろ、ボールの捕り方と相手に良いボールを投げて貰う方法について記された本です。
僕から見てこの本が非常に実用的だなと感じた部分は俗に言う「相手を動かす魔法の一言」の類いの本ではないという所です。
著者は長年、人材育成コンサルタントとして活動されている方です。
お仕事柄、クライアントから求人者に至るまで老若男女、様々な人と円滑なコミュニケーションを取る必要がある方なのでしょう。
本の内容からも相手とのコミュニケーションに勝ち負けをつけず無駄に張り合わない「相手と良好な関係を築く」という絶対方針が伝わってきます。
コミュニケーションは相手ありきです。コミュニケーション術の本の中には、その相手が誰かも分からないのに「こういう言い方が効果的」「これだけ言っておけば大丈夫!」という書き方をしている本もたくさんあります。
これは例えるなら、ジャンケンでグーだけ出しておけば大丈夫と言っている様なものです。グーが効果的かどうかは当然相手が何を出してくるかに依存していますよね。
僕も営業マンというコミュニケーションをツールとして仕事をしている人間ですが、実際に「これだけ言っておけば大丈夫」という類いの言葉はないと思っています。
その点、この本は先程のジャンケンに例えると「相手がグー、チョキ、パーの何を出すのかを聞く力&質問力を使って絞り込んでいく技術」が書かれています。
相手が何を出すのかが分かればジャンケンで勝つことは簡単ですよね。
では、本書にある聞く力&質問力についていくつかポイントを絞って紹介していきましょう。
聞く力&質問力を磨く目的は?
聞く力&質問力を磨く目的はずばり良好な人間関係の構築です。
筆者も言っていますが、基本的に人は自分のことを話したがる生き物です。
僕自身も心当たりがありますが、自分のことを知って欲しい、分かって欲しいという欲を誰しもが持っています。
ただ、自分のことを話したいという欲を誰しもが持っているにも関わらず、上手く自分のことを話せるかどうかはまた別の話です。
考えていることや感じていることはあるけど、漠然としていてまとまらない。なんと表現すれば良いか分からない。こういった経験は皆さんもあると思います。
そんな時に話し手である本人すらまとまっていない内容を的確な質問や抜群の聞き方で、話しているうちに考えがまとまってくると言ったことが起こせるとしたらどうでしょうか?
その相手からは感謝されますし、自分にとっても非常に有益なコミュニケーションになりますよね。
言うまでもなく、有名人のスピーチの様に優秀な人に話して貰う話は有益です。
ただ、この本に記されている内容で印象的なのは「相手の話を分かりやすくするのは聞き手の仕事」という文章です。
話し手が同じ人でも聞き手の力でその話の内容の質、ひいてはコミュニケーションそのもの質を変えることが出来ると思えば、聞き方&質問力を向上させる価値はあると思いませんか?
具体的に本書の中で紹介されていた聞き方&質問力をいくつか紹介致します。
非常にたくさんのスキルが紹介されているのですが、ポイントは具体化と一貫性です。
話が分かりにくい人の特徴としては
・表現が曖昧である
・話があちこちに脱線してしまう
という2大特徴が挙げられます。
1つめの表現が曖昧である人は「多分」「何となく」「~という感じ」という表現を良く使われます。
その他にも数や量が「多い、少ない」「みんながこう言ってて~」など、話が感覚的すぎたり抽象的すぎたりしても正確な情報が掴めないことがあります。
その時に
「いつから?」
「数は?」
「誰が?」
といった具体性を持たせる質問をしてみることで話の内容がクリアになります。
話している本人も会話の中で話の細部にまで意識が届いていなかったなという気付きが得られます。。
また、2つめの話があちこちに脱線しまう人は、頭の中で伝えたいことがまとまっていない事が原因になりがちです。
そこで、
「要するにこういうことでしょうか?」
「先程の○○な話はこの話に繋がるんですね!」
「1つだけ、この点についてもう少し深く聞かせていただいてもよろしいでしょうか?」
といった形で、相手の話を要約して交通整理する様な聞き方が望ましいとあります。
具体性があって、一貫性やストーリー性のある話は誰でも聞きやすいものですが、その話を相手にしてもらうという非常に価値の高いスキルだと感じます。
その他にも、会話を弾ませる「つなぎの言葉」や気配りを感じさせる聞き方のコツ、角を立てずに反論する方法など非常に有益なコミュニケーションスキルに加えて、プレゼンに応用できるスキルや良好な人間関係構築のための聞き方なども紹介されております。
改めて人望の大切さを見直す
本書にもありますが、人望の厚い人は例外なく聞き方を磨き、質問力を駆使しています。
人望を得る為には「何を話すか?」ではなく「どの様に聞くか?」が大切だという事ですが、僕も実体験を思い返しても非常に納得感があります。
表現が難しいのですが、聞き方が上手な人は人を魅了するというよりは安心感を与えますよね。
特に仕事においては顕著です。
この安心感は人を魅了することに比べても非常に大切な要素で、この人になら任せられるなという安心感は結局は人望から来るものだと思います。
人望のある人に仕事が集まってくるのはどんなにSNSやAIが発展してもそこは不変でしょう。
上手く話す技術ではなく、上手く聞く技術。ひいては上手く話して貰う技術。
本書に内容は皆さんにも役に立つこと間違い無しです。
是非ご一読下さい。
ではまた!
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