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【#90|本の紹介】大人が読むべき参考書 英文読解のナビゲーター

<この記事を書いた人>
Kai Nishitomi
1988年生まれ。神戸市出身。塾講師/塾経営者。
大学在学中の20歳で学習塾を開業。
以後マンツーマン専門のプロ講師として自塾・大手塾にて授業を担当。
「自ら学ぶ力を高めるための学習法の分析と指導」を専門とした指導スタイル。医学部をはじめ難関大受験指導を中心に活動。
最近では社会人の学習・スキル獲得のためのアドバイスも展開。

僕は本業が塾講師なので参考書はもう何百冊と読んできました。
特に専門である大学受験の参考書です。

参考書と聞くと
「受験生が読むものであって、大人の自分には関係ない」
と思われるかもしれません。

でも、そんなことはないんです。

数多ある参考書の中には
「大人こそ読むべきだ」
というべき本がいくつかあります。

今回はその理由と、オススメの本を1冊、英語についての本をご紹介します。

大人こそ参考書で学ぶべき

僕は結構大人の方に参考書を勧めます。
最近は大人の学び直しブームもあって、教養系の本を読む人も増えてきた印象です。

もちろん本屋さんには大人向けの教養書が置いてあります。
その中に良書がたくさんあるのは承知の上なのですが、それでも僕は参考書をオススメします。

理由は2つ。

1つはわかりやすいから。

参考書を書いているのは塾業界でも指折りの実力派講師たちです。
塾業界は生徒の成績やアンケートなど、様々な尺度で講師の授業力を測ります。
講師は正社員ではなく業務委託契約の場合も多く、スポーツ選手みたいな競争が発生します。
普段から激しい競争の中で「わかりやすさ」を競っている人たちの解説力は一級品です。

もう1つは問題が載っているから。

大人向けの教養書の一番の欠点はこれだと思います。
わかりやすい説明には副作用もあって、それは「わかった気になりやすい」ということです。

読んでいる時は「ふむふむ。なるほど!」と感じるけども、いざその知識を活かすべき場面では出てこない、という現象がよく起こります。

これを防ぐ最も手っ取り早い方法が「問題を解く」ということです。
載っている問題を自力で解くことで、その知識を使う練習にもなるわけです。

こんな感じの理由で僕は学び直しをする大人には参考書を激推ししているのですが、今回はそのオススメ参考書の中から英語を勉強する人向けの本を紹介します。

ちょっと骨太な文章が載っているので

・中学レベルの英語は大丈夫
(または学び直しを終えた)
・ちょっと難度の高い英文に挑戦したい

という人にオススメです。

英文読解のナビゲーター

英文学者として、予備校講師として、長年にわたり生徒の人気を博し続けてきた奥井潔先生による珠玉の1冊。本書の最大の魅力は、入試問題から抜粋しながら、繰り返し読むに耐える、英文学の香り漂う質の高い英文素材ばかりを精選したことにあります。最高の素材を使って展開される奥井先生の解説は、まさに奥井ワールド。ハイレベルながら、勉強していることすら忘れてしまいそうになるほどの魅惑でいっぱい。あなたも本書で一生の宝物になる英語力を身につけてみませんか。

この本は1997年に出版された本で、一時は絶版になってしまった本です。
2021年に新装版として復刊され、今は普通にAmazonでも買えます。

大学受験のための参考書なんですが、はっきり言って参考書としては少し時代遅れな感があります。

入試問題は時代の変化によって流行り廃りがあります。
今はこの本に解説されているような英文はあまり出題されなくなってきているので、受験生には別の本をオススメします。

ただ、この本の魅力はもっと別のところにあります。

単なる受験用の知識・技術ではなく、もっと広い意味での教養を与えてくれるところです。

内容としてはタイトルの通り「英文を読む」ための訓練をする本で10~20行程度の短めの文章が24題載っていて、それぞれに解説がついているという構成。

まず24題の英文が良いです。
英語の勉強であることを度外視して、和訳だけ読んでも示唆に富むような質の高い文章に触れることができます。

そして解説が最高です。

英文を読むという行為は「単語の意味を調べ、文法規則に従って日本語に変換できればOK」というほど簡単なものではありません。

どんな英文にも文脈があり、背景があり、筆者からのメッセージがあります。

単語や文法の知識はあくまで道具。
「英文を読む」の正体は、それらの知識を道具として使った上で考え、解釈し、筆者の考えを正しく受け取るという行為です。

この本は課題の英文をフレーズ一つひとつまで分解し、それぞれに奥井先生の解説と解釈がついています。

「英文を読める人は、この時にこんなことを考えているのか」

という「読みのお手本」を知ることができます。

SNS時代こそ骨太の文章を

SNS時代は可処分時間の奪い合いです。

Youtube,TikTok,インスタなどを開けば無数のコンテンツに溢れている今、ユーザーとしては

「カンタンで、わかりやすいもの」
に流れていきがちです。

ドラッカーの『マネジメント』を原著で読む人は減り、
『もしドラ』やマンガ版に流れ、
SNSに載っている『5分でわかるマネジメント』みたいなコンテンツに流れ…。

確かにSNSの情報は便利です。

「グダグダと長文(長時間)で説明せずに簡潔に教えてくれ」

という気持ちもわかります。

ですが、

『マネジメント』の原著を頑張って噛み砕きながら何時間もかけて読んだ人と、SNSで5分でインプットした人の、どちらがより見識と教養を深め、その知識を使いこなすことができるか?
の答えは自明ではないでしょうか?

受験の世界では初学者や読解が苦手な人向けにわかりやすく書かれた文章を
「離乳食」と呼んで揶揄することがあります。
噛み砕く力(読む力)がない人向けに、噛み砕く必要がないように加工して提供されている食事(文章)だからです。

離乳食は離乳食で便利ですから、それを否定する気はないのですが、
たまには筋張った肉を噛みちぎるような咀嚼力や、固い飴玉を口の中で溶けるまで転がす忍耐力なんかが要求される本を読んでみるのも良いものです。

そういう読解を目指す時に、受験参考書はうってつけです。

国語や数学についてもどこかで紹介しようと思っているのですが、今回は
英語でご紹介してみました。

挑戦してみようと思う方は是非ご購入を!


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