見出し画像

大海原の怪獣

すべて投げ出してしまいたくなる
名前すら知らない誰かでも
愛してやまない大切な人も

みんな死んじゃえばいいと
そう思う時がある

たったひと時 嵐が来て
雷鳴を轟かせる

そんな荒波も ふと我に帰る
沖の方へ流れるように 気持ちは引いていく

やがて干潮を迎えると 
砂浜に無数のゴミが見えてくる
無作為に一つ 手にとって顔を近づけた
壊れているけど 確かに大切だったもの

もう戻れないところまできてしまったのだ
私の涙ごと 海は飲み込んだ

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?