大海原の怪獣
すべて投げ出してしまいたくなる
名前すら知らない誰かでも
愛してやまない大切な人も
みんな死んじゃえばいいと
そう思う時がある
たったひと時 嵐が来て
雷鳴を轟かせる
そんな荒波も ふと我に帰る
沖の方へ流れるように 気持ちは引いていく
やがて干潮を迎えると
砂浜に無数のゴミが見えてくる
無作為に一つ 手にとって顔を近づけた
壊れているけど 確かに大切だったもの
もう戻れないところまできてしまったのだ
私の涙ごと 海は飲み込んだ
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