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アラン・ドロン

先日亡くなったフランスの名優アラン・ドロン。
イケメンという言葉がない時代、キリッとした美しさで一世風靡した男。
ハンサム、クール、男前、美男子。どの言葉で語ったら良いのかわからない。

とにかくあの目がいい!魅惑の目。

幼い頃にドロンに魅入られ過去の映像を追いかけていたが、彼が中年に差し掛かった頃からの映画はそれほど観ていない。
彼が年をとってからは、懐かしい気持ちも込めて見つめていた感じ。

伯母はドロンのファンだったし、母は映画好きでTVの名画劇場はひとしきり見る人だったので、私も映画が好きになり、両親が寝静まった後の真っ暗なリビングで隠れて、よく深夜劇場を観ていた。
テレビ欄をチェックしてドロンが出る日は確実に観るのだ。まあ、他にも色んな映画を観たけど。

ドロン主演の映画では「太陽がいっぱい」が有名だが、まだ幼い私の心をとらえたのは「お嬢さんお手柔らかに」というコメディで、ドロンはめちゃくちゃ女たらしの役どころ。しかしあまりに美しいから観ているだけで幸せだった。

「黒いチューリップ」で双子の兄弟役の時は、ドロンが2倍出てくるからテンションが上がった。貴族の設定も良かったなあ。「怪傑ゾロ」より、私は黒いチューリップのドロンが好き。

小学生から中学生の頃の私は、ドロンが出てくる映画を漁った。
ジャン・ギャバンとの暗黒街ものは、映画の中身よりドロン見たさで観て、ストーリーはさっぱり理解してなかった。暗黒街シリーズに申し訳ないです。
ドロンってハードボイルドばっかりで、ラブコメ本当に少ないのよ。

「冒険者たち」はオトナの宝探しで、音楽も映像もオシャレでかっこいい映画だったが、三角関係の中でレティシアはドロンを選ばない。「レティシア、ドロンに告白されてんのに何で?何でよ?」で終わった。
しかしあの海の中の城には行ってみたい。
(あ、ネタバレすまんです)
今の私なら、レティシアの気持ちわかるけど。
あー、やっぱり私ドロンを選んでしまっているなあ。

アラン・ドロンは、私の調べによると(色々記事が出てるんです。違ったらすみません)両親は離婚、母と上手くいかない殺伐とした家庭環境に育ち、17歳でインドシナ戦線に行って何を見て何を体験したのか。
その後、誘われカンヌ映画祭を見に行き、歩いていて映画監督に見出されたドロン。

あれだけ美しかったら歩いているだけで目につくはず。本人も声をかけられる事を期待して歩いていたと思うんだけど、彼を導いて世の中に押し出した多くの女性に拍手を送りたい。

映画界の宝をありがとう。

母国であるフランスでは、ドロンが美形の代名詞みたいに言われながらも、ちょっと癖のある顔のジャン・ポール・ベルモンドの方が人気があったようです。
フランスだもんね!

日本の人気は世界の中でも異常だったのでしょう。
彼は何度か日本に来ています。

何だろう、日本ではイケメンの価値がヨーロッパ諸国より高いのかもしれない。

同じアジアの韓国ドラマ観てると、美形であること、若い事にすごく価値があるような作りのものが多くて、それどうなんだろうと時々疲れちゃうのですが、喜ぶ日本人の構図があって、韓国に続けとばかりに美容整形に溢れているのは何故。

顔と年齢が命ですか?
と問いただしたくなる。

もちろん、そんな人ばかりじゃないのは知ってるけど。いや恐るべし、美しさの魔力。

若きドロンのいけないほどの美しさは、世界の宝、天然記念物レベルだったと思う。
そんな美しい人も歳をとり、老人になっていくのが哀しくもあるけれど、その中で自分を保ってキリッとしていられることは素敵だなと思う。

人は必ず歳をとる。
生まれた日から、死に向かって行進しているんだ。

今の私が、これからの人生の中で一番若いのだ。
やることはやっておかなくちゃ。
自分が絶世の美女だったら、老化が超絶辛いものだったろう。今だって辛いけど、それ忘れよう。

美しさは残酷なんだね。

などと思ったのでした。
でもドロンの映画は不滅です。観ようと思えばいつでも見ることが出来る。そういう現在は、美しい本人よりも、美しさを愛でてテンション上げられる人間の方が幸せに生きていけるのかも。

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